こんにちは。
今回は5月16日~19日の4日間、岡山、広島、福岡、大分の農家さんの巡回でした。
今回は中国物産株式会社の小山専務と一緒に農家さんの飼養管理状況の聞き取り、お悩み相談、アクションプラン提示などさせて頂きました。
なお2日目は太陽油脂株式会社の土手さんと合流し、3人で巡回しました。久しぶりに土手さんにお会いすることができ、ω3脂肪酸カルシウム製剤に関する情報共有をしつつ、どうすれ体高、肉付きともに良い牛さんが仕上がるのかの話で移動中盛り上がっていました。
さて
今回のテーマは褥瘡ケアです。巡回中、とある農家さんで「他牛に乗駕された母牛が立てなくなったのですが、どんなことをすればいいですか」
とのご相談。
血液検査でも筋肉の炎症の数値が跳ね上がり、尾力もなかったので脊椎損傷および筋損傷
が疑われました。なおミネラルの数値は問題ありませんでした。
このような牛さんは、座っている時間が長いため獣医師による投薬の他にできることとして
「褥瘡ケア」
があります。褥瘡とは床ずれとも呼ばれ、長期にわたり同じ大勢で寝たきりなどになってしまった場合、血行が滞り周辺組織が壊死するケースがあります。
今回の牛さんは群から隔離し、コンクリート上で管理されていました。コンクリートの上だと摩擦や体重負担が大きいため
マット(ラバーマットがお勧めです)を敷いてあげたり、ノコクズを敷いて
フカフカにてしてあげるなどのケアが必要になります。マットは自力起立のサポートにもなるので
一石二鳥です。
あとは腰部と胸部の2点を平打ちロープを駆使し、ロック(カウハンガー)して吊起する
ことでシビレがとれて楽になります。
自力起立ができるまで時間がかかるかもしれませんが、妊娠牛なので
無事に立って元気な赤ちゃんを産んでくださいな~~。
シェパード獣医師 笹崎直哉