蝶を起こさないようにとても静かに
明けましておめでとうございます
相変わらずに生きてます
私生活が外側も内側もいろいろ変わって行くのを感じます
それに伴って、自分の自分に対する考え方、それ以外の人に対する考え方を時間の熱が歪めて行くのを感じています
それは俗に言う大人で冷静な考え方に収縮するわけではなくて、めんどくさい部分があいかわらずめんどくさくて。
人生はいろいろあるんです
時間は人の気持ちを変えるし、時間は人の気持ちを思い出させるし、けれど人の気持ちは簡単に遷ろうし、だから人の気持ちはいつまでも残るんです。
君に見える景色
僕には簡単に理解出来る
だって僕の景色と一緒のはずだから
どうして彼等はその様なやり方で疲れないのだろう
僕なら違うやり方をする
こうすればいいんだ
そう謡ってくれた音楽が昔あったりした
ストレートに突き刺さる
正月に実家に帰り、親戚への挨拶回りから逃れて、一人車で気がかりだった場所に行った
1月の東北は雪に覆われて空気は雑音を吸い込んで、なにも存在していないように冷たく佇んでいる
海沿いの水族館、オルゴール工場、古く胡散臭いお土産屋、綺麗に整備された遊歩道
生まれて初めてデートらしいデートをした場所
あの日見た景色の面影は、なにもかもなくなっていた
記憶を作っていた建物が全て無くなった、ということではなく、僕のイメージの世界はもうどこにもなかった
波止場は自分をみつめるには良い場所だと思う
今思うと、あの時一緒に行った相手の苗字と顔がすっと出てこない
彼女は今何をしているだろうか、そんなことも今までずっと考えていなかったことに気付く
別に知らなくてもいい、自分がそう思っていることにも
とても失礼なことを書くと、誰と居たかは既に重要ではないことだった
その場所に僕の思い出があるという事実だけが重要だったからだ
そこで見た景色は違和感や残念さよりも
気がかりだった場所を見た自分の外の世界が自分の内側の世界を映しているような感覚がとても強かった
自分をみつめていた
変わってしまうものは仕方が無い
なぜなら世界は変わっていくものだから
残っていくのは思い出だけで
けれどそれすら僕は忘れてしまう
どうしたらいい?どうしようもない。世界はそういうものだから。
諦観するしかない現実がいつだって僕の目の前のここに存在する
忙しくなっていつのまにか成長と自分や周りの変化のバランスが読み込めなくなっていて
変わったつもりがなかったものや、変わらないでいてほしかったものが気が付くといつのまにか僕の知らない世界にいて、僕自身もいつのまにか知らない場所にいて
きっとそれらは全て僕次第ではどうにもなったことだったのに
全部が僕の景色と一緒のはずだったのに
気が付くとそこを見ているのは自分の思い出と、こうあってほしいという願望だけ
優しくなっても卑屈であっても全て変わってしまうんです
全部が
そしてそれは仕方のないことなんだって、考えていくしかないんだと思う。
"僕なら違うやり方をする こうすればいいんだ"
そのやり方が僕にはできない
きっととても簡単なことのはずなのに
X X X
さぁついに当日。
寝起きとともに解禁された新曲情報。
GOOD LUCK MY WAYはtetsuyaのソロからの帰還を感じさせてくれたけど、今度はhydeの帰還を感じさせてくれる予感がすごく。
答えはあと数時間後。
走り出したラルク、いよいよ。
Little By Little






2011年、上半期の私的ベストディスク46
01.Bon Iver / Bon Iver
02.Radiohead / The King Of Limbs
03.東京事変 / 大発見
04.Arctic Monkeys / Suck It And See
05.The Vaccines / What Did You Expect From The Vaccines ?
06.The Strokes / Angles
07.MOGWAI / Hardcore Will Never Die, But You Will
08.Lady GaGa / Born this way
09.TETSUYA / COME ON!!
