9/3の夜、ロシア軍のドローンがウクライナとルーマニアの国境近くを攻撃して、ウクライナは「ルーマニア領内に落ちた」と主張するも、ルーマニアとNATOがそれを強く否定する という出来事があり、一時、「本当にルーマニア領内に落ちたのなら、NATOの集団的自衛権の第5条発動か?」と緊張が高まる事態があったので、本日記事をご紹介したいと思います。

 

元の記事は軍事情報サイトのSouthfrontからです。

 

KIEV SPREADS LIES, TRIES TO PROVOKE INTERNATIONALIZATION OF THE CONFLICT

 

(和訳開始)

 

キエフ(ウクライナ)は紛争の国際化を煽ろうと、嘘を広める

 

ルーカス・レイロス著、ジャーナリスト、地政学研究センター研究員、地政学コンサルタント

ウクライナは、NATOとロシアとの対立を激化させようとする明らかな試みとして、ロシアが無人機でルーマニアを攻撃していると根拠なく非難している。しかし、ルーマニア自体はロシアの攻撃は自国の領土に危険をもたらしていないと述べ、ウクライナの主張を否定した。この事件は、キエフがこの目標を達成する方法として嘘の拡散に賭けて、どのように紛争を国際化しようとしているのかを明確に示している。

9月3日から4日にかけての夜、ロシア軍はオデッサ州イズマイルの港湾地域に対して大規模な攻撃を開始し、戦略的な軍事目標とインフラ目標を攻撃した。この地域には石油貯蔵所やウクライナ軍車両の燃料に使用される施設があった。モスクワからの公式報告書によると 、すべての標的は成功裏に破壊されたという。実際、この攻撃は、ウクライナの港湾の軍事利用を阻止するためにロシア政府がとった最近の措置の一環だった。オデッサでは、いくつかの港が武器、弾薬、同様の装備の保管に使用されており、ロシアが高精度の攻撃で反応することが正当化されている。

しかし、イズマイルは地理的にルーマニアに近いため、キエフはこの事件を利用してNATOとロシアの間に公然と紛争を引き起こそうとした。政権当局は何の証拠もなく、イズマイルに対して発射されたロシアの無人機がルーマニア領土に命中したと報告した。ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ報道官は、国境警備隊からデータを入手したと主張し、「ロシアのミサイルテロ」がNATOに到達し、近隣諸国に危険をもたらしていると述べた。

 

「ウクライナ国家国境警備局の情報によると、今夜、イズマイル港地域でのロシアによる大規模攻撃中に、ロシアの「シャヘド」がルーマニア領土で落下し、爆発した。これは、ロシアのミサイルテロがウクライナの安全だけでなく、近隣諸国、特にNATO加盟国の安全にも大きな脅威となっているという新たな裏付けとなる」と述べ た。

予想通り、ニコレンコはNATOにさらなる兵器を要求し、キエフに送られる軍事装備が増えれば増えるほど、ヨーロッパの他の地域への紛争の「拡大」の「リスク」が低くなるというウクライナの言い分を強調した。ニコレンコは西側同盟に対し、追加の対ミサイル・対空防御システムと、ロシア軍に対抗するための十分な軍用機の提供を求めた。

「我々はパートナーに対し、追加の最新の対ミサイル・対空防衛システムや戦闘航空のウクライナへの提供を加速するよう求める。これにより、ウクライナと隣接国のインフラの保護が強化される」と同氏は付け加えた。

しかし、ルーマニア人は紛争を国際化するというウクライナの計画に参加することを受け入れず、事件について真実を語った。ブカレスト国防省報道官は公式声明の中で、ルーマニア領土への攻撃を「断固として」否定し、キエフが広めた情報は虚偽であると述べた。

 

「国防省は、ロシアの無人機がルーマニア国土に落下したとされる、9月3日から4日の夜に起こったいわゆる事態に関する公共の場からの情報を断固として否定している(…)いかなる手段も講じなかった」ロシア連邦による攻撃は、ルーマニアの領土または領海に対して直接的な軍事的脅威を生み出している」と報道官は 述べた。

NATO加盟国であり、ウクライナ支援に力を入れているルーマニアは、もしこれが実際に起こったなら、ロシアの無人機による攻撃を受けたことを何の問題もなく認めるであろうことは明らかだ。しかし、この情報は真実ではなく、武器の需要を正当化し、NATOとモスクワの間の直接紛争を促進しようとするために、キエフによって意図的に広められたものである。

紛争の軍事シナリオを逆転させる可能性はなく、NATOの代理として機能するため降伏することもできないため、キエフは西側の直接介入を誘発することを望んで、敵対行為を国際化しようと長年努力してきた。この方向での最初の大規模な試みは昨年11月に行われ、ウクライナのミサイルがポーランド領を攻撃し、キエフはロシアの攻撃を不当に非難した。当時のワルシャワが「餌を噛まなかった」のと同じように、今ではブカレスト(ルーマニア)もロシアに対する「交戦事由」を作ることを拒否した。

