何ヶ月も前から不仲や口論の噂が絶えなかったウクライナのゼレンスキー大統領と軍総司令官のヴァレリー・ザルジニー氏ですが、ついにゼレンスキー大統領はザルジニー総司令官を解任したようです。以下はトルコのメディアが1/20に報じているものです。(そのトルコメディアの情報源はロシアのメディアとなっています。)
Zelenskyy plans to fire Commander-in-Chief Zaluzhnyi, other generals: Media report
(以下、上のURLの記事の和訳開始)
ゼレンスキー大統領、ザルージニ司令官や他の将軍らの解任を計画:メディア報道
ゼレンスキー大統領はまた、シャプタラ参謀総長、ナイエフ統合軍司令官、クリメンコ内務大臣をその職から解任するつもりだとロシア日刊紙が報じた
ロシアのメディアは土曜日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がワヴェレリー・ザルジニ司令官を解任するという「難しい決断を下した」と主張した。
ロシアの日刊紙MK.ruは、ウクライナ情報筋の話として、土曜日のウクライナ国家安全保障・国防会議の会合がゼレンスキー大統領に軍と法執行機関の人事異動を促したと主張した。
同紙によると、ゼレンスキー大統領はセルヒイ・シャプタラ参謀総長、セルヒイ・ナイエフ統合軍司令官、イーホル・クリメンコ内務大臣を解任する意向だという。
ウクライナ当局はこの報道に対してまだ返答していない。
現在進行中の戦争と地域的緊張のため、主張を独立して検証することは困難です。
(和訳終了)
総司令官を解任することによって引き起こされるかもしれない「軍事クーデター」を恐れて、ゼレンスキー大統領はザルジニー総司令官に自ら退任するように何週間も前に迫っていて、ザルジニー氏がずっと拒否していたようですが、ついに解任せざるを得ない決断に至ったのは 今ロシア軍に包囲されそうになっている要塞のアヴディーフカをウクライナ軍が失うことが ほぼ確実となったからです。
(上の地図:アヴディーフカ周辺の現在の状況。ロシア軍が市内中心部の南部にすでに
進軍している。)
この8年間守備固めしてきた要塞都市を失うと、ウクライナ軍にとっては かなりの痛手となるので、ゼレンスキー大統領としては死守したい都市だと思いますが、ロシア軍の最近の勢いにウクライナ軍はズルズルと撤退するしかない状況へとなっています。
そして、ウクライナが依存している西側諸国からの援助も明らかに細ってきています。ウクライナ軍兵士は自らの自家用車を軍用車として提供させられる場合も多々あるようですが、それでも軍用車が足りなくなっているのでしょうか?
これは冗談かと思うようなウクライナ軍の写真がありました。↓
上の写真はウクライナ軍の第3突撃旅団が馬を使用している写真です。
下はその第3突撃旅団の位置です。
下の写真はまた別の旅団でしょうか。物資を運ぶのに馬車を使用しています。
そして、反攻作戦の失敗とアヴディーフカの防御失敗という理由でザルジニー氏を解任したゼレンスキー大統領ですが、ウクライナ国民からの人気度では ザルジニー氏にかなり劣っています。下の調査結果はこちらのサイトからの引用)
そして、ザルジニー氏が解任された後に 総司令官になるだろうとされている有力人物が 下の写真の、国防省の情報局長を務めているキリロ・ブタノフ氏です。
この方は昨年5/30に行われたキエフ情報本部へのミサイル攻撃で死亡したのではないか との噂が流れて、一時 雲隠れもしていましたが、どうやら その際に首と背中の骨を折る重傷を負って治療の為にドイツの病院にまで運ばれて治療し九死に一生を得たようです。西側メディアのファイナンシャル・タイムズ紙のインタビューで 「ミサイル攻撃で」とは言いませんでしたが、「ロシア軍との戦闘で首と背中の骨を折った」 と認めています。
ザルジニー氏と 後任になりそうなブタノフ氏とでは 経験が大きく違うと思います。
ブタノフ氏はあくまで工作機関のトップであり、ロシア国内でのテロ事件等に深く関与してきました。
しかし、一兵士として戦闘に参加したことはあるものの、今までに指揮官クラスの地位で軍の指揮を取った経験がないと言われています。
ブタノフ氏は ロシア本土へのテロを示唆するコメントならば、いくつも残しています。詳しくは下の過去記事をご覧下さい。
つまり、ザルジニー氏が解任されてロシア領土内へのテロ攻撃を正当化してきたブタノフ氏が後任になるということは 今後 西側からの資金や兵器援助が先細りすることが確実なウクライナ軍は 戦闘では全く歯が立たなくなりそうなので、ますます ロシア本土やロシアに併合された地域の民間人を テロで恐怖に陥れる作戦へと
移行していくのではないか・・・と私は見ています。