10.James Blake / James Blake
11.BEADY EYE / Different Gear, Still Speeding
12.L'Arc~en~Ciel / TWENTY 1991-1996
13.Foo Fighters / Wasting Light
14.R.E.M. / Collapse Into Now
15.Cults / Cults
16.Overground Acoustic Underground / 夢の跡
17.毛皮のマリーズ / ティン・パン・アレイ
18.the view / BREAD AND CIRCUSES
19.UNDERWORLD / LIVE FROM THE ROUNDHOUSE
20.RADWIMPS / 絶体絶命
21.SOPHIA / ALL-B SIDE 「B」
22.9mm Parabellum Bullet / MOVEMENT
23.the pillows / HORN AGAIN
24.Yuck / Yuck
25.Beastie Boys / Hot Sauce Committee Part Two
26.L'Arc~en~Ciel / TWENTY 1997-1999
27.the band apart / SCENT OF AUGUST
28.Smith Westerns / Dye It Blonde
29.モーモールルギャバン / BeVeci Calopueno
30.JONNY / JONNY
31.L'Arc~en~Ciel / TWENTY 2000-2010
32.The War on Drugs / Slave Ambient
33.killing Boy / killing Boy
34.Them Crooked Vultures/Them Crooked Vultures
35.TV On The Radio / NINE TYPES OF LIGHT
36.andymori / 革命
37.SOPHIA / ALL SINGLES 「A」
38.FLEET FOXES / HELPLESSNESS BLUES
39.Esben And The Witch / Violet Cries
40.PJ Harvey / Let England Shake
41.Boom Boom Satellites / EXPERIENCED
42.Le Corps Mince De Francoise / Love&Nature
43.BATTLES / GLOSS DROP
44.Adele / 21
45.チリヌルヲワカ / 白穴
46.MONKEY MAJIK / westview
white noise
フジロックが終わって、ロックインジャパンが終わって、サマソニが終わって。
気が付けば八月も終盤。今年も音楽に包まれた夏だった。
苗場の空が、ひたちなかの空気が、幕張の温度が、いちいち記憶の琴線にその記憶自体で触れようとする。
いつのまにか夏は過ぎて、イメージできてなかった終わりの瞬間に僕は今居て。
なんだかすごくさみしくて、月曜からの日々は微睡の中にずっと居るようで、破壊的な憂鬱がいつか悲しみに繋がって、切ない音楽に僕はまたなにかを求めてしまう。
最近毎日のように夜ものすごい雷を伴った夕立のような雨が降るのだけれど、その雷をベランダに置いた椅子に座って眺めるのが好きになっている。
0.5秒に満たない瞬間、どこでどれだけ光るかわからない不安定さ。
一瞬コバルトブルーや紫色に空が変わる瞬間の、非日常さ。異空間。
それは音楽にも似ていて、旋律と旋律が触れ合う一瞬に浮かび上がるセカイだったり、言葉とメロディーの構築するバランスの危うさだったり。
それを受け取る瞬間の自分のモチベーションとの関わり合いもとても重要な要素。
全体やそこを構築する個々はいつまでも不変に近い状態で存在し続けることはできても、感じ取る瞬間はいつもユニークにしかなくて。
この「瞬間」にしか作れないこのイメージはいったいなんなんだろう。どうしようもなく切ない。胸を引き裂くし、締め付けるし、何かを刺し込んでくる。
1/fのゆらぎには遠い、幾何学的な、人工的であっても誰かが導くことは絶対にできない、心地よさとはハイブリットできない感覚。
ベランダで眺めていた雷雲は、30分もするとどこか遠くの向こう側へと消えていく。
残響が轟いて、光だけが間接的に雲のこっち側に浮かび上がる。
誰かの作り上げた音に誰かは身を寄せて、その瞬間に両者には合意できない間隔のズレが音楽にはあって。
この夏僕が身を寄せ続けた音楽たちに、いつものように僕は切なさを常に感じていた。
求め過ぎて儚さに憑りつかれているのかもしれない。
いや、それでもいいのだけれど。
そんな季節。
ギリギリの美しさを見つけたいでしょう?触りたいでしょう?
