穀物を中心として、世界的な食料危機が起きている中で、ロシアで小麦が記録的な豊作になったようです。
それを”友好国”だけに輸出する とのことです。
ロシアに対して率先して経済制裁をやってきた日本はもちろん、"非友好国"なので、小麦の価格は 円安という別の要因も考えると、今後も上がることはあっても、当面下がることはないでしょう。
Russia to export agricultural products to ‘friendly countries’ only
(和訳開始)
ロシアは農産品を"友好国"だけに輸出する
重要な食糧は最も必要とする国々に提供される、と農水省は言う
ロシアのドミトリー・パトルシェフ農業大臣は木曜日、今年の穀物収穫量は1億3000万トンに達する可能性があり、これは国内の需要と輸出の可能性の両方をカバーするのに十分な量であると述べた。
サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(SPIEF)の傍らで、同氏はサプライチェーンの崩壊や財政計算の困難さなど、多くの課題を指摘した。
ロシアは、食料を必要とする国々に食料を供給するために、これらの障害を克服しなければならないと述べた。「私たちの農産物は海外市場に出回りますが、それは私たちに友好的で、私たちのためにハードルや困難を作らない国々に限られます」と彼は記者団に語りました。
ロシアは今年、小麦の記録的な収穫を含む穀物の豊作を見込んでいると、ウラジーミル・プーチン大統領が先月発表した。さらに、多くの国が飢饉の危機に直面しているとし、この状況の責任はすべて "西側エリート "にあると強調した。
過去2ヶ月の間に小麦の価格が過去最高値に急騰したため、穀物危機は世界中に広がっている。世界の食糧市場は、すでに天候やCovidの大流行の影響を受けていたが、ロシア・ウクライナ紛争と欧米のモスクワへの制裁により、さらなる打撃を受けた。このため、世界的な食糧難と飢餓の懸念に拍車がかかっている。
(和訳終了)
ロシア側から見たら、当然のことではありますが、大事な食料は”友好国”にしか輸出しない とのことで、ガスや石油に関してもそうですが、ロシアに経済制裁をしなかった国は今のマーケットでの市場価格と比べると何分の一とかの格安価格で契約できたり、かなり得をしているようです。
たとえば、古くからロシアの友好国であるセルビアは、セルビア大統領のブチッチ氏と露大統領のプーチン氏の直接会談で、市場価格の1/8~1/10位の超破格値で契約を結ぶことができたようです。(←これはセルビア在住のセルビア人の方から私が聞いた話です。)
また、ロシアに経済制裁をしていないインドは1バレル30ドルという、これも超格安の価格でロシアの原油を購入していると言われています。(石油は今は1バレル120ドル位が市場価格のようです。)
一方、ロシアから”非友好国”に認定されてしまった日本、中国とロシアが共同で日本近海に出てきて軍事演習するなど、単なる経済的な損だけでなく、露・中・北朝鮮の核保有3カ国が連携して日本を脅すという、軍事的なリスクまで背負ってしまいました。
NATOのロシアへの挑発に対抗すべく、ここ数年は ロシアは 中国と友好関係を築いてはいたのですが、長い国境線を接していて人口も露の10倍もいる中国は 本来、ロシアにとって長らく「警戒すべき国」の1つだったはずですから、大事な軍事技術は中国に売らないようにしたりしていましたし、過去にはアムール川の支流ウスリー川の中州であるダマンスキー島の領有権を巡って過去には交戦したこともありました。(中ソ国境紛争)
中国が日本の尖閣諸島を巡って領有権を主張し、中国側の言い分によれば その周辺海域を毎日のように「中国がパトロール」している現状では、日本にとっての最大の脅威は中国であるはずで、そのためには ロシアを挑発することで、中・露をこんなに接近させてはならなかったのです。
その中国に空母の「遼寧」を売ったり、北朝鮮に大陸間弾道ミサイルの技術を売ったりしているウクライナに対し、日本は別に恩があるわけでも、何でもありませんね。東日本大震災の時もウクライナから日本に支援してくれたのは毛布2,000枚と700万円だけでした。(ちなみに、ロシアからは救助隊員派遣、多量の天然ガス、石油の無償提供、16億円の義援金提供があった)
もちろん、戦場にされてしまって多くの人が家を失い、家族を失い・・・というのはお気の毒な状況です。しかし、外交は あくまで自国民の国益第一で、冷たい言い方かもしれませんが、ドライに、また、第三者的に紛争を見る必要があります。
ウクライナと日本の過去の経緯からすると、ウクライナは日本にとって、そんなに恩義も感じる必要のない国なのです。
ロシアを敵に回す覚悟が本当に有るのならば、最低限、まずは核保有の準備をしてからでないといけないのです。
強盗が刃物や拳銃を持って近くをウロウロしているのに、玄関を開けっ放し状態にしておくのと 同じような状態に、今の日本はなっています。