想田和弘によるドキュメンタリー作品

ドキュメンタリーって、下手なフィクション作品よりよっぽど面白い

彼のモザイクかけず、音声加工もせず、ナレーションなし、バックミュージックなしの撮影手法は共感できるし、特にこの作品に関しては大事なことだったと思う

モザイクと音声加工がないことで、カメラのレンズの向こうに映っている人達の姿が、歪められることなく見えてくる
患者として「他者」としてでなく、自分や周囲の延長線上に

患者側からも正常者に対してカーテンを引いてしまうと言っていたけど
レッテルとは、他人に対して貼ると同時に、知らず知らずの内に自分自身に対してさえも貼ってしまっているんだと気づかされる

そして、むしろ自分自身に対して貼りつけたレッテルの方が、取り除くことが困難だ

正常って何だろう、健常者って何だろう

そんなものどこにも存在し得ない
人は皆、どこかしら異常で その事に自覚的であるべきなんだろう

メディアを見ていると、犯罪や事件が次々と報道され罪を犯した人の事情なんて知る前からほとんど自動的に悪だと裁いているけど
本当は「異常」と認識されるものが何故(実際的且つ概念的に)生まれなければならなかったのか
個々の事象を裁くだけじゃなくて、社会に人間自身の内部にある問題に目を向ける方がきっと生産的

何故、人にとって、生きるってこんなにもしんどいんだろうね


病院に通う人達の作った詩は、心臓に刺さった