イプセン作。1879年。

ヘルメル家の夫トルヴァルと妻ノーラの結婚生活の話。

トルヴァルは、銀行の頭取になる事が決まり、一家は喜びながらクリスマスの準備をする。
そこに、ノーラのかつての友人リンデ夫人がやってくる。仕事を探している彼女の頼みを聞き、ノーラは夫に頼んで銀行でリンデ夫人が事務の仕事ができるようにしてやる。
そのポストは、以前偽造サインで罪に問われたクロクスタを解雇する代わりのものだった。
しかし、ノーラは、トルヴァルが以前病気になった時、海外に療養に行く為のお金をクロクスタから借りていて、その際に保証人のサインを偽造した事でクロクスタから脅される。
ノーラは夫にクロクスタを解雇しないよう頼むが聞き入れてもらえず、クロクスタはトラヴァルに宛て、ノーラの秘密を暴露した手紙を郵便受けに入れる。
トラヴァルはその手紙を読み、ノーラに向かって、お前のせいで自分の名誉が傷つけられる、偽善者、嘘つき、子供を育てる資格もない、などと罵る。
しかしそのすぐ後で改心したクロクスタから謝罪の手紙とノーラの借用書が送られてくる。それを読んだトラヴァルは態度を翻し、今言ったことは気にするな、俺はお前を許したんだ、などと言う。
それを聞いたノーラは、夫にとって自分がどういう存在なのか悟る。そして、自分は今まで父との関係においても自分の意思を持たず、持ったとしても隠し、人形のように可愛がられる存在だった、そして結婚してトラヴァルとの関係でも人形のようだった、これからはトラヴァルと別れて一人で自分自身や社会についてじっくり考える、と告げて家を出る。


面白かった!最後のノーラの決断には共感できるかな、子供は可愛そうだけど。
女性が妻、母の役割を押しつけられ、役割意外の何物でもない「人形」になってしまうのは割と今でもありがちなんじゃないかと思う。それを今から135年前に描いていたのは凄いな。
当時の他の国での演劇状況を知りたい。イプセンはノルウェーの劇作家だけど、ノルウェーの状況とか、イプセン以外にはいたのか、とか。
流石、残ってる作品にはそれだけの力があると感じる。