資金不足に悩むウクライナの状況についてですが、米バイデン政権は昨年、今年度分のウクライナへの援助として約610億ドルを計上して議会にそれを通すように要請していました。↓

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ジャランダ・ヤング管理予算局長は パトリック・ヘンリー臨時下院議長への書簡の中で、ウクライナ支援614億ドル、イスラエル支援143億ドルに加え、人道支援に91億5000万ドル、74億ドルを台湾とインドー太平洋地域へ、米国ーメキシコ国境の安全に対処するために136億ドルを含んだ資金提供の概要を説明した。

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しかし、その直後に中東でイスラエルとハマスの戦争が勃発、自国の南部国境ではますます多くの不法移民が押し寄せて、それに不満を持った共和党員が多数を占める下院議会は「ウクライナ支援よりも国境管理が優先事項だ」と言ってその614億ドル相当の援助が棚上げ状態となっています。(その一方でイスラエルへの100億ドル以上の援助に対しては議会の中で反対する議員がほとんどいない為、すんなり送られています。)

 

そして、米国が駄目なら頼みのEUからの援助はどうかと言うと、EUは500億ユーロの資金援助をする計画を立てていましたが、加盟国のハンガリーが何度も拒否権を発動して、ウクライナはEUからの500億ユーロを受け取れない状況が長く続いていましたが、ついにハンガリーがEUからの圧力によって、拒否権発動を諦めてしまいました。

 

ハンガリーのビクトール・オルバン首相がウクライナ支援に長く反対してのは「人口規模、軍事規模から見ても この戦争にウクライナは絶対に勝てない」と、ずっと前から言っていたからです。(下の動画のタイトル:ウクライナはロシア相手に勝てない:ハンガリーのオルバン)

 

 

そして、この毅然としたハンガリーのオルバン首相の対応を苦々しく思っていたのはウクライナだけでなく、EUのウルスラ・フォンデアライエン委員長、ジョゼップ・ボレル外相など、EU本部の連中でした。

 

なんと、彼らはハンガリーに嫌がらせをするため、本来EUからハンガリー政府に配られるはずだった2000万ユーロの送金をストップしています。

さらに、「ハンガリー経済を崩壊させる」と、最近は脅しまでかけていました。

下は米の大手メディアの1つ、CNBCからの1/30付ニュースです。

Hungary accuses EU of blackmail over Ukraine aid standoff

 

(和訳開始)

 

ハンガリー、ウクライナ支援対立を巡る恐喝でEUを非難

キーポイント
ハンガリーは月曜日、欧州連合(EU)がウクライナへの新たな支援に拒否権を発動した場合、ブダペストの経済を妨害する計画であることを示唆する漏洩文書を受けて、欧州連合(EU)を脅迫していると非難した。
 

・同国のEU問題担当大臣ヤノス・ボカ氏は、「ハンガリーは脅迫に屈しない」とX(旧Twitter)への投稿で述べた。
 

・ヴィクトル・オルバン首相がウクライナへの500億ユーロ(540億ドル)の金融支援に向けたEU予算の使用を阻止すると明言して以来、EUとハンガリーの間で緊張が高まっている。

ハンガリーは、欧州連合(EU)が今週後半の首脳会議でウクライナへの新たな支援に拒否権を発動した場合、ブダペスト経済を妨害する計画であることを示唆する漏洩文書が報じられたことを受け、欧州連合(EU)を脅迫していると非難した。

ハンガリーのEU問題担当大臣はソーシャルメディアで、EU当局者が作成した文書を激しく非難し、日曜のフィナンシャル・タイムズ紙が引用したところによると、ブリュッセル(EU本部)はハンガリーの経済的弱点を狙い、キエフへの資金封鎖を巡って投資家の信頼を損なう戦略を立てていると報じられた。

「ハンガリーは脅迫に屈しない」とヤノス・ボカ氏はX(以前はTwitterとして知られていたプラットフォーム)への投稿で書いた。

「ブリュッセルの官僚が起草した文書は、ハンガリー政府が長年主張してきたことを裏付けるだけだ。EU資金へのアクセスはブリュッセルによる政治的脅迫に利用されている」と同氏は付け加えた。

報告書によると、ブリュッセルは、ブダペスト(ハンガリー)が撤回しない場合、EU指導者らは同国へのあらゆる資金提供を停止することを約束すべきで、そうすれば市場を動揺させ、国の通貨、フォリント安をもたらし、借入コストの高騰につながるだろうと述べた。 

EU高官は月曜日、この文書はハンガリー経済の現状を特徴づける背景資料であると説明し、ブダペスト、EU予算、ウクライナ資金に関するいかなる具体的な計画も概説していないと述べた。同当局者はCNBCのシルビア・アマロに対し、予算交渉は引き続き継続しており、加盟27カ国すべてが受け入れられる妥協点に達することに引き続き基づいていると語った。

EUとブダペストの緊張が悪化
ハンガリーのヴィクトル・オルバン首相が以前、ウクライナへの500億ユーロ(540億ドル)の金融支援に向けたEU予算の使用を阻止すると明言して以来、EUと最も親ロシア的な加盟国との間の緊張が高まっている。木曜日にブリュッセルで首脳緊急サミットが開催される。