凛として時雨初のホールツアー。一か月のスパンを置いてのツアーファイナル。
5月に開催予定だったものが地震で国際フォーラムが使えなくなり延期になったもの。
個人的にはラルクのライブと被っていたので結果オーライな感じです。
とても清楚でしなやかでクラシックコンサートが始まるのかと思うような開演前の品のある空気、ソールドアウトされたロックバンドのライブとは思えないその佇まい。
しかし目の前のステージに見えるシルエットは確かにギターとベースとドラムの3Pバンドのもの。
静かに客電は消えていく。時間がきた。
「今 半透明 水の中で 溺れている」
薄くベールに覆われたステージにその姿が浮かび上がる。
青く青く青く切なく蒼く投射されるイメージ、345の幼く繊細で透き通った声がホールに流れ込み、僕たちは音に包まれた。
illusion is mine。3ピースのオーケストラが、ゆらめきの幻影を奏でる。
静の動に導かれて、刻まれたアルペジオが重なる度にリズムは鋭利さに目覚めて力強く轟音を上げた。
「奇跡的な 何かを見た」
それはいま、この瞬間にある。
2弦5フレットのベースがルートを刻み走り出す。
太く重いディレイに浸食された音の色。ギターがそれに寄り合うように絡み合い、TKの歌声と共にベールが開く。
空気が狂う。I was music。ステージの全貌が見えた瞬間、オーディエンスが叫び出す。空気が縦に揺れる。
刻まれていた光が、線になって空中になにかを探すようにグルグルと回る。
345がまた力強くベースを弾く。スネアの振動が突き上げ、アルペジオのリフレインが狂いだす。
音が人を巻き込み、腕を挙げ叫ばせる。ストロボが悲鳴をあげた。DISCO FLIGHT。
悲劇的のほど盲信的で孤独な世界の真ん中で、TKは。
「イカレタ僕はね 世界と消えるの」
Re:automationが突き刺すのは、0.5秒で書き換えられ続ける世界。
パノラマの記憶が、抽象的な風景の記憶が、現れては流されて行く。
感情が引き裂かれて、溢れているのが止まらないのに。どこまでも突き刺さる。
引き散れたフィルムのように狂雑にヴィジョンが走り出す。
それらは全部が悲しくて、どうしようもない刹那のサウンドスケープ。
「悲しそうなディレイの上で 楽しそうに歌わないで」
空間が、泣いている。
「君が見てた僕の色は 君が見せた僕の色は」
a 7days wonder。幾何学的なうねりが、青く冷たい熱を帯びる。タイトなリズムにディストーションで歪んだリフが接する。
345とTKの、どこか作業的なコーラスの掛け合いが響く。灰色の疾走、ルートの喪失。ライティングに浮かぶセカイ。
強烈な悲しみのアルペジオ、殺人的な超絶タッピング、テクニカルであり続けることに、一つの凛として時雨の答えを導き出したThis is is this?。
凄まじい音圧と陰に見える傍観。
Sadistic Summerから叩き込まれる想像のSecurity。ライブハウスの叩き上げで色を覚えていった曲が解放されたようにドラマチックに響く。
「鮮やかなクラクション 君が鳴らしてた」
唐突に叫ばれた言葉。
導く以前に凛として時雨は凛として時雨であったんだって言われている気がしたのは、このツアー唯一この会場でのみ演奏された、鮮やかな殺人。
このバンドのすべての初期衝動がこの曲に詰め込まれている。
テレキャスターに刻まれる不規則なリフ、重なる冷たさ、切なさ、残酷さ。予定調和では生み出せないこの狂った熱を、いつまでも感じていたい。
リフレインに沈む記憶が、音の波紋を広げて生々しく放たれる。
浮遊したまま戻れなくなる。肌が海岸の風を感じ、視線が広がる光を追うように宙を泳いだ。TKが叫ぶように囁く。secret cm。
イメージされた世界が繋がっていく、Tremolo + A。
「ほら、目の前で消えた」
このバンドの作り出す儚さと美しさが融合して、映し出されたエモーションの歪にまた見えない未知の美しさを求めてしまう。
膨らんでゆくスケール感、音色とリリックの叙情。ノスタルジックに夢を見せる。
この日演奏されたシークレットGは、特別にTKがガットギターを使ってのアレンジ。前半を弾き語りの形でTKが歌い、後半からバンドアンサンブルへと回帰していく。
TKの柔らかな鋭利さを孕む歌声に、ガットギターの音色がノスタルジックでメランコリックな情景が浮かばせる。
「エレクトリックレス 君は無表情」
ふいにこの曲に描いたシニカルさが浮かんだ。
緊張の空気がエスケープされ、自由すぎるピエール中野のMC&破壊的ドラムソロ、恐ろしくテクニカル。完全に湧き上がるオーディエンス。
