私は日本の報道機関に対する信頼が全くないので、日本での海外ニュース、特にウクライナとロシアの戦争に関する報道は信頼性ゼロどころか、アメリカの属国として一方向に世論を誘導しようとするニュースばかりだと思っています。

 

3/18にロシア大統領選の結果が判明し、予想通り、現職のプーチン大統領が87.28%の票を獲得するという、地滑り的な大勝利を収めました。下はロシアのメディアRTの記事です。

 

Western media apoplectic over president putin’s victory

(プーチン大統領の勝利に西側メディアが大混乱)

 

(記事の一部抜粋和訳開始)


先週末のロシア大統領選挙で、ウラジーミル・プーチン大統領が得票率87%という驚異的な得票率で勝利した。しかし、西側メディアは、彼らが「独裁政権」と呼ぶものでは選挙は無意味であるとすぐに宣言した 。 興味深いことに、同メディアは米国を、2人の候補者がほとんど事前に任命されている独裁国家とは呼んでいない。また、彼らは他の世界の指導者を独裁者とは呼んでいない。

 

(抜粋和訳終了)

 

 

この大勝利に対し、西側メディアの反応は予想通りでしたね。

「不正選挙」とか、「国際監視団による監視がない中で行われた信頼性が薄いもの」云々と文句を言っている日本も含めた西側メディアですが、2022年のドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソン4州の住民投票の時もそうでしたが、ロシアで選挙が行われる際にはいつも色々な国から来た国際監視団を投票所に入れて正当な手続きの下で選挙が行われているかどうかを国際監視団が監視を行っています。

今回も同様です。

 

「投票に不正がある」とか「投票が中立的な第三者に監視されていない」というのならば、前回2020年のアメリカ大統領選挙はどうだっだでしょうか?

 

郵便投票ですでに亡くなった人や引っ越した人が投票したりと、不正はやりたい放題、投票所のスタッフは米民主党から派遣されてきた人たちがやっている等、中立性等完全に無視した、ありえないような不正行為が多数行われたことが明らかになっています。

 

そのような無茶苦茶なことをやった国アメリカと日本やドイツも含めたその属国たちが「ロシアの選挙は不正だ」とか「民主主義的でない」と言う権利があるでしょうか? それをダブルスタンダードと言うのです。

 

そして、今年行われるはずだった大統領選挙を戒厳令を理由に延期したこの方もロシアの大統領選挙が不正だとか、プーチンは永遠に大統領でいるつもりだ 等と言っています。↓

Ukraine's Zelenskiy says Russian elections illegitimate 'imitation'

 

(和訳開始)

 

ウクライナのゼレンスキー氏、ロシアの選挙は不当な「模倣」だと発言
ロイター2024 年 3 月 18 日

[キエフ 17日 ロイター] - ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は日曜日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は永遠の統治を望んでおり、ロシア大統領選挙は不当な模倣であると述べた。
ゼレンスキー氏は毎晩のビデオ演説で「ロシアの独裁者は再び選挙のまねごとをしている」とし、プーチン氏は「権力に取りつかれており、永遠に統治するためにあらゆることをしている」と述べた。
「このような選挙の模倣には正当性はないし、あり得ない。この人物はハーグで裁判にかけられるべきだ。それが我々が保証しなければならないことだ」と同氏は付け加えた。

 

(和訳終了)

 

本来ならば、ゼレンスキー宇大統領の任期は本年3月末日なので、もうすぐこの方の任期は終わるはずだったのです。それを戒厳令の延期と大統領選挙の延期とで今年の5月20日まで引き延ばしたわけですが、今、ウクライナのメディアですら、戒厳令の切れる本年5月20日を過ぎた後にゼレンスキー氏が大統領に留まることの「正当性」に疑問を投げかける記事を報道しています。下はウクライナのメディア、「ストラナ」の本年2/23付記事です。

 

"После 20 мая Зеленский нелегитимный". О каком плане по дестабилизации в Украине заявил президент

(「5月20日以降、ゼレンスキー氏は違法となる。」大統領はウクライナを不安定化するどのような計画を発表しましたか?)
 