 

オルバン首相は12月、戦争で荒廃した国への援助延長に関する投票を阻止し、ウクライナのEU加盟交渉への流れを整える投票を棄権した。

しかし、FT紙の報道によると、ハンガリーは態度を軟化させる兆しを見せている可能性があり、ブダペストが土曜日にブリュッセルに新たな提案を送ったとボカ氏は伝えており、これはハンガリーがこれまでウクライナ支援にEU予算を使うことに前向きであることを示していたとしている。後日考えを変えることを可能にする警告が追加されたためである。

 

(和訳終了)

 

EUの公式文書が漏洩して、次回ハンガリーがまたウクライナ支援への拒否権を発動したら、あらゆる資金提供を阻止してハンガリー経済と通貨フォリントを破壊すると、恐喝していたことが明らかになったのです。

 

ちなみに、EUのウルスラ・フォンデアライエン委員長等、EU本部のトップの方々は 誰からも選挙で選ばれたわけではありません。フォンデアライエン女史はワールド・エコノミック・フォーラム(世界経済フォーラム)の主催者のクラウス・シュワブ氏のお気に入りで、EU本部では縁故でポジションをゲットした方々がEUのトップになっていると言われています。まさに「世界の一握りのグローバリストが推し進める政策に従わない国を容赦なく罰する」ということをやっているのです。

アメリカやEU、ウクライナは「民主主義」でロシアが「権威主義」だと非難されていますが、これがEUの「美しい民主主義」の姿なのです。

 

ちなみに、ゼレンスキー大統領は 今年行われるはずだった大統領選挙を「戒厳令」を理由に延期しましたが、彼の本来の任期は今年の3月末日までなのです。

そして今、ゼレンスキー大統領は軍との関係が非常に悪化しつつあります。

 

というのが ゼレンスキー大統領は 総司令官のザルジニー氏を解任する意向で、その後任にウクライナ国防省情報総局長のキリロ・ブタノフ氏をあてがう予定だったのが、ブタノフ氏に総司令官への就任を拒否されたという情報があります。

また、軍の中でザルジニー総司令官に次ぐ2番目のオレクサンドル・シルスキー陸軍司令官へ総司令官への就任を打診し、これもまた断られていることが分かりました。

(Youtubeの戦況実況チャンネル、Military Summary等がそれを伝えています)

 

つまり、ウクライナは政治的にはゼレンスキー大統領の本来の任期終了である3月末前後に、何があるか分からない不安定な状況になることが予想されています。

 

また、軍事的には 早ければ今年の夏、遅くても米大統領選の結果が分かる今年の年末までには もっとウクライナ軍が追い詰められた状況になることが予想されています。

 

そして、このようにウクライナへの資金援助が先細る中、今年に入ってから、ウクライナに唯一、現金を送金した国は 今のところ日本だけであることがウクライナメディアのニュース記事になっています。

最後にそのニュースをご紹介します。Googleでの機械翻訳です。

 

В первый месяц нового года Украина получила финансовую помощь

 только от Японии

 

(和訳開始)

 

新年最初の月、ウクライナは日本からのみ資金援助を受けた

ウクライナ国家予算への日本からの3億9000万ドルの受け取りは、1月にキエフが外国パートナーから受け取った唯一の援助だった。

これは最高議会のヤロスラフ・ジェレズニャク副議員が発表した。

同氏によると、1月31日の朝、誰からも全く助けがなかったが、その後日本からお金が来たという。

ウクライナ財務省報道機関が明らかにしたように、これらの資金はウクライナの社会保護と農業の回復を目的とした世界銀行プロジェクトの一環として東京に送金された。

しかも、このうち無償支援は8,980万ドルのみで、残りの3億ドルは有償資金協力である。

2024 年のウクライナ予算支出のほぼ半分は外部資金から調達されるべきであることを思い出してください。しかし、これまでのところ、キエフの最大のパートナーである米国とEUは、ウクライナへのさらなる支援の配分についてまだ決定を下していない。

以前、日本がドローン探知システムのためにウクライナに3,700万ドルを送金することが明らかになった。

我々が報じたように、日本の上川陽子外務大臣がウクライナを訪問した。彼女の訪問は、2月19日に東京で開催される会議の前に行われた。このイベントのテーマは、ロシアの侵略による大規模な破壊からのウクライナの復興である。

 

(和訳終了)

 

2/19に東京で開かれる予定になっている「ウクライナ復興会議」では 日本は再び1兆円以上のウクライナへの援助を発表するのでは・・・と見られているようです。

 

下のチャンネル桜の番組では この”ウクライナ復興会議”において、日本は「1兆1千億円」の支援を表明する というのを朝日新聞が半年ほど前に報じている と伝えています。

 

 

 

能登での地震での被災者支援にはケチケチした金額の支援しかやっていないくせに、このウクライナへの大盤振る舞いは何なのでしょう・・・。

 

しかも「復興会議」って、「最後のウクライナ人まで」と言って、ウクライナを使ったロシアへの代理戦争を まだ続ける気満々の米国やNATOに従属するために、日本政府はウクライナに大盤振る舞いしている という事実を 日本国民がもっと危機感を感じなければならないと思います。