ウクライナに兵器や砲弾を供給している西側諸国の中でも 特に旧ソ連製の兵器を使用していた東欧諸国で、戦車や大砲、戦闘機が不足している状況で、それを埋め合わせるはずの米国からの供給も間に合わず、韓国に兵器を大量発注しているという状況は私のブログの過去記事でもご紹介しました。
本日は 米国の深刻な砲弾不足の状況をお伝えしたいと思います。
ウクライナ軍が使用している砲弾の数は ロシア軍が消費している砲弾の数よりはるかに少ないものの、ウクライナ軍は1日に5000~6000発の砲弾を使用していると言われています。その砲弾はもちろん、主に米国から届いていて、欧州は兵器や装備品に関し、元々大きな生産力を持っていません。
上のグラフ:ウクライナへの軍事支援がどこの国から来ているかを示すもの
西側メディアは ロシアがウクライナの何倍もの砲弾やミサイルを撃ちまくっているので、「もうすぐロシアが砲弾や弾薬を使い果たしそう」という嘘のニュースを3/2からずっと垂れ流してきました。
(上の写真:ロシアがミサイルを多量に撃ちすぎて使い果たしそうだ という記事の数々)
下のリンクは ロシア側の砲弾や弾薬、ミサイルの在庫について、西側メディアの嘘を説明した過去記事です。
本当に砲弾を使い果たしそうなのは ロシアではなく、ウクライナに支援しているNATOのほうなのであって、製造が追いついていない米国が 韓国に対し、10万発の砲弾を発注したようです。それがロシアにバレて、ロシアから「外交関係を損なうことになる」と韓国が警告されて焦っている というようなニュースがありますので、本日それをご紹介します。
South Korea On Defensive After Secret Deal To Supply Munitions For Ukraine Exposed
(和訳開始)
ウクライナへの弾薬提供の密約が発覚し、守勢に回る韓国
韓国は、ウクライナ紛争に武器を送らないという公式方針に変わりはないと主張している。しかし、10万個の砲弾を米国に売却し、米国がそれをウクライナに譲渡するという密約が報じられている。
ウォール・ストリート・ジャーナルが最初に報じた。"韓国は、ソウルとワシントンの間の秘密の武器取引を通じて、ウクライナ軍に運命づけられた砲弾を初めて販売する。"この動きは、ロシアとの戦争の数ヶ月後の軍需品のためのグローバルスクランブルを反映したものである。
"取引に詳しい米国当局者は、米国がウクライナに納入される10万発の155mm砲弾を購入すると述べ、少なくとも数週間の集中戦闘のためにウクライナの砲兵部隊に供給するのに十分である。"と、レポートは続ける。
米国政府関係者は、金曜日にロイター通信に、国防総省がウクライナ安全保障支援構想(USAI)を利用して、韓国製の砲弾をウクライナ軍に送る計画が実際にあることを別途確認した。
そして興味深いことに、"その関係者は、協議のニュースが公になることは取引を脅かす可能性があると警告した"。
機密計画が公表されたことで、すでにソウルは守勢に立たされている。韓国軍当局は、"機密 "交渉は "米国がエンドユーザーであるという前提で行われている "と断言している。
国防省は、米国の在庫の不足を補うためという枠組みで考えている。「米国内の155mm弾薬の在庫不足を補うために、米国と韓国企業の間で弾薬の輸出交渉が行われている」と声明が発表された。その他にも 韓国の聯合ニュースは金曜日に、韓国の李鍾燮国防相とアメリカのオースティン国防長官が今月初めの会談で「大砲の取引を進めることに『原則的に』合意した」と報じた。
聯合ニュースは、韓国国防省の声明を引用して、「しかし同盟国は、材料が米国によって使用されることを前提に、関連した協議を行っている」と報じた。
先月、韓国の尹淑烈(ユン・スギョル)大統領は、ロシアのプーチン大統領からウクライナの武装は二国間の関係を破壊すると警告されたことに反論している。
ユン氏は当時、「我々は国際社会と連帯してウクライナに人道的・平和的な支援を行ってきたが、決して殺傷力のある武器やそのようなものは提供していない」と述べた。「いずれにせよ、これは我々の主権の問題であり、我々はロシアを含む世界中のすべての国と平和的で良好な関係を維持しようとしていることを知ってほしい」と述べた。
北朝鮮に関しても論争が巻き起こっている。平壌は、ロシア軍に秘密裏に兵器譲渡を行ったと米国から長い間非難されてきたが、双方はこれを否定している。米国情報機関は、北朝鮮がこれらの輸送を慎重に隠蔽しようとしていると非難しているが、そのような大規模な武器や大砲の輸送を証明するものは何もない。
(和訳終了)
10万発の砲弾を韓国が米国経由でウクライナに提供できたとしても、ウクライナ軍は1日に5,000~6000発を消費しているわけですから、たった20日以内でそれを使い果たしてしまうわけで、正直言って、ウクライナ軍はもうあと3週間も経つと、砲弾不足で戦闘を継続できない状況にならざるを得ないものと思われます。
ですから、最近 米国側からゼレンスキー政権に対して、ロシアとの停戦交渉を始めるべきだ という意見が出てきているのであって、それが西側メディアのニュースにもなっているわけです。
ゼレンスキー氏に対して「冬場の戦闘停止」を要求し始めた米国もけっして一枚岩ではなくて、色々なニュースを見る限り、米軍の制服組トップである総合参謀長のマーク・ミリー氏は「ロシアと交渉してすぐに停戦すべき」という意見のようですが、ブリンケン氏やヌーランド氏等のネオコンに牛耳られている国務省は「停戦にはまだ早い」と言っていて、国家安全保障問題担当大統領補佐官のジェイク・サリバン氏もそれに近い考えのようです。
バイデン政権のネオコン連中がどんなに戦争を続けたくても 砲弾やミサイル、装備品、戦車等の不足もなく、冬場も継続して戦闘能力があるのはロシア側であってウクライナ側ではないので、冬場に戦闘をフリーズさせなければ、NATO側からのウクライナへの武器弾薬供給ができなくなるのは明らかです。