つまり、もうすぐ大統領で居続けることが違法になってしまうゼレンスキー氏が きちんと大統領選挙を行ったプーチン大統領に対し、「選挙のまねごとをやっている」とか「権力に取りつかれて永遠に大統領でいようとしている」などと非難しているのです。

これは まさに「お前が言うな」状態ですね。

 

そして、ゼレンスキー大統領が言っている「この人物はハーグで裁判にかけられるべきだ。」というのは ロシア軍が 戦闘地域で親とはぐれたり孤児となった子供をロシアに避難させていた件で、2023年3月、ICC(国際刑事裁判所)の判決でプーチン大統領に「子供の誘拐容疑」で逮捕状が出た件を指していますが、この件に関して面白いニュースがウクライナのメディアで報じられていますので、そのニュースもご紹介します。

 

"Хотят в Россию". Правозащитник рассказал о проблеме с вернувшимися украинскими детьми

 

(和訳開始)

 

「彼らはロシアに行きたいと思っています。」人権活動家はウクライナから帰国した子供たちの問題について語った
2024 年 3 月 11 日

(上の写真:ウクライナ・ヘルシンキ人権同盟の事務局長アレクサンドル・パブリチェンコ氏)

占領地からウクライナに帰還した孤児たちがロシアへ向けて出国しようとしている。

ウクライナ・ヘルシンキ人権同盟の事務局長アレクサンドル・パブリチェンコ氏は、キエフ24チャンネルの放送でこの件について語った。

同氏によると、ウクライナに帰国した子どもたちの中には、再びロシアへ出国を希望する人もいるという。

パブリチェンコ氏は、「彼らはそこでより良い状況を見て、自分自身がそこでよりよく認識されると感じている」と述べた。

同氏は、帰国した子供たちは常に注意を払い、ウクライナでの生活に適応するための支援を必要とするため、これは深刻な問題だと述べた。

「彼らがロシアに戻りたくないようにするには、新たな機会と利点を与えて、活発な社会生活に参加させる必要がある」と専門家は付け加えた。

 

(和訳終了)

 

もしも西側メディアで伝えられていたような、「ロシアに無理やり連れていかれたウクライナの子供たちがひどい虐待を受けている」というのが事実ならば、なぜウクライナに帰った子供たちはまたロシアに戻りたがっているのでしょう?

 

プーチン大統領は 戦闘地域にいる親からはぐれたり親が亡くなった子供たちをロシアで保護して、親が見つかった子供については親のところに返していたのに、ICCは反ロシアという政治的な動きでプーチン大統領を戦争犯罪人に仕立て上げようとして逮捕状を発行したわけです。西側メディアは本当に嘘ばかりを報道していることがこれでも分かります。

 

仮にプーチン大統領が戦争犯罪人ならば、アメリカの歴代大統領も ほとんどが戦争犯罪人でなければおかしいですね。まさにダブルスタンダードです。

 

そして、重要なことに、ロシアの大統領選挙の投票期間中ずっと、ウクライナ軍はロシアのベルゴロド州などに越境して軍事施設ではないところを多数回砲撃、ドローン攻撃を行い、クラスター弾まで使った攻撃で私がニュースで確認しただけで、十数人の市民を殺害しました。

 

この軍事施設でも何でもないところに ウクライナ軍とその傘下にあるロシア人のネオナチ軍が砲撃を行って少なくとも十数人の市民を殺したことを 日本のメディアは ほとんど報じていません。しかもクラスター弾を使うというのはできるだけ多くの市民を殺戮しようという戦争犯罪行為であり、悪意しか感じません。

 

おそらくロシア大統領選挙をかく乱するために越境侵略してテロを行い市民を怖がらせるために、このような戦争犯罪を行ったのでしょうが、実際の戦果としては ウクライナのネオナチ侵略軍1500名が死傷、戦車や装甲車、ヘリコプターまで失うという、実に無様な結果に終わっています。

(下のビデオのタイトル:ロシア、1,500人のウクライナの兵士を一掃:モスクワはキエフの侵攻の試みを「完全な失敗」と非難)

 

 

 

このような越境してのテロ行為が ウクライナの勝利につながるでしょうか?

いえ、全く逆です。おそらくさらにウクライナは領土を失うことになるでしょう。

というのは プーチン大統領は 当選後の演説で、このように越境して砲撃ができないようにするために、ウクライナ北部のハリコフ州、スーミ州に、ロシア軍が侵入して「緩衝地帯」を作ることを示唆しました。

 

ということは ウクライナは この執拗に繰り返した卑劣な越境攻撃での一般市民殺戮によって、さらに今後、領土を失う可能性が高くなった ということです。

すでにそのことを予期したのか、ウクライナではハリコフ州、スーミ州の住民に対し、避難命令が出ているようです。

 

そして ただでさえ足りない兵士を ウクライナ軍は再び、このように無駄な作戦に使用して無駄死にさせたということです。

 

「墓穴を掘る」とはまさにこのことではないでしょうか。