ウクライナは石炭が豊富に取れ、他にも岩塩の鉱山があったりしますが、それらの鉱山のほとんどは 今現在ロシアが支配しているエリアにあります。

 

ロシアが支配している東部ドンバス地域は 鉄鋼や石炭等の工業地帯でウクライナの輸出の1/4が東部ドンバス地域から生産されたものでしたが、最近米ネオコンのリンゼー・グラハム氏は ウクライナの石炭やレアメタルの鉱山を 今のままではロシアと中国に捕られてしまう。だからウクライナにはロシアとの戦争に勝たせる必要がある と主張し始めました。

 

これについて、早速記事をご紹介します。

 

Ukraine is a ‘gold mine’ – US senator

 

(和訳開始)

 

ウクライナは"金の鉱山”だー米上院議員

リンゼー・グラハム氏は、この紛争でロシアが勝利すれば、アメリカは膨大な鉱物資源へのアクセスを失うことになると述べている
 

 

リンゼー・グラハム米上院議員(共和党、サウスカロライナ州選出)は、ウクライナ紛争でロシアに勝利を収めさせることは「許されない」、それは膨大な鉱物資源への直接アクセスを失うことを意味するからだと述べた。

グラハム氏は日曜日、CBSの「フェイス・ザ・ネイション」とのインタビューで、ロシアのプーチン大統領を「誇大妄想者」で、ウクライナを皮切りに「武力でロシア帝国を再建」しようとしていると非難した。さらに同氏は、モスクワが現在の紛争に勝利すれば、ウクライナの富を奪い取り、中国と分かち合うことになると主張した。グラハム氏はその見通しを「ばかげている」と述べ、この「金鉱」が米国に利用可能になった方がよいと示唆した。

ウクライナは10兆から12兆ドル相当の重要鉱物を保有している。彼らはヨーロッパで最も豊かな国になる可能性がある...今ウクライナを支援すれば、彼らは私たちが夢見てきた最高のビジネスパートナーになることができ、その10兆から12兆ドル相当の重要鉱物資産はプーチンや中国に渡されるのではなく、ウクライナと西側諸国が活用できる」とグラハム氏は述べた。

「ウクライナがどう終わるかは、非常に重要な問題です。負けるわけにはいかない戦争に彼らが勝てるよう、協力しましょう。彼らは金鉱の上に座っています。中国と共有することになる重要な鉱物のために、プーチンに10兆ドルや12兆ドルを与えるのは馬鹿げています。」

長年の対ロシア強硬派で、米国上院で最も強硬なウクライナ支持者の一人であるグラハム上院議員は、西側諸国に対し、凍結されたロシアの国家資産3000億ドルの差し押さえを急ぐよう求めた。グラハム上院議員は、ロシアを米国法の下で「テロ支援国家」に指定するよう繰り返し要求したが、この提案により、グラハム上院議員は今年初め、モスクワの過激派およびテロリストのリストに載せられた。

グラハム氏の発言の前日、ハンガリーのビクトル・オルバーン首相は、西側諸国はウクライナの富を掌握するためにキエフがロシアとの紛争に勝つことを望んでいると主張した。ヒルTVとのインタビューでオルバーン氏は、米国とその同盟国はロシアが敗北すればウクライナを支配できる潜在的に巨大な収入源とみなしていると非難した。また、紛争は西側の「武器供給者、債権者、投機家」にとって大きな追い風になると述べ、これが紛争が長引いている理由だと主張した。

モスクワは紛争中、その目標は主にロシア語を話すドンバス住民をキエフによる迫害から保護することと、NATOがロシア国境に拡大していることを踏まえてロシア自身の安全を確保することであると繰り返し述べてきた。モスクワはウクライナの資源を接収する意図を一度も表明していないが、クリミアを含むロシアへの参加を選択した旧ウクライナ地域は引き続きロシアの管理下に置かれなければならないと繰り返し強調してきた。
 

(和訳終了)

 

私のブログでは この頭のおかしいネオコン、リンゼー・グラハム上院議員の発言を何度も取り上げてきましたが、彼の言う、「ロシアのプーチン大統領を「誇大妄想者」で、ウクライナを皮切りに「武力でロシア帝国を再建」しようとしている」ということこそが まさしくグラハム氏の誇大妄想ではないでしょうか。

 

プーチン大統領は「武力でロシア帝国を再建」とか一言も言っていませんし、「ウクライナの次はバルト三国」とか、そのようなことも西側の反ロシア連合の政治家とメディアが勝手に妄想で言っているだけです。

 

しかし、ウクライナは石炭はじめレアメタルの宝庫 というのは その通りです。そして大量の天然ガスも未開発のままで存在していると見られています。 

そして、2013年秋頃からロシア系住民が迫害され攻撃されているドンバス地域から大量の石炭が取れていたのが その石炭はマイダン革命以降、アメリカに輸出され、本来石炭が自給自足できるはずのウクライナは南アフリカから石炭を買うことになった ということをウクライナのかつての野党党首、ヴィクトル・メドベドチュク氏は オリバー・ストーン監督の"Revealing Ukraine"の中のインタビューで言っていました。

 

つまり、アメリカは ウクライナの資源をマイダン革命以降からずっと盗み続けていて、そのせいでウクライナはますます貧しくなり、ゼレンスキー氏が大統領になった後は外国人の土地所有に関する規制が大幅に緩められ、すでに農地は米農業大手に売られ始めていたのです。

 

そしてゼレンスキーが契約を結んだ米投資会社ブラックロックは ロシアが支配しているエリアまで含めてウクライナ全土にわたってたくさんの土地を買い占めています。

 

(上の写真:ウクライナ全土に広がるブラックロックに売られた土地)

 

そして、上の記事でハンガリーのオルバン首相が言っている通り、

米国とその同盟国はロシアが敗北すればウクライナを支配できる潜在的に巨大な収入源とみなしていて、紛争は西側の「武器供給者、債権者、投機家」にとって大きな追い風になると述べ、これが紛争が長引いている理由だ

 

というのは まさしくその通りではないでしょうか。

 

アメリカが戦争をしかけるところには たいてい、イラクやシリアのような資源国であるか、アフガニスタンやセルビアのコソボのように、資源がほとんど手つかずの状態で眠っているところが多くて、イラクやシリアの石油、コソボの石炭、レアメタル鉱山は アメリカの武力介入で権益を確保することに成功したものの(イラク北部、シリア北東部の油田からクルド人を介して石油を盗んでイスラエルに送っている)、アフガニスタンの豊富なレアメタルのほうは あのような大失敗での米軍撤退に終わって、中国が積極的な開発をしようとしている状況です。

 

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