オニールによる戯曲を、とりあえず翻訳で。
これは彼の最高傑作であると言われている作品で、自伝的なもの。

父:ブロードウェイの役者。非常にケチだが、土地を買い漁っている。役者として成功したかったが、若いころの当たり役にしがみついたせいで役者人生を台無しにしてしまった事を悔いている。

母:自分が夫について巡業に行っていた際に、置いてきた子供(ユージーン)が兄(ジェイミー)のはしかをうつされて死んでしまったことにたいして自分を責めている。その事や、夫が自分にかまってくれなかった寂しさなどから麻薬中毒になってしまっている。麻薬の力で、結婚する前の「幸せ」な過去の幻想の中に戻ろうとしている。

ジェイミー:長男。父のつてで役者をやっている。父とはいがみあっている。エドマンドに詩や文学、更にお酒や女を教えた。

エドマンド:母は死んだユージーンの代わりにエドマンドを生んだ。しかし、彼が生まれた後から薬を始めたことから、「生まれてこなければ」などと言われる。船乗りとして生活していたこともある。詩人でもある。肺結核にかかっていて、入院しなければならない。

という家族構成で、舞台はこのタイロン家。ある日の昼から深夜にかけての物語。
オニールはここではエドマンドらしい。

それぞれが胸に抱える、他人とは決して共有し得ない痛みの物語であるように感じた。
夜にかけて、それぞれが自分の中に抱えて押しとどめていたものをお互いに告白するが、それを理解することはできても真に分かち合うことはできないのだろうか。告白することに意義があるのだろうか。
お互いの最も重要な部分すら共有できないのだとしたら、他者と共に生きていくってどうゆうことだろう。
オニールもこの戯曲を書くことにより、自分の中の痛みを他者と共有しようとしたのだろうか(自分の死後50年?は上演しないように、と言ってたらしいけど)

やっぱり、私はオニールが好きだなぁと。
この作品の映画観たい。