かつては世界の決済の70%以上(73%)を占めていた米ドルによる決済は 石油決済の「ペトロダラー」システムを支えてきたサウジアラビアやUAEが米ドル決済以外の選択肢を導入し始めたことで、今は58%程度にまで落ち込んでいます。

 

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脱ドル化は”衝撃的な"ペースで起こっている

 

(上のグラフ、2004~2022年の通貨ごとの取引額の推移の実際の変化:CNY(中国人民元)、JPY(日本円) の取引は右肩上がり、EUR(ユーロ)はほぼ横ばいとなっているが米ドルは急降下して-19%ダウンとなっている。)

 

もちろん、中国、インドは中国人民元、インド・ルピーとそれぞれの通貨で石油を買っています。

 

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脱ドル化:中国はロシアの石油の輸入のほとんど全てで人民元を使用している

 

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ドルは捨てられた? UAEが初めて、米ドルに代わってルピーで100万バレルの石油を取引した後、UAEはBRICSに加わった。

これは何を意味するのか?

 

 

BRICS内での米ドルを使った取引は すでに28.7%にまで落ち込んでいます。↓

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私達の経済連携の脱ドル化のプロセスが客観的に、そして不可逆的に進行している。私達は相互決済と金融、財政管理のための効果的なメカニズムのために取り組んでいる。その結果、BRICS内の輸出入業務にしめる米ドルの割合は低下しており、昨年はわずか28.7%にまで落ちた。

 

サウジアラビアが米ドル、米国債をどんどん捨てています。(下のグラフはサウジアラビアの財務省の米ドル保有高の年推移)

 

そして、アメリカの友好国である東南アジア地域のASEANまで米ドルに頼らない新しいQRコードによる決済方法を導入し、お互いの地域通貨で取引しようという動きが始まっている というニュースです。日経アジアが報じているニュースです。

 

Indonesia-Malaysia QR code payments get started under ASEAN system

 

まずインドネシアとマレーシア、タイで始まったこのQRコード決済システムは 現段階では小売店や個人の旅行客、労働者がASEAN内での取引で米ドルを介することなく相互通貨で取引して手数料を30%ほど下げることを目的としています。

 

今年後半までには シンガポール、ベトナム、フィリピンもこの決済方法が使えるようになる ということでASEAN領域以内でのトレードには 米ドルを介さない形の決済が増えてくる見込みです。

 

「米国債を売りたい衝動に駆られたことがある」とポロリと冗談めいて口に出しただけで「我が国に対する宣戦布告だ!」とアメリカからこっぴどく叱られた橋本龍太郎元総理の例を見ても分かる通り、日本はアメリカの「事実上の植民地」として、いつまで米ドルにしがみついているつもりでしょうか・・・?

 

 

 

日本も「脱ドル化」の流れに乗り、円安による燃料費や電気代、食品などの輸入品の価格高騰に苦しんでいる日本国民の負担を軽くすべきです。

アメリカの犬であり、また財務省の犬でもある岸田首相には 「脱ドル化」どころか、トリガー条項発動すらできず、石油元売り各社への補助金程度の小手先の政策以外は何もできないのでしょうけどね・・・。