アンコールは全力で攻撃的な凛として時雨。キラーチューンが止まらない。
「妄想に入り込んだ僕を見つけてよ」
345とTKの掛け合いに僕らは両手を広げて叫ぶ。JPOP Xfile。
「君のせいで歪んだ僕に異常な世界は」
至福の轟音に巻き込まれた調和が生み出すカオス・緩急の狂騒に空間は壊れる。Telecastic fake show。
「響くリズム 殺されそう」
殺人的・暴力的に踏み込まれるバスドラ、狂い無く狂い続けるフィル、残像に消えるスティック。nakano kill you。
クライマックスに向かう閃光のような強烈なバンドの響きに20分前まで品のあった客達はもう完全に壊れて両手を挙げ、頭を振り、興奮して体をリズムに泳がせていた。
激しさと穏やかさが移り変わるa symmetry。
胸を締め付けるTKの心の闇が見えてくるようで、それは叫びだった。
「形をなくした何が欲しい?」
ノイズの圧力は、TK、北嶋徹の抱え込む心を裂くようなせつなさの断片。
深い、海の底へ沈まれる24REVERSEからリバーヴに乗って響いたmib126。今ツアーで凛として時雨としては珍しく「傍観」ではなく演奏されたjust A momentのラストナンバー。
a symmetryから繋がるセカイ。
「あと少しだけこの眼に悲鳴に似た歌を望むなら」
凛として時雨というバンドの世界に、この異色の鬼才はなにを見出して来たのだろうか。
柔らかな囁きだった声が次第に怒りに満ちた絶叫になり、ホール全体に響き渡って、そのリフレインされたものはやっぱり僕の胸に突き刺さっていく。
シャウトされた言葉の裏に払拭したい時間が、見え始めた未来が、望まれない期待が、「それらが自分を作り上げてきた現実」が、TKの持つ絶望が、無数に突き刺さってしまう。
ホールツアーは時雨にとってはやはり、通るべき道の一つだった。
この世界を正面から受け、釘付けにされるべきだった。
どこまでもテクニック主義な演奏で構築美すら脱却された曲の真意が、少しずつ露呈され、提示されていた。
それはとても無機質な感情を生み出してきた彼らが見せる人間らしさ、有機的な温度。
シークレットGの演奏前に珍しく喋ったTKのコメントにあった「地震」という出来事に対する想いだけでなく、聞き手に曲の新たな意味を発見させるようなものですらあった。
それはまるで凍っていた感情が溶け出す瞬間のよう。
あんなにも絶望的な音楽なのに、悲劇的な世界なのに、そこに希望が見えてしまう。
既存を乗り越えるために新しい意味を提示する、それが音楽がアートであるための意義なんだと思う。
345の物販でMCでも告知されたようにこの先凛として時雨は秋に対バンツアーを行い、直後にそのままワンマンツアーを行う。
会場は久しぶりにかなりキャパの小さいライブハウスツアー。タイトルは「αβ+1」。なんて意味深。素敵。
現段階で発表された日程には+1の要素は感じられないし、I was musicツアーでツアーファイナルとしてさいたまスーパーアリーナが突如発表されたような展開に期待している人は少なくないはず。
さらにVIRGINを無事に卒業した僕たちに、バンドはまた新しい作品を見せてくれることも大いに期待したいです。
今回のツアーを眺めて、凛として時雨って音楽が少しだけ見えた気がした。
凛として時雨 TOUR 2011 VIRGIN KILLER SUICIDE
2011/07/06 国際フォーラム ホールA
01.illusion is mine
02.I was music
03.DISCO FLIGHT
04.Re:automation
05.a 7days wonder
06.This is is this?
07.sadistic summer
08.想像のSecurity
09.鮮やかな殺人
10.seacret cm
11.Tremolo+A
12.シークレットG
13.JPOP Xfile
14.Telecastic fake show
15.nakano kill you
16.a symmetry
17.24REVERSE
18.mib126
5月に開催予定だったものが地震で国際フォーラムが使えなくなり延期になったもの。
個人的にはラルクのライブと被っていたので結果オーライな感じです。
とても清楚でしなやかでクラシックコンサートが始まるのかと思うような開演前の品のある空気、ソールドアウトされたロックバンドのライブとは思えないその佇まい。
しかし目の前のステージに見えるシルエットは確かにギターとベースとドラムの3Pバンドのもの。
