シェパード中国物産家畜診療所のブログ

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徒然なるままに、牛のこと、エサのこと、農家さんのことを書いていきたいと思います・・・

ごぶさたしております!

今回は岡山と広島と鳥取の3県の各牧場を巡回させていただきました。

やはり・・・移動距離がすさまじいですね(笑)

いつも運転してくれている中国物産の営業マン様には頭が上がりません。

いつもありがとうございます。腰は大事にされてください。

 

さて、今回はいつもとはちょっと違うお悩み相談が多かった印象があります。

「母牛が何頭も下痢をする」

「放牧していた母牛が突然エサを食べなくなって治療してもよくならない」

「人工哺育していた子牛だけが離乳後に下痢をする」

「エサはちゃんと食べるのに子牛の発育が悪い」

「子牛が立て続けに2頭突然死んでしまった」

などなどです。

普段の巡回では、

繁殖成績改善のための相談、エサ・添加剤の質問、疾病予防やさらなる増体に向けて牛群管理法

などについての相談が多いため、今回はあまりされない相談が目立った印象がありました。

それぞれ、原因と思われる事項を探り、対策をいくつか提案してきました。

問題が無事に解決されることを祈るばかりです。

 

鹿児島は結構暖かいのですが、こちらはまだまだしっかりと冬ですね!

牛さんも農家さんも体調を崩されないようご自愛ください。

そして、飼料はまだまだ高いですから少しでも無駄にならないよう、

大切に管理して牛さんに食べさせていただくようお願いいたします★

 

シェパード 戸田克樹

こんにちは。
シェパード獣医師の笹崎です。
今年も早いもので最後の巡回を迎えました。お陰様で特に大きな怪我、病気なく巡回ができました。昨年は新型コロナウイルスの影響で巡回を中断せざるを得ない状況がありましたが、今年は合計12回皆様の農場に足を運ばせていただきました。
本当にありがとうございました。

さて、季節はいよいよ冬本番というところでしょうか。
どの地域も冬になると、大事になってくるのが飼養管理、とりわけ防寒対策です。

防寒対策といっても今回は
子牛にネックウォーマーやジャケットを着させよう!!
とか
子牛用のヒーターをつけよう!!
とか
カーテンを付けて隙間風が入らないようにするぞ!!

などの防寒対策ではなく(もちろん大事ですよ)、、、水やエサの管理について少しお話できたらと思います。

まず水から。
水不足がもたらす弊害の一つに飼料摂取量減少があります。実は哺育期の子牛であっても、飲乳だけではスターターの摂取量を上げることはできません。飲水が非常に重要で、飲水量とスターター摂取量は比例の関係にあります。安易に『冬は寒いから水を飲ませなくていいか』とならないよう注意してください。
もう一つの弊害は「尿石」。飲水不足によって尿石症が増えるということです。これはシンプルに飲水量の不足により尿濃縮が起こることが原因です。
尿道に尿路結石が詰まり、排尿できない
というレベルまでにならずとも陰毛に結石が付着している時点で尿路結石が形成されている証拠ですので注意して観察してくださいね。
ではどうすればよいか。以下ポイントをもとに管理してください。
◎水場をよく洗って清潔にする
◎水温を上げる。牛さんは冷たい水が嫌いです。さらにルーメンが発達してない哺育期子牛はルーメン内発酵による発酵熱を得られないため、すぐお腹を冷やしてしまいます。なので湯を混ぜて水温を上げましょうね(ウォーターカップだと湯を入れるのは難しいので、根本から湯が出るシステムにするのがいいですね)

次にエサのポイント。ここでは①子牛②育成③肥育④母牛に分けて考えます。簡単にまとめますと・・・

①-1 人工哺育子牛→代用乳増量(0.5L~1L程度/ 日)か哺育期間の延長(10~20日程度)

②-2 自然哺育子牛→親牛の配合増量(1kg程度/ 日)か自然哺育期間延長(10~20日程度)

②育成→脂肪酸カルシウム追加(例:サンニード50を30g~50g/ 日)
③肥育→圧ペントウモロコシ追加(500g程度/ 日)

④母牛(妊娠の有無関わらず)→粗飼料増量(乾物として1kg程度/ 日)

 

寒冷ストレスでより多く消耗するのはエネルギーですので今回の狙いはカロリー増量です。

ただ母牛の粗飼料増量はカロリー増量を目的としておらずルーメン内発酵熱の産生促進が狙いです。また粗飼料増量は空腹ストレス(腹ペコストレス)予防にも繋がるので繁殖成績も好転する可能性があります。参考にしてくださいね~。

 

ではまた来年お会いしましょう。

 

(有)シェパード獣医師 笹崎直哉

今回は戸田が中国物産の小山さんと一緒に、中国地方を巡回しました。

訪問先の牧場では似たような悩みはありますが、細かく聞いていくとその状況や原因は異なります。

 

「子牛の下痢で悩んでいる」

哺乳期の下痢なのか離乳後の下痢なのか、コクシジウムなど感染性のものなのか、粗濃比が悪いのか、ひとことに下痢といっても時期や原因は多岐にわたります。

「タネがつかない」

発情が来ないのか、来るけどわかりにくいのか、ちゃんと授精はできるけど受胎しないのか、状況は様々です。

「子牛の発育が悪い」

母牛のミルクが少ないのか、エサの量が少ないのか、離乳が早すぎるのか、慢性的に下痢をしていないか、敷料が薄くて寒冷刺激を強く受けていないか、飼槽や水槽の衛生状況が悪くないか、発育を阻害する環境要因はいくつもあります。

「肥育成績が悪い」

ビタミンAレベルの低下が速すぎないか、前期の腹づくりで失敗していないか、無理な増飼をしていないか、食いどまりの対処法が適切か…。肥育期間は長いため、どの時期が影響しているかを特定するのはなかなか難しいこともあります。

 

悩みをひとつとっても、その問題がある時期や原因は各牧場ごとに大きく異なります。

そして、そこを見つけられないと解決策を練ることもできません。

皆さんの牧場のマイナスな特徴(=問題点、課題)を確実に発見することは課題解決・成績改善の第一歩になりますね。