西側の大手メディアの1つであるロイター通信が2/14に出した独占記事で、ロシアが2022年3月に続いて昨年2023年にも 「停戦の用意がある」とのシグナルを仲介国であるアラブの国(おそらくUAE)を介して米国に伝えていて、それを米国政府に拒否されていた との衝撃事実を報道しています。

 

今回はそのロイター通信の記事をご紹介します。

元記事のURLは↓です。

 

Exclusive: Putin's suggestion of Ukraine ceasefire rejected by United States, sources say

 

(和訳開始)

 

独占:プーチンのウクライナ停戦提案は米国によって拒否されたと情報筋は語る

 

[モスクワ/ロンドン 2月13日 ロイター] - ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が戦争凍結に向けてウクライナでの停戦を提案したが、仲介者間の接触を経て米国が拒否したと、協議に詳しい3人のロシア情報筋がロイターに語った。


プーチン大統領のアプローチの失敗は、ヨーロッパで第二次世界大戦以来最も悲惨な紛争が3年目に突入することとなり、世界の2大核保有国が依然としてどれほど隔たっているかを示している。


米国関係者は、いかなる公式接触も否定し、米国はウクライナが関与しない協議には応じないと述べた。


ロシア情報筋によると、プーチン大統領は2023年、中東などのロシア側アラブ諸国のパートナーを含む仲介者を通じて公私にワシントンに対し、ウクライナでの停戦を検討する用意があるとのシグナルを送った。


プーチン大統領は紛争を現在の線で凍結することを提案しており、ロシアが支配するウクライナ領土を譲り渡すつもりはなかったが、この信号は、クレムリン内部の一部が、ある種の和平に向けた最良の道とみなすものを提示した。


2023年末から2024年初めの協議に詳しいロシアの上級情報筋は、状況の機密性を理由に匿名を条件にロイターに対し、「米国側との接触は無駄になった」と語った。
連絡先を知る別のロシア情報筋はロイターに対し、米国側が仲介者を通じてモスクワに対し、ウクライナの参加なしに停戦の可能性について話し合わないと伝えたため、連絡は失敗に終わったと語った。

 

(和訳終了)

 

「ウクライナの参加なしには停戦しない」と言って拒否したのが米国ですが、

その一方でロシアから停戦提案がなされた同じ2023年には ロシア抜きで

「ウクライナ和平会議」なる茶番をサウジアラビアで行っています。

 

その会議では もう一方の当事国であるロシアは招かれずに、ロシアに経済制裁をしていない中国、インド、ブラジル等も含めた40カ国の高官が招かれたそうですが、ウクライナのゼレンスキー政権が主張する、ロシア軍がクリミア半島も含めてウクライナ独立時の1991年の国境まで撤退する、ロシアが敗北を認めてウクライナに賠償金を支払い戦争犯罪者を処罰する 等の全く実現不可能な「10項目の和平案」なるものが提唱されています。

 

そして、「ウクライナ抜きでの停戦・和平交渉はありえない」と言っていますが、ロシアの侵攻後わずか1ヶ月ほどしか経っていない2022年3月末頃に ウクライナと大筋で和平合意間際までいっていたのを 妨害したのは誰でしょうか?

明らかに米英です。米国からの指示を受けて、当時の英国首相であったボリス・ジョンソン氏がキエフを電撃訪問し、「ロシアと交渉するな」とゼレンスキー宇大統領を脅したことが明らかになっています。

 

このことは プーチン大統領が 先日のタッカー・カールソン氏からのインタビューで米英から妨害があった と言っていますし、当時のウクライナ側の交渉団の代表であったデビッド・アラカムア氏も ウクライナTV局のインタビューに答えて、同様のことを言っています。(下の過去記事でアラカムア氏のインタビューの和訳を掲載しています。)

 

 

 

また、ウクライナ側では アラカムア氏だけでなく、元大統領補佐官のオレクシー・アレストビッチ氏も 自らが交渉団の一員であって、3月末にロシア側と合意間近にまで行ったときには 「交渉が成功したので、私達はその後、(お祝いの為に)シャンペンのボトルを開けた」と独立メディアからのYoutubeでの英語インタビューでそう答えています。(下のビデオです。)

 

 

アレストビッチ氏が言うように、ウクライナ側が2022年3月末のロシアとの交渉を「成功した和平交渉」だと捉えていたのは その時の和平交渉で大幅に譲歩したのはウクライナではなく、ロシア側だったからです。

 