静かに客電は消えていく。時間がきた。
「今 半透明 水の中で 溺れている」
薄くベールに覆われたステージにその姿が浮かび上がる。
青く青く青く切なく蒼く投射されるイメージ、345の幼く繊細で透き通った声がホールに流れ込み、僕たちは音に包まれた。
illusion is mine。3ピースのオーケストラが、ゆらめきの幻影を奏でる。
静の動に導かれて、刻まれたアルペジオが重なる度にリズムは鋭利さに目覚めて力強く轟音を上げた。
「奇跡的な 何かを見た」
それはいま、この瞬間にある。
2弦5フレットのベースがルートを刻み走り出す。
太く重いディレイに浸食された音の色。ギターがそれに寄り合うように絡み合い、TKの歌声と共にベールが開く。
空気が狂う。I was music。ステージの全貌が見えた瞬間、オーディエンスが叫び出す。空気が縦に揺れる。
刻まれていた光が、線になって空中になにかを探すようにグルグルと回る。
345がまた力強くベースを弾く。スネアの振動が突き上げ、アルペジオのリフレインが狂いだす。
音が人を巻き込み、腕を挙げ叫ばせる。ストロボが悲鳴をあげた。DISCO FLIGHT。
悲劇的のほど盲信的で孤独な世界の真ん中で、TKは。
「イカレタ僕はね 世界と消えるの」
Re:automationが突き刺すのは、0.5秒で書き換えられ続ける世界。
パノラマの記憶が、抽象的な風景の記憶が、現れては流されて行く。
感情が引き裂かれて、溢れているのが止まらないのに。どこまでも突き刺さる。
引き散れたフィルムのように狂雑にヴィジョンが走り出す。
それらは全部が悲しくて、どうしようもない刹那のサウンドスケープ。
「悲しそうなディレイの上で 楽しそうに歌わないで」
空間が、泣いている。
「君が見てた僕の色は 君が見せた僕の色は」
a 7days wonder。幾何学的なうねりが、青く冷たい熱を帯びる。タイトなリズムにディストーションで歪んだリフが接する。
345とTKの、どこか作業的なコーラスの掛け合いが響く。灰色の疾走、ルートの喪失。ライティングに浮かぶセカイ。
強烈な悲しみのアルペジオ、殺人的な超絶タッピング、テクニカルであり続けることに、一つの凛として時雨の答えを導き出したThis is is this?。
凄まじい音圧と陰に見える傍観。
Sadistic Summerから叩き込まれる想像のSecurity。ライブハウスの叩き上げで色を覚えていった曲が解放されたようにドラマチックに響く。
「鮮やかなクラクション 君が鳴らしてた」
唐突に叫ばれた言葉。
導く以前に凛として時雨は凛として時雨であったんだって言われている気がしたのは、このツアー唯一この会場でのみ演奏された、鮮やかな殺人。
このバンドのすべての初期衝動がこの曲に詰め込まれている。
テレキャスターに刻まれる不規則なリフ、重なる冷たさ、切なさ、残酷さ。予定調和では生み出せないこの狂った熱を、いつまでも感じていたい。
リフレインに沈む記憶が、音の波紋を広げて生々しく放たれる。
浮遊したまま戻れなくなる。肌が海岸の風を感じ、視線が広がる光を追うように宙を泳いだ。TKが叫ぶように囁く。secret cm。
イメージされた世界が繋がっていく、Tremolo + A。
「ほら、目の前で消えた」
このバンドの作り出す儚さと美しさが融合して、映し出されたエモーションの歪にまた見えない未知の美しさを求めてしまう。
膨らんでゆくスケール感、音色とリリックの叙情。ノスタルジックに夢を見せる。
この日演奏されたシークレットGは、特別にTKがガットギターを使ってのアレンジ。前半を弾き語りの形でTKが歌い、後半からバンドアンサンブルへと回帰していく。
TKの柔らかな鋭利さを孕む歌声に、ガットギターの音色がノスタルジックでメランコリックな情景が浮かばせる。
「エレクトリックレス 君は無表情」
ふいにこの曲に描いたシニカルさが浮かんだ。
緊張の空気がエスケープされ、自由すぎるピエール中野のMC&破壊的ドラムソロ、恐ろしくテクニカル。完全に湧き上がるオーディエンス。
アンコールは全力で攻撃的な凛として時雨。キラーチューンが止まらない。
「妄想に入り込んだ僕を見つけてよ」
345とTKの掛け合いに僕らは両手を広げて叫ぶ。JPOP Xfile。
「君のせいで歪んだ僕に異常な世界は」
至福の轟音に巻き込まれた調和が生み出すカオス・緩急の狂騒に空間は壊れる。Telecastic fake show。
「響くリズム 殺されそう」
殺人的・暴力的に踏み込まれるバスドラ、狂い無く狂い続けるフィル、残像に消えるスティック。nakano kill you。
