食がテーマじゃなくて、単に作品の中に
主人公が食事するたびに、簡単なレシピも一緒に
紹介されているような本などです。
20代の時に立原正秋の何という作品だったか
忘れましたが、それが始まりでした。
一昨年はちょうど池波正太郎にはまっていた年で、
藤枝梅安や、剣客商売と、
池波家の食卓や、ご自身の行きつけの店や
店主との交流が描かれた「食卓の情景
よく読みました。
剣客商売と梅安の作品の中には、よく
食事をするシーンが出ていて、
気に入ったのがあると、真似してよく
作りました。
さて、
今読んでいる本が、こちらの
辛永清の「安閑園の食卓 私の台南物語 」です。
作者の辛さんが子供時代を回想して書き綴った作品です。
安閑園とは、作者が子供時代に暮らしていた
台南の広大な家を指してそう呼んでいます。
安閑園の食卓 私の台南物語
お母さんみたいな温かい方です。
本の中には、私たちの馴染のない、
豚を頭のてっぺんからつま先まですべて使った
料理も紹介されています。
例えば、脳みそや血液です。
それに対して、作者は
「人間に食べられるために一つの生命が失われるのだから、
そのことを思うと肉だけとってあとは捨ててしまうような
もったいないことはできない。」
続いて
「流れ出る血から尻尾のさきまで食べてやることが
犠牲に報いる最良の方法であり、またそういう宗教的な
考え方とは別に、内臓が持っている高い栄養価と、そして
さまざまに調理工夫することで得られる美味には
捨てがたいものがあるのを昔のひとはよく知っていて、
たくさんの料理法が今日まで伝えられてきている。」
と言っています。
なるほど・・・
あまりそういったことを考えたことはありませんでしたが、
その言葉に、頷けるものがありました。
辛さんの、物に対する愛情の深さを感じる言葉の一つです。
全体を通して、温かさを感じる本です。
あと、もう少しで読み終わるのですが、それが
名残惜しくて、残りをゆっくり読んでいます。




















ここから抜きました


