通常の大砲と砲弾が不足していることもあってか、ウクライナ軍はドローンに頼った攻撃を行うようになっています。

 

そして、先日2日続けてザポリージャ原発がドローン攻撃に見舞われて原子炉格納容器の主要構造物が少なくとも3回の直撃を受ける、職員が負傷する等の被害が起こっています。

 

この攻撃に対してウクライナ軍は「関与していない」とのコメントを出していますが、この期に及んで、誰がそのような白々しいコメントを信じられるでしょうか。

 

まずはウクライナ政府のコメントをご紹介します。

 

 ↓(日本語に変換したもの)

 

 

そして、ロシア側は何と言っているかというと、もちろん、ウクライナのドローンが

この原発を攻撃した と言っています。下はフランスのメディアのニュースです。

 

Russia says Ukraine drone strike hit Zaporizhzhia nuclear plant

(ロシアはウクライナのドローン攻撃がザポリージャ原発に当たったと言う)

 

そして、ザポリージャ原発にはIAEAの職員が常駐しているので、ウクライナからの攻撃なのか、ロシアからの攻撃なのか、知っているはずですが、彼らは 誰が原発を攻撃したのか という「主語」のない文章でドローン攻撃を非難しています。下はロシアメディアRTの記事です。

 

IAEA condemns ‘reckless’ drone attack on Zaporozhye Nuclear Power Plant

(IAEAはザポリージャ原発への”無謀な”ドローン攻撃を非難)

 

(上のニュース記事の和訳開始)

 

IAEAはザポリージャ原発への”無謀な”ドローン攻撃を非難

ロシア国家機関ロスアトムはキエフが施設を爆撃したと非難した

 

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ長官は、ザポリージャ原子力発電所(ZNPP)への無人機攻撃を非難し、「このような無謀な攻撃は大規模な原発事故のリスクを著しく高める」と警告した。   

ロシア原子力エネルギー庁ロスアトムは声明で、日曜、爆発物を積んだ複数のウクライナ製無人機がザポリージャ州エネルゴダル市の発電所を標的にしたと発表した。   

現場に専門家がいるIAEAは、同施設が直接標的にされたのは2022年11月以来初めてだとし、攻撃により原子力の安全が危険にさらされたと警告した。グロッシ氏は日曜、X(旧ツイッター)への投稿で、原子炉格納容器の主要構造物が少なくとも3回の直撃を受けたことを認めた。  

「これは、ザポリージャ原子力発電所が直面している核の安全性とセキュリティの危険性の大幅な拡大です。このような無謀な攻撃は大規模な核事故の危険性を著しく高めており、直ちに中止しなければならない」とIAEA事務局長は述べた。

 

「6号機の損傷は原子力の安全性を損なうものではなかったが、これは原子炉の格納システムの完全性を損なう可能性のある重大な事故だった」と同氏は付け加えた。  

攻撃後に重要な安全システムやセキュリティシステムが損傷した兆候はなかったが、グロッシ氏は「核施設への攻撃から利益を得たり、軍事的・政治的利益を得たりすることは考えられない」と主張した。   


ロスアトムによると、神風型無人航空機1機が発電所の食堂付近を襲い、少なくとも3人が負傷し、近くのトラックも損傷した。同庁によると、別のドローンが貨物港付近で爆発した。  

「ザポリージャ原子力発電所は前例のない一連のドローン攻撃にさらされており、発電所の安全性に対する直接の脅威となっている」とロスアトムは述べた。    

同庁は  「原発と周辺地域の放射線量は変わっていない」と付け加えた。

2022年秋の住民投票を経てザポリージャ地方がロシアに編入された後、ロスアトムは欧州最大の原子力発電所の運営を引き継いだ。     

ロシアは、ウクライナが同施設に対して大砲、ミサイル、無人機による攻撃を行ったほか、同施設の占拠を目的に特殊部隊を繰り返し派遣したと繰り返し非難してきた。同発電所は複数回の停電に見舞われ、潜在的な大惨事の可能性を最小限に抑えるために休止状態に置かれている。

 

(和訳終了)

 

重要なことは このザポリージャ原発は 2022年に頻繁に砲撃を受けていた時もすでにウクライナ側が支配している原発ではなく、ロシア軍、ロシアの国営原発企業「ロスアトム」が管理していてロシア側の従業員が働いている原発となっていた ということです。

 

そして、2022年、頻繁に攻撃を受けていたので、安全の為原発は停止され、IAEAの職員も常駐して監視する原発になっていました。

 

そのような中で ウクライナ政府が言うように「ロシアがザポリージャ原発を攻撃する」というメリットはあるのでしょうか?

自国の軍兵士や企業を危険にさらして自らが管理する原発を自分で攻撃する必要など、全く無いばかりか、そのようなことをやってもロシアにとっての惨事にしかなりません。

 

そして、あくまでウクライナ政府の立場を擁護するということで、2022年の攻撃の時から「ロシア軍がザポリージャ原発を攻撃」という嘘記事ばかりを書いてきた西側メディアの1つが、今回はポロリと真実を報道しました。

 

 ↓(日本語に変換したもの)

 

 

 

しかし、日本のYahooニュースのコメントを見ると、未だに「ロシアがやった」と言っている人々がいて、本当に呆れかえります。

 

このザポリージャ原発への攻撃、ノルドストリーム・パイプラインの爆発、ドニエプル川のカホフカ・ダムの水門の爆発、いずれも「ロシアがやった」という大合唱をしていたのが日本を含めた西側メディアです。

 

いずれも その攻撃で「どちらが得をしてどちらが損をしたか」で考えると、原発の攻撃でも、パイプラインへの攻撃でも、カホフカ・ダムへの攻撃からの大洪水発生で損しかしなかったのがロシア側です。(カホフカ・ダムが破壊された後の洪水では より低地にあるロシアが支配しているドニエプル川東岸の住民のほうが多く亡くなっていますし、ロシア軍がウクライナ軍の渡河作戦での反攻に備えて掘っていた、たくさんの塹壕が洪水で水没してしまいました。)

 

嘘ばかりつき続け、ダムの破壊で多数の民間人を殺し、また、欧州最大の原発まで危険に晒して、ドンバス地区やロシア領土内で今でも民間人をターゲットにして攻撃しているウクライナ政府は 2014年以降、すでに「まともな国」ではなく、米英が子飼いとして育ててきたナオナチ武装勢力が支配する、事実上の”テロ国家”になったと言ってもよい状態でしょう。

 

今のウクライナのような無法国家、テロ国家、ファシスト・ネオナチ政権を日本が支援すれば、日本は「テロ支援国家」になってしまい、経済的にも、国家安全保障的にも 得になることは何もありません。

 

すでに世界銀行からは借金が返せず破産すると警告されているウクライナの借金の「保証人」になっている日本は大損しかしませんし、国家安全保障上もロシアをあからさまに挑発して敵に回しているのと同じで、危機的状態に追い込まれるだけです。

 

アメリカから経済的な圧力をかけられようとしても、毅然として中立を貫くインドの立ち位置を日本は見習うべきです。

インドは「ロシアの石油やガスを買い続けるならインドの銀行にも制裁する」 とアメリカから言われて、インドの銀行が制裁を恐れて、少しロシアの石油を買い控えしていた時期がありましたが、最近はロシア産石油の購入をまた増やしているようです。