クライマックスに向かう閃光のような強烈なバンドの響きに20分前まで品のあった客達はもう完全に壊れて両手を挙げ、頭を振り、興奮して体をリズムに泳がせていた。
激しさと穏やかさが移り変わるa symmetry。
胸を締め付けるTKの心の闇が見えてくるようで、それは叫びだった。
「形をなくした何が欲しい?」
ノイズの圧力は、TK、北嶋徹の抱え込む心を裂くようなせつなさの断片。
深い、海の底へ沈まれる24REVERSEからリバーヴに乗って響いたmib126。今ツアーで凛として時雨としては珍しく「傍観」ではなく演奏されたjust A momentのラストナンバー。
a symmetryから繋がるセカイ。
「あと少しだけこの眼に悲鳴に似た歌を望むなら」
凛として時雨というバンドの世界に、この異色の鬼才はなにを見出して来たのだろうか。
柔らかな囁きだった声が次第に怒りに満ちた絶叫になり、ホール全体に響き渡って、そのリフレインされたものはやっぱり僕の胸に突き刺さっていく。
シャウトされた言葉の裏に払拭したい時間が、見え始めた未来が、望まれない期待が、「それらが自分を作り上げてきた現実」が、TKの持つ絶望が、無数に突き刺さってしまう。
ホールツアーは時雨にとってはやはり、通るべき道の一つだった。
この世界を正面から受け、釘付けにされるべきだった。
どこまでもテクニック主義な演奏で構築美すら脱却された曲の真意が、少しずつ露呈され、提示されていた。
それはとても無機質な感情を生み出してきた彼らが見せる人間らしさ、有機的な温度。
シークレットGの演奏前に珍しく喋ったTKのコメントにあった「地震」という出来事に対する想いだけでなく、聞き手に曲の新たな意味を発見させるようなものですらあった。
それはまるで凍っていた感情が溶け出す瞬間のよう。
あんなにも絶望的な音楽なのに、悲劇的な世界なのに、そこに希望が見えてしまう。
既存を乗り越えるために新しい意味を提示する、それが音楽がアートであるための意義なんだと思う。
345の物販でMCでも告知されたようにこの先凛として時雨は秋に対バンツアーを行い、直後にそのままワンマンツアーを行う。
会場は久しぶりにかなりキャパの小さいライブハウスツアー。タイトルは「αβ+1」。なんて意味深。素敵。
現段階で発表された日程には+1の要素は感じられないし、I was musicツアーでツアーファイナルとしてさいたまスーパーアリーナが突如発表されたような展開に期待している人は少なくないはず。
さらにVIRGINを無事に卒業した僕たちに、バンドはまた新しい作品を見せてくれることも大いに期待したいです。
今回のツアーを眺めて、凛として時雨って音楽が少しだけ見えた気がした。
凛として時雨 TOUR 2011 VIRGIN KILLER SUICIDE
2011/07/06 国際フォーラム ホールA
01.illusion is mine
02.I was music
03.DISCO FLIGHT
04.Re:automation
05.a 7days wonder
06.This is is this?
07.sadistic summer
08.想像のSecurity
09.鮮やかな殺人
10.seacret cm
11.Tremolo+A
12.シークレットG
13.JPOP Xfile
14.Telecastic fake show
15.nakano kill you
16.a symmetry
17.24REVERSE
18.mib126
Tremolo + Delay
熱を帯びた肌から全てを拭うようなシャワーを浴びて、濡れたままの髪にタオルを被せながら、ただ暑さを忘れたくて、部屋の明かりを消してベッドの真ん中に顔を臥せ、緩やかに目を瞑る。
布の中を何かを探すように指先をなぞり、そっと手のひらをすぐ横の窓ガラスにあてて、一瞬の冷たさを全身で覚える。
外に見える信号機の青と赤が、力なく閉じた瞼を越えて、ちらちらと神経に突き刺さる。
僕の手のひらの熱が伝わったガラスをまた別の冷たい所を探すために、10センチだけ場所を移す。
少しだけガラス面を押しながら動いた手は、きゅっと摩擦を起こして微かに窓を開けた。
それまでわずかに聞こえていた忙しく過ぎて行く車の音が強くなり、そこに隠れていた電車の音も聞こえてきた。
つめたくて、とても寂しそうな風が控えめに部屋の中へ流れ込んで、シーツに埋めた僕の顔に伝わる。
足元に置いてあるクッションを足の指先で行儀悪く掴み、ぼふっと後頭部に飛ばす。