実際、紛争の最終的な結果を避けるために、キエフ政権は代理国家であることをやめ、和平条件を受け入れてロシアとの交渉を再開する必要がある。西側軍事同盟はウクライナ軍による国際化の試みをすべて無視し、戦争に直接参加したくないことを明らかにしているため、他に選択肢はない。

NATOの戦争計画において、キエフは単なる代理であり、ウクライナ人は単なる「砲撃の餌食」にすぎない。いかなる偽旗作戦もNATOに計画を修正させることはできない。

 

(和訳終了)

 

 

上の記事を読めば分かる通り、昨年11月のミサイルがポーランドに落下した事件と状況は似ていて、NATOに直接参戦してほしくて仕方がないウクライナは”ロシアの”ミサイルがポーランドに落ちて、農業従事者2名を殺害した と主張したわけですが、NATOの事務局長とバイデン大統領、ポーランド政府、いずれも着弾したのはウクライナのS-300ミサイルであると言って、ウクライナの主張を真っ向から否定したわけです。

 

今回のルーマニア政府、NATOの対応も同じでポーランド国境から800mしか離れていない所をロシアのドローン(イラン製のシャヘド)が攻撃したこと自体は非難しつつも、「ロシアとの直接戦争には巻き込まれたくない」という意図がありありの対応をしたわけで、このことからも ウクライナとウクライナ人は あくまでロシアへの「代理戦争の道具」にされている ということが

明らかです。

 

本当に気の毒なのは 末端のウクライナ国民なのであって、ゼレンスキー大統領に投票した過半数のウクライナ人は 彼が内戦を止めてウクライナに平和をもたらしてくれ、さらに汚職を追放してくれる候補なのだと信じていたのが詐欺的に騙されてしまったわけです。 ゼレンスキー氏は 大統領戦が始まるわずか4日前に 彼が大人気コメディ俳優になったきっかけの「国民のしもべ」というドラマが終わる という、絶好のタイミングで国民的人気を獲得しました。

 

ドラマ「国民のしもべ」は教師が大統領になる というストーリーですが、ドラマの制作はゼレンスキー氏の個人企業名義になっています。そして、それが放送されたTV局がゼレンスキー氏のパトロンだった、ユダヤ人オリガルヒのイゴール・コロモイスキー氏の所有でした。

 

自分で制作したことになっている「教師が大統領になる」というドラマシリーズが ウクライナ大統領選開始の直前4日前に終了する という絶好のタイミングで選挙キャンペーンを開始 というのは ゼレンスキー氏ひとりの力ではそんなことはできないでしょう。

このようなことは日本の法律に当てはめれば 明らかな「公職選挙法違反」になりますが、TVを使った大々的なキャンペーンで簡単に大多数のウクライナ国民の世論が操作できてしまったのは ゼレンスキー氏が 最初からMI6のエージェントだった疑いが強い・・・と言っているのが 元国連大量破壊兵器査察官で、軍事評論家でもあるスコット・リッター氏です。

 

スコット・リッター氏曰く、ゼレンスキー大統領は 最初から彼の「公約」を守るつもりはなく、国民を騙すつもりで大統領になった疑いが濃厚です。彼が選挙に当選後、出席した「ミンスク2(ミンスク合意)」では、東部ドンバス地域でのロシア系住民への殺戮をやめさせようと「ミンスク合意」の重要性について真剣に語るプーチン大統領、"仲介者"のふりをしたフランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相の横で 「プーチンをまんまと騙したわ。してやったり!」と言わんばかりで、笑いをこらえるのに必死のゼレンスキー大統領の姿がしっかり撮影されています。

 

その写真やビデオを見たら、ゼレンスキー氏の人間性が分かります。元海上自衛隊の対潜哨戒機の機長をされていて、現在は日本安全対策推進機構という団体の代表をされている石濱哲信氏はゼレンスキー氏について、「ここまでの極悪人はそうそういない。見たことがない」と言っておられましたが、私も今は石濱氏の意見に完全に同意します。

 

(上の写真:ゼレンスキー氏が大統領に当選直後の2019年に出席した和平合意の「ミンスク2」の場で ロシア系住民への殺戮止めるために和平交渉の重要性について、真剣に演説しているプーチン大統領を横目で見て、笑いをこらえるのに必死のゼレンスキー大統領)

 

上の写真のシーンを動画で見たい方は下のリンク先ビデオで確認して下さい。私は 別に「ロシアびいき」でも何でもなかったのですけど、ウクライナでの2014年の暴力的なマイダン・クーデターからの流れを追ってきた私からすれば、このゼレンスキー氏の和平交渉の場での、交渉相手を小馬鹿にしたようなふざけた態度には ただ怒りしか感じませんでした。