先週の木曜日(2/29)にロシアのプーチン大統領が一般教書演説というものを行ったのですが、聴衆は着席している中で、2時間も立ちっぱなしで演説を行ったそうです。

 

癌や重病で「もうすぐ死ぬ人」が2時間も立ちっぱなしで演説できるでしょうか?

作家から新党の党首にもなられたこの方のTweetは実に滑稽ですね。↓

 

 

 

その百田尚樹氏に金魚のフンのようにくっついているこの方も滑稽です。↓

 

 

 

それに対して、プーチン大統領は国のリーダーとして、200年にひとりの逸材だとおっしゃっているのは国際政治アナリストの伊藤貫氏。↓

 

 

 

今回、伊藤寛氏がその頭脳とリーダーシップを絶賛されているプーチン大統領の一般教書演説全てをご紹介はしませんが、ロシアが以前から言っている「レッドライン」への階段をどんどん登って一歩手前まで来ている西側諸国へとプーチン大統領が警告をしたことをご紹介したいと思います。

 

元CIA分析官をされていたラリー・ジョンソン氏のブログ記事から、プーチン大統領の”警告”を 日本も含めた西側諸国はどう受け止めるべきか、ご紹介します。

 

WHEN PUTIN TALKS THE WEST BETTER LISTEN

 

(和訳開始)

 

プーチンが西側諸国に語っているときは耳を傾けたほうがいい

 

あなたが 55 歳未満であれば、おそらく EF ハットンについて聞いたことがないでしょう。証券会社ハットンは、「EF ハットンが話すとき、人々は耳を傾ける」というキャッチフレーズを掲げた一連の広告で非常に有名になりました。以下に一例を示します。

 

 

 

したがって、プーチン大統領が毎年恒例の「ロシア国家」演説で西側諸国に警告したことに細心の注意を払ってください。

プーチン大統領は、西側同盟国は「ロシアがヨーロッパのNATO同盟国を攻撃する計画を立てている」と非難する一方で、「我が国の領土を攻撃する標的を選定」し、「ウクライナにNATO派遣団を派遣する可能性について話し合っている」と指摘した。

「我が国の領土に部隊を派遣した人々の運命を我々は覚えている」とロシアの指導者は、ナポレオンとヒトラーによる侵略の失敗を明らかにほのめかしながら述べた。「今後、潜在的な侵略者が受ける結末はさらに悲惨なものになるだろう。」

国会議員や高官らを前にした2時間の演説で、プーチン大統領は西側諸国の指導者たちを無謀で無責任であると非難し、「我々も彼らの自国の領土内の標的を攻撃できる兵器を持っている。」ことを気にしたほうがいい。

西側諸国は現在、私たちの文明の破壊を意味する核紛争の本当の脅威を提起し、世界を怖がらせています。」

プーチン大統領の発言は「思いつき」ではなかった。これは、特にバイデンとNATO指導者に向けて注意深く作成されたメッセージであり、今週初めにフランスのマクロン大統領が行った信じられないほど無知な演説の後に発表された。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は月曜、ロシアによる本格的な侵攻が3年目に突入する中、パリでの欧州首脳の会合でこの問題が議論されたことを受け、将来的に西側軍をウクライナ に派遣する可能性は「排除されない」と述べた 。

フランスの指導者は、20人を超える欧州の国家元首や政府首脳、その他の西側当局者らとの会合後、「ロシアが戦争に勝てないように必要なことはすべて行う」と述べた。

「今日、正式に承認された方法で軍隊を現地に派遣するという合意は存在しない。しかし、力関係という点では、何も排除することはできない」とマクロン大統領はエリゼ大統領官邸での記者会見で述べた。

口蹄疫のひどいケースに見舞われたヨーロッパの指導者はマクロン氏だけではなかった。オラフ・ショルツはNATOの不和をさらに拡大するために自分の役割を果たした。彼は、ヨーロッパがウクライナに軍隊を派遣するだろうというマクロンの主張を強く否定したが、イギリスとフランスをバスの下に投げ込んだ

ショルツ氏は今週初めにベルリンで記者団に対し、ドイツの長距離巡航ミサイル「トーラス」のウクライナへの派遣を拒否し続けていることを正当化し、ウクライナ駐留のドイツ軍に長距離巡航ミサイルのプログラム作成が必要になる可能性があると述べた。

ショルツ氏の見解では、そうなればドイツは紛争に積極的に参加することになるだろう。

「これは非常に広範囲に及ぶ兵器だ」とショルツ氏はトーラスについて語った。「そして、目標管理と目標管理への支援に関して英国とフランスが行っていることはドイツではできない。

プーチン大統領がNATO同盟に対し「核攻撃の可能性をもてあそんでいる」と明確に警告したことに加えて、ロシア情報機関は ロシア攻撃計画を話し合っていたドイツ軍将校間の驚くべき会話を漏洩した。記録によると、会話は2024年2月19日にグラーフェ氏(ドイツ連邦軍空軍司令部の作戦・演習部門長)、ゲルハルツ氏(ドイツ連邦軍空軍監察官)、フェンスケ氏とフロシュテッテ氏(空軍職員)の間で行われた。

