日本は外国に殺傷力のある兵器を輸出してはいけないという憲法上の制約があったはずですが、親分の米国に要請されると、憲法も無視して、いつから”なし崩し的”に殺傷力のある兵器を輸出できるようになったのでしょうか?

 

火薬に使われるTNT(トリニトロトルエン)をアメリカに提供する というニュースに続いて、今度は 砲弾そのものを日本で製造してアメリカに譲渡する というニュースがありますね。

今回はこのニュースについて、コメントをしたいと思います。

 

まずはニュース記事をご紹介。アメリカのウォールストリート・ジャーナルが報じていますが、ウォールストリート・ジャーナルの記事は無料では読めませんので、無料で読めるロイター通信の記事をご紹介します。

 

 

 

(和訳開始)

 

日本、ウクライナ支援で米国に砲弾を提供する方向で協議中とWall Street Journalが報道

 

6月15日(ロイター) - 日本は、ウクライナの対ロシア反攻のための在庫を補強するために、米国に砲弾を提供するための協議を行っていると、ウォールストリートジャーナルが15日に報じた。

そのアジアの国は、米国との長年の安全保障同盟の一環として弾薬を共有する2016年の協定に基づき、155ミリ砲弾の供給を検討していると、同紙は関係者の話を引用して付け加えた。

 

(和訳終了)

 

その2016年に結ばれた日米安保での「弾薬を共有する」協定というのは あくまで日本を防衛するための米軍との弾薬共有なのであって、アメリカが今やっているウクライナを使ったロシアへの代理戦争、アメリカの一極覇権を守るためにロシアを弱体化させる目的の戦争の為に 弾薬を共有する というのは そもそも「専守防衛」でも何でも無い、憲法違反ではないのですか?

 

中露北朝鮮と核保有国に囲まれながらも 日本にはミサイルから身を守れるシェルターもほとんどない状態です。そのような状況下でアメリカがウクライナを使ったロシアへの代理戦争を長期間継続させるためという理由で、日本が ウクライナが使用する砲弾をアメリカに提供してまでロシアを軍事挑発するメリットはどこにあるのでしょう? 全くメリットがないどころか、日本にとっては安全保障上のリスクしかありませんね。

 

このように なし崩し的に憲法も その場の解釈次第で簡単に超えられる というのであれば、日本を守るために「日本は防衛の為に核兵器を持ちます!」と米国、そして周辺国に宣言して、堂々と核開発をしてはいかがでしょうか。そのほうがよほど日本の防衛になるのであって、今のように 米国の言われるがまま、自らを守る手段もないのに ウクライナの為に、自衛隊車両でも、火薬でも、砲弾でも、何でも提供する ということは 何の国益にもなりません。

 

すでに韓国はウクライナ向けの砲弾をアメリカを介して供給しています。韓国に加えて日本もTNT火薬や砲弾を供給するとなると、ロシアとウクライナの戦争を少しばかり長引かせる効果はあるかもしれません。

 

しかし、アメリカとNATOが必要な砲弾を提供できていない、製造が間に合っていない という時点で この戦争は事実上、NATOとウクライナ側が「詰んでいる」のです。「ウクライナが勝たなければならない。侵略者のロシアに勝たせてはならない」という考えを 大手メディアに騙されているおよそ90%の日本人が信じています。

 

しかし、彼ら90%の日本人は この戦争が ロシア軍がウクライナとの国境を超えて侵入してきた2022年2月24日に始まった という大手メディアのプロパガンダをそのまま信じているのであって、2014年からドンバスでの戦争は始まっていた ということを知らないか、考えないようにしているのです。

 

NATOの事務総長である、ストルテンベルグ氏も ロシアとの戦争は「2014年に始まった」と言っています。

 

 

2014年に戦争が始まった とNATOの事務総長が言っているのですから、最初に戦争を仕掛けたのは ロシアではなく、NATO側ですね。

 

そして、米に言われるがまま、ただ従属するしか能のない日本政府は アメリカが世界での一極支配を維持するための「ロシア弱体化」させるという目的での戦争に 後方支援という形で、なし崩し的に、加担させられそうになっているということです。

 

この戦争が始まる前、日本は 少くとも ウクライナよりは ロシアと友好的な関係がありました。

2011年3月11日の東日本大震災の時、ウクライナから日本に支援してくれたのは毛布2,000枚と700万円だけでしたが、ロシアからは救助隊員派遣、多量の天然ガス、石油の無償提供、16億円の義援金提供がありました。

 

日本は今でもサハリン1・2を介して天然ガスや石油をロシアから買っていますし、北海道の漁業者等は ロシア産の海産物を売ることで商売をしている方も大勢います。北海道がロシアから輸入しているもののうちの4割は海産物です。

 

そもそも、日本の政府、政治家は 「日本の国益」のみを考える という姿勢に著しく能力が欠けています。

米国に追従しなければならないから・・・とか、他国に圧力をかけられたから・・・とか、世界のグローバリストたちが推進しているから・・・という理由で、何の国益にもならないロシアへの経済制裁→ウクライナへの火薬・砲弾輸出や、日本を壊す移民受け入れ促進、LGBTQへの理解促進のゴリ押しを推進しています。

 

日本の政治家はいったい何処を向いて仕事をしているのでしょう。 労働者の移民受け入れ、極端な円安を推進する経団連のほうだけを向いていて、彼らや株主が儲かればよい という考えなのでしょうが、東証一部の日本の大手企業の株主も 多くが外国人になっています。2021年度末時点で外国人保有比率(金額ベース)が高い業種は精密の44.6%、電機の41.0%、医薬品の40.1%、その他製品(主に任天堂)の37.7%、機械の35.4%、保険の34.0%、化学の32.8%の順で外国人株主になっています。

 

ごく普通の庶民の日本人は そういった投資とは無関係のところで生活しています。株式投資や先物、FX、暗号通貨等のリスクのある投資をする場合には 多くの業者は 「貯蓄が少くとも100万円以上あること」を条件にしているかと思いますが、2019年度のデータでは 全体の53.7%が貯蓄が100万円以下であると答えています。

 

日本の政治の問題点は 日本の企業の99.7%を占める中小・零細企業やそこで働く庶民のことを全く考えず、ただ大企業にだけ媚を売った政策をやっていればよい という政治家が多いこと、そして国家の安全保障、国益という点では アメリカにNOと言えない臆病者の政治家が多いこと、そして、そういった臆病者しか総理にはなれない ということではないかと、私は思います。