EUが計画したウクライナへの500億ユーロ支援に何度も拒否権を発動していたハンガリーを脅し、ついにウクライナへの500億ユーロの支援が決定しましたが、それでも

ウクライナは財政的にも、そして軍事的にも 今年の見通しは絶望的な状況になることが確実になっていますので、今回はそのことについて書きたいと思います。

 

まず、この500億ユーロ、ドル換算だと540億ドル、日本円換算だと約8兆円にもなるので、かなり巨額の支援だと思われるかもしれませんが、これは今年から4年間での支援の合計額です。つまり1年あたりでは125億ユーロ(米ドルで135億ドル、日本円で2兆円)しかないわけで、このほとんどは 公務員の給与や年金支払い、公共サービスの提供で消えていくと言われています。

※ウクライナは政府支出と民生費だけで年間250億~300億ドルを必要としている とこの記事にはあります。

 

つまり、この1年あたり125億ユーロ(135億ドル)では政府支出と民生費(福祉等の費用)だけでも115億ドル以上不足してしまう計算になるわけで、さらに軍事費はこのEUからの資金援助には含まれておらず、昨年までは 無償でEU各国から提供されていた兵器も 今年は多くは有償での提供になると示唆されています。

 

そして、問題の軍事費ですが、すでに辞任されたウクライナで国防大臣をかつてされていたオレクシー・レズニコフ氏によれば、キエフ政権は「1日あたり1億ドル」の軍事費を使っている とのことです。

 

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レズニコフ:ロシアとの戦争はウクライナに1日あたり1億ドルを使わせている。

 

 

つまり、ウクライナがゆっくりとでも領土を取り返すつもりで今年1年間フルに戦うとなれば、年間250億~300億ドルの政府支出プラス、365億ドルの軍事費がかかるわけで、そうなると年間少なくとも615億ドルの予算が必要になりますが、今回EU議会で可決されたのは あくまで4年総額で540億ドル(500億ユーロ)、年あたり135億ドルでしかない ということです。

 

昨年バイデン政権が2024年分のウクライナ支援予算として614億ドルを計上していましたが、この予算が可決されない限り、ウクライナは国として機能しながらロシア軍のこれ以上の侵攻も食い止めて軍隊も維持する ということが絶望的な状況になっていくのです。

 

そして、ウクライナ軍の前線での状況ですが、マンパワー不足から、障がい者や手足をすでに切断された方、女性兵士が増えているようです。

 

(上の写真:片腕のないウクライナ軍兵士)

 

(上の写真:片腕のないウクライナ軍兵士の射撃訓練。上の写真からはビデオは再生できません。見たい方はこちらからどうぞ。)

 

(上の写真:戦車の乗組員にまで女性を登用し始めたウクライナ軍)

 

 

最後に、最近Twitterで話題になった、ウクライナから帰国した女性のTweetを最後にご紹介します。

彼女はウクライナで見た悲惨な状況をTweetしたことで、親ウクライナ派の人たちからかなりひどく脅迫されたようですが、ウクライナに行かれた証明としてパスポートの写真も投稿しているし、プロパガンダ目的で急に作られたアカウントではないので、彼女が多少オーバーな表現をしていたとしても、全く嘘をついているとは私は思えません。

 

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友人を訪ねていたウクライナから戻ってきたところです。

ウクライナで何が起こっているかについて私たちが聞いたことはすべて嘘です。

現実はより暗く、暗く、そして明らかに絶望的です。ウクライナがこの戦争に「勝つ」などということはありません。

- 彼らの推定によれば、彼らは100万人以上の息子、父親、夫を失った。世代全体が去ってしまいました。
- 反ロシア感情が長年続いている南西部でさえ、国民はゼレンスキー氏を公に批判することに消極的か、あるいは真っ向から恐れている。彼らは刑務所に行くことになるだろう。
- どの村や町でも、通り、店、レストランには男性の姿がほとんどありません。
- 生き残った少数の男性は、徴兵のために誘拐されるのを恐れて家を出ることを恐れています。奉仕を避けるために友人に足を折るよう懇願する人もいる。
- 陸軍の捜索隊は男性が仕事に行くために家を出る早朝に行われます。彼らは路上で待ち伏せして誘拐し、3~4時間以内に軍隊に登録され、最小限の訓練、あるいはまったく訓練を受けずにそのまま最前線に連行される。それは「死刑宣告」です。
- 日に日に状況は悪化しています。私が滞在していたところでは、歯科医が通勤途中に治安部隊に連行され、幼い子供2人を残していました。毎日、前線から3〜5人の死体が到着し続けます。
- 母親と妻は軍隊と徹底的に戦い、男性たち(家族)を連行されないよう懇願し、懇願します。彼らは賄賂を使おうとし、それがうまくいくこともありますが、ほとんどの場合、身体的暴力や殺害の脅迫に遭います。
- ロシアから「取り戻した」と祝われた領土(注:ハリコフ州の東部とヘルソン州のドニエプル川西岸)は瓦礫と化し、居住不可能となった。いずれにしても、そこに住む人は誰もおらず、避難した家族はおそらく二度と戻らないでしょう。
- 彼らは戦争が国内外でどのように報道されているかを見ています。それは「ジョーク」であり「プロパガンダ」です。彼らはこう言います、「周りを見回してください。これは勝っているでしょうか?」。
- さらに悪いことに、ウクライナ軍が疲弊したらアメリカ軍が彼らに代わってやって来て「戦争に勝つ」だろうと騙されて信じ込まされている人もいる。

この人たちには曖昧さがない。戦争は無駄でした、茶番でした。結果は常に明らかでしたし、現在も明らかです。人々は絶望し、完全に破壊され、終わりのない悪夢の中で暮らしています。

彼らは、どんな結末であれ、おそらく2年前に達成できたであろう同じ「平和」の終結を求めている。彼らの心の中では、彼らはすでに敗北したと考えています。なぜなら、彼らの息子、父親、夫がいなくなり、国が破壊されたからです。それを変える「勝利」はない。

誤解しないでください、彼らはプーチンに怒っています。しかし彼らはゼレンスキー氏と西側諸国に対しても怒っている。彼らはすべて、最悪の場合は希望と信仰を失い、なぜゼレンキー大統領が現在の軌道、つまり人類の破滅の道を続けたいのか理解できない。

私は戦争を目撃しませんでした。しかし、私が見たものは本当に心が張り裂けるようなものでした。

意図に関係なく、この戦争を支持した人々は恥ずべきことだ。そして、それについて嘘をつき続けたメディアは恥ずべきです。
午前0:37 · 2024年1月7日