ドイツ連邦軍の宇宙作戦センター内の作戦司令部)。クリミアのケルチ橋など、ロシアの目標を攻撃するためにドイツのミサイルを使用することについて詳細な議論が行われた。全文はここで読むことができる

 

これは偶発的な漏れではなかった。これは、ロシアがNATO同盟全体の当局者が互いに何を言っているかを十分に認識しており、ロシアの目標を攻撃する計画を認識していることを西側諸国に知らせることが目的だった。

 

この情報漏えいは、前日のプーチン大統領の発言と相まって、西側諸国に対する、「超えた場合にはロシアの強力な対応が必要となる、越えてはならない一線に近づいている」という、紛れもない警告である。

 

このような対応には、ロシアへの攻撃に使用されたNATO基地の破壊が含まれる可能性がある。プーチン大統領は間違ったことは言っていない。同氏は真剣であり、プーチン大統領がNATO将校らの会話の傍受をメディアに漏らすことにゴーサインを出したことで、事の重大さが強調されている。西側諸国は細心の注意を払ったほうがよい。

 

(和訳終了)

 

NATO加盟国やその他西側の多くの諸国から表向き「ボランティア」を装った傭兵や、兵器や装備の使用方法を教えたり、現地で操作もしたりするインストラクターがウクライナへ ピーク時には10万人も入っていたことは ロシア政府も十分認識していただろうと思います。

 

ですから、傭兵が集団で宿泊しているホテルや軍の学校等はロシア軍のミサイルの格好のターゲットになっていました。しかし、そのような隠れた派遣ではなく、フランスが初めて堂々と自国軍人を派遣することを言及したのは 大きなエスカレーションになります。

また、上のブログ記事にもある通り、ドイツは長距離ミサイルのトーラス(タウルス)でクリミアの橋(ケルチ大橋)を破壊できるかどうかについて議論していました。

その結果、あの長くて頑強な橋を長期間使用できない状態へと破壊するにはトーラスミサイルが10~20発も必要 ということになり、ウクライナへ提供できるトーラスミサイルが合計50発しかないドイツは ウクライナへの50発の長距離ミサイルの譲渡を行ってもケルチ大橋を完全破壊するのは難しいだろうという結論に達したようです。

 

なぜならば、トーラスは空中発射ミサイルですので、航空機が必要となります。

同じように空中発射の長距離ミサイルとして、ウクライナは英「ストームシャドウ」と仏「スカルプ」を譲り受けていますが、これらは独ショルツ首相が暴露したように、戦闘機への取り付け、ターゲットの設定等の実際発射前の準備まではイギリスやフランスの兵士が行い、旧ソ連製のSu-24に取り付けられるようにSu-24を改造してアタッチメントが付けられました。

 

そのストームシャドウやスカルプを発射しているSu-24がおそらくトーラスの発射もできるように改修される ということなのでしょうが、このSu-24はウクライナ空軍は現在10機未満しか保有していないようです。

 

つまり、20発を同時に撃つには1機の戦闘機に2個取り付けられると仮定しても10機以上の戦闘機が必要になるのであって、その20発が撃たれた後に ロシア軍の防空システムのS-400やS-300で迎撃されないで全て20発が通過する可能性 となれば、さらに低くなってしまいます。

 

ちなみに、クリミア半島とケルチ大橋はロシア軍の防空システムが最も良くカバーしているエリアとなっていますので、ウクライナ軍が現在撃っているストームシャドウやスカルプも80%程度はロシア軍の防空システムによって迎撃されています。

 

フランスのマクロン首相の仏兵士派遣の発言やドイツのショルツ首相の英仏兵士がミサイルの操作をやっているという暴露発言、トーラスミサイルでケルチ大橋を完全爆破できないか という謀議が行われたこと、これら全ては NATO軍+加、豪、韓国、日本にバックアップを受けているウクライナ軍が戦場で負けが確実になっていることへの断末魔の焦りが現れている状態だと私は見ています。

 

NATOが潔く、このウクライナを使ったロシアへの「代理戦争」は愚かなことだったと認め、ロシアの安全保障を脅かすことはないと約束することで、地球上の全人類は核戦争の危機から解放されるはずですが、西側のリーダーたちがやろうとしていることは その逆で、世界一の核大国で、ウクライナでの戦線でも現在優位に戦っているロシアに対して、無謀にも「降伏して全面撤退しろ。ウクライナが勝つまで和平交渉はしない。」と言っているのです。

 

ロシア側は「自分たちは戦争に勝っている」と思っているのですから、誰が降伏などするでしょうか。リーダーが仮にプーチン氏ではなくても、別の方であっても、絶対にこの状況でロシアが降伏などするはずがありません。