顔を上げ、乾かしていない髪のせいで湿ったシーツの上に構うことなくクッションを置き、今度は自分からぼふっと顔を突っ込む。
濡れたままの髪の毛が少し気持ち悪く、濡れた肌にあたる風は、誰かの寂しさを伝えるように、物憂げだ。
窓を半分だけ開けて、星空を見上げた。
曇っていた。何も見えなかった。
激しい夕立を起こした分厚い雲は、あれからずっとこの街の空の上に留まっていた。
退屈な毎日。
今僕がいるのは、そこかもしれないって思い始めた。
日常に対する恐怖。
逃避したくて、何度も読んだことのある小説を読む。
また涙を流して、虚無に浸る。
輪郭のつかめない世界。
ここから、この場所から離れたい欲求がすさまじい。
自分が自分であることに、僕はもうとっくに飽きているんじゃないだろうか。
世界の存在なんて、もうとっくにどうでもいい。
そんな瞬間がたまにある。
毎日同じ時間に乗るようになった電車。
みんな行列を作っている。
ぎゅうぎゅうの車内、窓に写るたくさんの人々。
キラキラと光る、夜の気配がする女の子の髪を越えて、窓の向こうに背の高いマンションが無限のように流れている。
あのひとつひとつの部屋に、それぞれの人間や家族がいて、ひとりひとりに人生があって
学校があって仕事があって
ときには仕事のない人もいて
とにかくこの世界には、とにかく人間が、とにかく人生が、無限にすれ違い合っている。
こんなにも人間がいるのに、今僕が牛タンを食べたいなんてことには気づいてくれない。
ユニオンジャック柄のワウペダルが欲しいなんてことにも。
全部錯覚なのだろうか。
高く高く連なるあのモルタルの塔も、そこを忙しく行き交う有機体も。
改札を抜けていきなり人々は右へ左へと分かれて進む。
駅前を抜けて、信号を渡って、坂道を下りて、また信号を渡る。
気付けば一人になっていて、信号は赤色に光っていた。
ケータイを開いて、久しぶりにあのメールを見た。
「お元気ですか?誕生日おめでとう。」
毎年、年に一度だけ、誕生日の夜にだけ届くようになった短いメール。
もう何年続くだろう。
お互いにどこで何をしているかもわからないし、お互いに何かを聞くことはもうしなくなった。
ろくに返信をしないままだった。
もう二ヶ月が経つというのに。
「ありがとう。僕は普通です。」
好きだった色も、
好きだった言葉も、
もう、全部忘れかけていた。
あんなに大切だったはずなのに。
紐を変えてみた季節外れなマーチンのブーツ
始発に揺れながら聞くone more time,one more chance
いつも品揃えの悪い水曜日の朝のセブンイレブン
週末をたまに過ごしてくれるイカれた友人
youtubeで見たあの日の津波
サイコロを降って旅行をしているかわいい芸能人
村上春樹のサイン入りエッセイ
ノーマルモードがクリアできないエアーホッケーのアプリ
年に一度だけ、こんな僕に祝いの言葉を世界のどこからか送ってくれるあの人
いろんな日常に心が動かされて、時には憂いて生きているのがつらいなんて言ってみたりして。
現実とバーチャルのあいまいな境界に生きる。
それはとても寂しく、孤独で、恐ろしいほどに甘美だ。
だから恐ろしい。
地球はもうそんな遠くない数億年後に太陽に飲み込まれる。
この銀河系も、この宇宙も、もしかしたら外宇宙も、いつかは無になってしまう。
いつかは無に還る。
僕も、君も、この日常も。
夏のはじまり、そして少しすれば夏の終わり。
自分の未来。世界の行く末。
見えないよ。見えるわけないじゃん。
この素晴らしい世界で生きることはきっとつらいけど、見てるだけで飽きない。
瞬間瞬間が美しいからだと思う。
生まれてきたことの救いだ。
雲が薄くなって月だけがぼんやりと白く光の円を作り出す。
流れ行く車の音が落ち着き、ずっと遠くに人の囁く声が聞こえる。
ベランダに遊びにくる猫は、日に日になんだがずうずうしくなっている。
7月7日の夜の風は冷たく乾いて、ベットにうずくまった僕の湿った肌をすーっと無視して抜けていった。
人生は素晴らしい
ってなんかの映画か漫画で言ってた気がする。
たとえそれがどうしようもなく退屈で満ちていても、怠惰で何も産み出さなくても。
きっと素晴らしいことなんだって。
あの頃の君は、
知っていたのかな。
GOOD LUCK MY WAY
「まだまだ夢は醒めないね」
L'Arc~en~CielのGOOD LUCK MY WAY。
20周年を迎えた彼らの今年初のシングルが先日ついに発売されました。
