3月7日にリハーサル(マーラー)が始まり、ハーディングの指揮に初めて出会い、僕はその雰囲気、再生しようとしている音楽にすっかり虜になってしまい、毎日非常にわくわくとした時間を過ごしていました。
そして、本番初日。
あの3月11日でした。
震災の直後で、全貌がまだ掴めない時でしたが、新日本フィルは、その日のコンサートを予定通り開催すると決定しました。
皆、情報を取りつつも、どうなるだろうと、不安な中での演奏でしたが、ホールには100人余りのお客様にいらして頂いておりました。
当日、ハーディングの言葉や態度を見ていて、この若さで、音楽だけでなくこのような時に人としても高いレベルにある人だ・・と強い印象を受けました。
だからこそ、こんなにも素晴らしい音楽が自然に再生出来るんだな・・と。
僕の中でハーディングの存在は更に大きくなりました。
それ以来、ハーディングのインタビューなどがあると全てチェックしたり、雑誌を買ったりしていました。
そしてたった三ヶ月後に、あの日と同じトリフォニーホールで、チャリティーコンサートを開催するために、彼は再び来日したのです。
曲目も同じマーラー。
僕は、このコンサートにも、参加させて頂ける事になり、またハーディングの指揮で演奏出来る事になりました。
この時、トリフォニーホールで開催されたチャリティーは超満員。
不思議な集中力が生まれ、明らかになにかが違う雰囲気でした。
あの時、共にあった、ハーディングと新日本フィルだからこそ出来た、魂の通う演奏!
歴史に残る名演だったと思います。大袈裟でなんかなく。
僕は、一生忘れないと思います。
震災から一年、あの時から今まで、ずっと、まだ不安な気分が残っています。
現実とは思えないほど、悲惨な出来事でしたから。
色々なことが、止めようもなく滑り落ちる力の無さ・・・。
だけど、そんな中だからこそ気づけた事はあります。
相手思いな振る舞い。
どうすれば、それが出来るのか、ハーディングと新日本フィルの皆さんに
お手本を見せてもらった気がしています。
人が本気で感動するのは、そういう事かもしれない。
そう思います。
この新日本フィルのチャリティーコンサートの様子がNHKのドキュメンタリーで放送されるそうです。
以下、新日本フィルさんのホームページから転載させて頂きました。
皆さん、是非ご覧になって下さい。

2011年3月11日、東日本大震災から、まもなく1年を迎えようとしています。
その日を前に、3.11のダニエル・ハーディング&新日本フィル定期演奏会を題材とした特別番組がNHKで放送されることになりました。
震災の日の夜、新日本フィルハーモニー交響楽団は、Music Partner of NJPダニエル・ハーディング指揮による定期演奏会を、予定通り開催しました。収容数1801人のトリフォニーホールには、合計105名の聴衆があつまり、音楽は奏でられました。
その日、初めて地震を経験したダニエル・ハーディングは、3ヶ月後にふたたび同じ指揮台に立つことになります。被災地への支援と祈りを込めて、そして、あの日お聴きいただけなかったすべての人のために。演目は、あの日と同じ、マーラーの交響曲5番。ハーディングがチャリティー・コンサートの開催に寄せたメッセージとインタビューは、多くの反響を呼びました。
番組制作にあたり、あの日の演奏会に立ち会った様々な人の証言が、現在も集められています。ダニエル・ハーディングの証言、オーケストラ・メンバーの証言、コンサートを聴いた聴衆の証言、コンサート運営側の証言。百人百様の3月11日が、そこにはありました。
多くの皆様にご覧いただければ幸いです。
◇東日本大震災関連特別番組 『3月11日のマーラー・交響曲第5番』 放送予定
・2012年 3月 10日(土)23:00~24:00 (NHK総合)




