その当時はロシアはまだドネツク、ルガンスク、サポリージャ、へルソン州の独立やロシアとの併合の住民投票をまだ行っておらず、ロシア軍を進めたキエフ近郊(首都からわずか8キロにまで迫っていた)からも撤退して、アラカムア氏が言うには「非ナチ化」はあくまで付加的なものであって、ロシア側が求めていたのは事実上「ウクライナの中立性」だけであった と言っています。

 

さらに、クリミア半島についてもウクライナ独立の1991年からロシアとウクライナ政府の合意で、マイダン・クーデター直前の2013年までそうしてきたように、「ロシアがウクライナに対し"賃借料"を払う」という、ウクライナ政府にとってはかなり良い条件まで提示されていた ということはベラルーシのルカシェンコ大統領が語っています。

 

 

 ↓

ゼレンスキーの元顧問で交渉グループメンバーのアレストビッチ氏:

ロシア側はまだ和平への取り組みを主張していた。そしてイスタンブールの和平への取り組みは非常に優れており、途中の文書だった・・・今なら(このビデオが投稿された昨年秋時点なら)おそらく、20万~30万人が生きていたはずだ。そうすればウクライナの半分は破壊されたり地雷が撒かれたりすることは無かっただろう・・・彼らはクリミアに関する政治的な議論に同意した。我々は譲歩したが、その譲歩の量は彼らのほうが大きかった。こんなことは二度と起こらない。起こらないのだ。彼らは強く強く押してくるだろう。

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今、私は禁じられた考えを言おう。ロシア、西側、ウクライナ 全てこれら3者のうちで、ただロシアだけが平和を望んでいる。

 

アレストビッチ(ウクライナの元大統領補佐官)

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このロイター通信の記事でも 再び米国やNATOと、米従属国である我が国日本も含めた西側諸国が 如何に欺瞞に満ちたことばかりを言っているか、はっきりしたと思います。

 

彼らは ウクライナが2022年3月にロシアと和平合意間近にまでいったのを 「ロシアと一切交渉するな」と妨害し、あくまで戦争を終結させるどうかは ウクライナを操っている米国が決める と示唆しておきながら、いざロシアが昨年、仲介国を通じてその米国に対して「停戦の用意がある」と提案した際には「ウクライナ抜きでは停戦交渉はありえない」と言っているのです。

 

そして、その嘘と欺瞞に満ちた米国にただ追従している日本で 2/19に東京で「ウクライナ復興会議」なるものが開催されて、チャンネル桜の水島社長の話によれば、そこで日本が6兆円ものウクライナ支援を発表する予定 とのことを 半年くらい前に 朝日新聞が報道していた というのです。

 

その6兆円というのが 仮に誤報であったとしても、ウクライナとともにその「ウクライナ復興会議」なるものの主催国となっている日本が それなりのお金を出さない ということは まず考えられないでしょう。

 

国民を苦しめている「増税メガネ」は ここでも もう自由にお金をウクライナに送れなくなったバイデン米大統領を「日本がアメリカの代わりにウクライナを助ける」とばかりに喜ばせようとしているのです。

そして、世界のATMである日本の「増税メガネ」が ”国賓”として4月に米国を訪問する ということに浮かれているのが 実に情けないことではないでしょうか?

 

そして、アナウンサーから保守論客に転身されたこの方も↓ はっきり言って愚かすぎるし、情けないですね。

 

 

「ウクライナを負けさせるわけにはいきません。」って、この方は まだ日本のメディアが嘘ばかり報じてロシアのほうが劣勢だというのを信じ込んでいるんでしょうか? ウクライナが言う"勝利"とは 独立直後の1991年当時の国境を、クリミア半島も含めて取り戻すことです。

それが どうやって実現可能ですか?

もう、ウクライナの"負け"は100%確実なのですよ。

 

そして、「負けさせるわけにはいきません」って、どうやって、今から日本の力でウクライナを勝たせることができるのか、そこから説明してもらいたいですね。

 

日本はすでにウクライナへのドローンの提供、自衛隊車両の提供、爆弾の材料の提供、パトリオットミサイルの米への提供など、実質的な軍事援助も行っていますが、それでも日本の憲法では ウクライナに対し、できることは限られていますね。

大震災も起こって大変な状況なのに「もっともっとお金を出せ」と、この方は言いたいのでしょうか?

 

本当に情けない限りですが、立ち上がったばかりの日本保守党も含めて、実に浅はかな知識で一方的にロシアを非難しウクライナの応援団をやっているような有識者や政治家のほとんどは 単なる「従米」であって、「日本の真の独立」を阻む人たちなのだと 私は理解しています。