憂いある七弦のアルペジオから世界が反転したようにディレイの強く効いた地を這う粗くシリアスでへヴィなリフ、一瞬の躊躇いから眠りを覚ますように華やかで色鮮やかで爽やかなストリングスの音色、
何かの合図のように、あるいは何かの鼓動のように刻み駆け上がり弾けるスネアと覚醒され緩急激しくうねりあげるベース。
CDをプレイヤーに入れて、再生を押してからのわずかな瞬間の空白に浮かぶ期待が一気に昇華されるイントロ。
数秒間で音の波が広がる青の世界・自分を先頭に背中へ広がっていく空間・早すぎていつか消えてしまいそうな疾走。
なんて綺麗なポップなんだろうか。
「移り行く世界の片隅で君に会えて嬉しい」
自分の中で既存のなにかと当てはめようとする。新しさは確かに感じるけれど、懐かしさ、回帰的な色を覚える。
READY STEADY GOの速度、DIVE TO BLUEの透明、SHINEの温度、Linkの浮遊。
これまで積み上げてきた、これから積み上げていくストーリーを、一歩ずつ歩いて展開して行くように2ビートのリズムに乗せてhydeが力強く歌う。
「追い風に煽られ 新しい旅が始まる」
この先、このバンドはどんな物語を、どんな夢を僕たちに見せてくれるのだろうか。
そんなオーディエンスの想いがカラフルに広がっていく、ほんとうに素敵な曲だ。
そして恒例のP'UNK-EN-CIEL。
今回はwinter fallのc/wのmetoropolisをリアレンジしたmetropolis -2011-。これがすごく良い。
ラルクの中でも特異を放つメロウキラーチューンだったけれど、そこにサイモン&ガーファンクルのa hazy shade of winterで攻めたこのドハマりっぷり。
もともとkenの作り出すメロディはどこか古臭いメロウ感があって(特に~true期)、60sの平坦な空気にシニカルな切なさがこの曲の哀愁感をがっつり引き出してる。今までのパンクの中でも一番のアレンジかもしれない。
夏の憂鬱 [SEA IN BLOOD 2007]以降何かモチーフを合わせたアレンジが多様されるのも、バンドの感性やルーツとバンド自体が一体化していくよう興味深いし、HONEY 2007や花葬 平成十七年みたいにラルクの曲をラルクがぶち壊していく感じが楽しくて仕方ないです。
自由への招待のリリース時、c/wがmilky wayでしかもメンバーのパートチェンジバンドによるカヴァー!!!!って見た時に悶えるほどワクワクしたあの感覚が今でも続いてる。
今年はラルクの新曲同様、P'UNK-EN-CIELの新曲もたくさん聞けるといいなと、今年後半のリリースにもしっかり期待を寄せられるシングルじゃないんでしょーか。
新しい文明開化
アルバム「大発見」発売まであとわずかな東京事変の先行公開曲「新しい文明開化」。
東京メトロのCMでシングル「空が鳴っている/女の子は誰でも」が発売された頃から流れていた曲で、先週からフルサイズのPVと音源が公開されていたんですが、アルバムまであと間もないんで聞くかどうかずっとずっと迷っていたところ、今日たまたま寄った店で不意討ちでPV流れてるのを見てしまったんで開き直って聞きました。
もう、こんなにもこのバンドの「今」のモードを感じさせてくれる曲があるのかと。
音楽から放たれるエネルギーがものすごい。
ビートに刻まれるトリッキーなリフとゴリゴリのベース音、椎名林檎の歌声が肌を掴みとるように感覚を震わせる。
90年代を全力で生き抜いたミュージシャンが2011年の「今」にこんなエモーショナルな音楽をまだまだ生み出し続けるその営み。想像なんてできない。すごすぎる。
「電波通信」で浮き上がった伊澤の新しい世界観がしっかりバンドのフィルターを介して気持ちよすぎるほど消化されている。
このバンドには個や社会情勢に絡んだ背景的な問題が最近数多くありすぎたけれど、そんなのはまったく問題なくて、すべての前提はあくまでも「東京事変」として前作「スポーツ」だったり、それを体現したウルトラCツアーを越えてバンドとしてキャリアあるスペシャリスト集団として、または個人個人がプロフェッショナルとしてどうあり続けようとしたか?そこにある。
そしてその答えがこの音楽にしか絶対に存在しない。
伊澤めちゃくちゃいい曲書けるんじゃないか。
所々「スポーツ」や「娯楽」、または「本能」だったりのコンセプチュアルアートを感じさせながらもバンドメンバーが完全に逝って逝って壊れまくってるミュージックビデオも最高すぎます。
アルバムまであと9日。
新しい東京事変、いよいよ見えてきた。
http://www.youtube.com/watch?v=ltFpTqK7j-U&sns=em






