戦争が始まる以前の時点でも欧州で2番目に貧しい国と言われていたウクライナでは人身売買が蔓延しており、「欧州で最も悪名高い人身売買の発生源」という記事が出ていました。

 

Ukraine's Shame - an epidemic of human trafficking

(ウクライナの恥ー人身売買の蔓延)

 

ニューズウィークは、ウクライナが依然としてヨーロッパで最も悪名高い人身売買の発生源の一つであることから、ウクライナにおける人身売買の蔓延について報じている。国際移住機関(IOM)の2015年半ばの報告書によると、1991年以来、16万人以上の男性、女性、子供が労働、性行為、強制物乞いや臓器摘出のために搾取されている。ウクライナ社会政策省は現在、国内外の非政府組織(NGO)からの勧告を受けて、人身売買撲滅に関する同国の5カ年行動計画の更新最終段階に入っている。

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そして、戦争で新たに出てきたことは 死んだ兵士または重症を負った兵士から臓器を取り出して闇市場で売買している という話です。今回その記事をご紹介します。8/4付記事でSouth Front という軍事情報サイトに掲載されているものです。

 

ORGANS OF UKRAINIAN SERVICEMEN SPOTTED ON EUROPEAN BLACK MARKET

 

(和訳開始)

 

ウクライナ軍人の臓器が欧州の闇市場で発見される

 

ウクライナ軍の殉職兵士の臓器が、ダークネットの最大手ショップのウェブサイトで発見されたと報じられた。広告によると、そこではどんな臓器でも1つ5000ユーロから購入できるという。

売り手は臓器1つにつき5,000ユーロから、特に心臓の迅速な配達には25,000ユーロ、腎臓には12,000ユーロを要求している。臓器は48時間から60時間で、特別な医療箱に入れられてEUに送られる。小包は全額前払いの後、約束の場所で受け取るか、購入額の35%を前払いした後、個人的に手渡される。

ウクライナの軍人の臓器が、病院で死亡したばかりの負傷兵から切り取られていることは周知の事実だ。しかし、悪質な移植専門医は、助かる可能性のある軍人の臓器を簡単に取り上げることができる。ウクライナ軍の莫大な損失の中で、彼らの犯罪は気づかれないままである。

この販売業者はまた、8,000ユーロで国外からEUに脱出するウクライナ人を支援している。ウクライナ人は偽造書類で海外に移住できる。戦争で荒廃したこの国では、これは非常に儲かるビジネスだ。街頭で捕らえられた男たちは、必要な手続きや訓練も受けずに前線に連れて行かれる。
 

一部の報道によると、コソボ解放軍が(臓器)取引プラットフォームの活動に関与している可能性があるという。彼らの指導者の一人は、ユーゴスラビア戦争中に死亡したセルビア軍人と民間人の臓器売買事件の容疑者である。陸軍は現在も別の名前で機能しており、その戦闘員は傭兵としてウクライナでの敵対行為に参加することができると伝えられている。

8月3日、ウクライナの国境警備隊は誤って別の子供人身売買グループを捕らえた。リンク

闇市場はウクライナで繁栄しており、キエフ政権は犯罪者を隠蔽し、EUのパトロンを喜ばせているため、危険な活動を止めることを急いでいない。

 

(和訳終了)

 

 

戦争下での「臓器売買」を私が初めて知ったのは コソボでの戦争について興味を持って調べていたときでした。

日本の中にもそうですが、世界には 臓器移植を必要としている人がたくさんいて、違法な形ではなく正規の方法で臓器移植の順番を待っていたら いつになるかも分からない という中で、一方では 戦争下の中の「儲かるビジネス」として兵士や誘拐された人たちから臓器を取り出して割安に売る という犯罪組織がある ということに当時ショックを記憶があります。

 

記事の中にあるコソボ解放軍(KLA)は コソボのアルバニア人による軍事組織ですが、その実態は実質テロ組織のようなもので、捕まえたセルビア人から臓器を摘出して闇市場でそれを売ったり、違法薬物の売買を行っていました。

ですから、コソボ解放軍(KLA)は戦争前はアメリカでも犯罪組織として登録されていたのが 当時のクリントン政権下でのネオコンの代表格、オルブライト国務長官によって、セルビアとセルビア人だけを悪魔化する為に この犯罪組織が「ホワイトウォッシュ」されて、コソボ解放軍のリーダーだった、ハシム・サチ氏「民族解放の英雄」として讃えられ、コソボの独立宣言後はコソボ初代大統領にまでなるわけです。

これは例えるなら、ギャングや暴力団のリーダーが大統領になるようなもので、とんでもない話ですが、実際に起こったことです。

 

しかし最近になってハシム・サチ氏の過去の犯罪行為に再びスポットライトが当てられ、アメリカにも梯子を外された彼は2020年紛争時の戦争犯罪や人道に対する罪など10件の容疑でハーグの特別法廷に起訴され、大統領も辞任、逮捕されて現在は裁判中の状態になっています。

 

アメリカはこのコソボ解放軍のハシム・サチ氏の例のように、一度は「英雄」として祭り上げた人物を 利用価値がなくなると簡単に”捨てる” ということをやりますので、ゼレンスキー氏の場合も 今後どうなるかは分かりません。昨年のような英雄扱いまでは最近はしなくなり、大手メディアの報道もウクライナの「友好国」の首脳の反応も「兵器やお金の要求が強欲すぎるのではないか」という論調に最近は変わりつつあるので、ゼレンスキー氏の今後が 梯子を外されたハシム・サチ氏のような状態になる可能性も十分にあると私は思っています。