目頭の内側にあるピンク色の部分。これを涙丘(るいきゅう)といいます。鏡を近くで見たときに気づいて、「自分はこれが見えすぎているのではないか」と不安になる方が少なくありません。

 

検索しても出てくるのは用語の説明ばかりで、どこまでなら自然なのかに答えている記事がほとんどありません。この記事はそこを正面から扱います。

 

結論を先に言うと、涙丘の見え方に「正常値」はありません。まったく見えない方から全部見えている方まで連続していて、どちらも異常ではありません。判断の基準になるのは数値ではなく、左右がそろっているか目全体とつり合っているかの二つです。

 

涙丘とは何か

どこにあり、何をしているのか

涙丘は目頭の内側にある小さなふくらみで、粘膜に覆われているためピンク色に見えます。まぶたの縁がここで終わり、涙の通り道がその近くにあります。目の機能の一部であり、誰にでもあるものです。

 

つまり「涙丘がある」こと自体は当たり前で、問題になるのはそれがどれだけ外から見えているかだけです。

 

なぜ人によって見え方が違うのか

涙丘の前に、蒙古ひだという皮膚のひだが覆いかぶさっています。このひだが厚く深い方は涙丘が隠れ、薄い方は多く見えます。違いは涙丘の大きさではなく、その前にあるひだの量です。

 

日本人を含む東アジアの方はこのひだを持つ割合が高く、そのため涙丘が見えにくい傾向があります。ただしこれは傾向であって、ひだの薄い方も珍しくありません。見えているからおかしい、ということにはなりません。

 

どこまで見えていれば「自然」なのか

見え方は連続していて、境目がない

まったく見えない目から、全体がはっきり見えている目まで、涙丘の見え方は段階なく連続しています。ここから先が多すぎ、という線は引けません。「何割見えていれば正常」という数字を探しても出てこないのはそのためです。

 

代わりに見るのは、左右差とつり合い

実際の相談で問題になるのは、量そのものより左右で違うことです。片方だけ多く見えていると、見る人は理由が分からないまま「何か違う」と感じます。もうひとつは目全体とのつり合いで、目の横幅や二重の形に対して涙丘だけが目立つと、きつい印象や不自然さにつながります。

 

写真で見比べる

文章だけでは自分がどのあたりなのか分かりにくいので、当院では涙丘の見え方を型ごとに分けて並べた記録を残しています。涙丘の見え方を型ごとに分けて並べた記録と見比べると、自分がどの辺りかの見当がつきます。

 

目頭の涙丘露出量の違い 調節前と調節後の比較

涙丘の見え方の違い(左:調節前/右:調節後)

 

見える量が変わるとき

生まれつきの差

ひだの厚みは生まれつき決まっていて、左右で違うこともあります。ひだだけを最小限に開いて、目と目の距離を変えずに涙丘の見え方を整えた例は目と目の距離を変えずに蒙古ひだだけを外した3ヶ月目の記録にあります。

 

目頭切開で変わる

目頭切開は、涙丘の前にあるひだを開く手術です。ひだが減るぶん涙丘は今までより見えるようになります。つまり涙丘が見えるようになること自体は、失敗ではなく手術の結果そのものです。どこまで開くかを決めるのが設計にあたります。

 

手術のあとに「見えすぎ」になる場合

開いた量が多すぎると、涙丘が広く出て目頭が丸く見えたり、目つきの印象そのものが変わったりします。見え方だけでなく目頭の形が変わってしまった例は目頭の形そのものが変わってしまった例をまとめた記録に整理しています。

 

涙丘が広く露出した目頭と調節後の比較 正面

涙丘が広く出た状態と、調節後

 

手術のあと、見え方はいつ落ち着くのか

直後から2週間 — 腫れのぶん多く見える

手術の直後は目頭全体がむくむため、涙丘が実際より前に出て見えます。この時期に「開けすぎたのではないか」と感じる方が最も多いのですが、この段階の見え方は最終形ではありません。

 

1ヶ月から3ヶ月 — 見え方がほぼ決まる

腫れが引くにつれて涙丘は奥に戻り、見える量が落ち着いていきます。多くの場合、3ヶ月ごろの見え方がその後も続く形に近くなります。自分の目がどうなったかを判断するのは、この時期以降が適しています。

 

3ヶ月を過ぎてから — 待っても大きくは変わらない

傷そのものは1年ほどかけて成熟しますが、涙丘の見える量はそこまで大きく変わりません。ひだを開いた量で決まるためです。3ヶ月を過ぎても気になるなら、待つのではなく相談の段階に入ります。

 

見えすぎが気になるとき、何ができるのか

まず確かめること — 左右差なのか、量なのか

対処を考える前に、気になっているのが量そのものなのか、左右の差なのかを分けて見てください。この二つは必要な手術量がまったく違います。量が多いと感じていても、実際には片側だけが目立っているという場合が少なくありません。

 

どのくらい戻せるのか

開いたひだを完全に元どおりにすることはできませんが、涙丘にかぶる部分をつくり直して見える量を減らすことはできます。どの程度変わるのかは涙丘の露出量を調節した目頭切開修正の3ヶ月目で、術前と術後を同じ条件で並べています。

 

涙丘にかぶる部分を再建した目頭 修正前と修正後

涙丘にかぶる部分をつくり直した例

 

左右をそろえることが目的になる場合

量を減らすことより左右をそろえることが目的になる方も多くいます。その場合はどちらに合わせるかを先に決めます。涙丘の量と目頭の形を同時に整えた例は涙丘の露出量と目頭の形を同時に整えた7日目(抜糸直後)にあります。

 

左右で異なる涙丘露出量をそろえた目頭 修正前と修正後

左右の涙丘の見え方をそろえた例

 

涙丘について、よくいただく質問

Q. 涙丘が見えるのは異常ですか。

異常ではありません。涙丘は誰にでもあり、その前にある蒙古ひだの厚みによって見える量が変わるだけです。見えている状態も見えていない状態も、どちらも自然な範囲です。

 

Q. 何割くらい見えていれば普通ですか。

割合で決まる基準はありません。見え方は連続していて境目がないためです。判断するときは量ではなく、左右がそろっているか、目全体とつり合っているかを見ます。

 

Q. 左右で見える量が違います。手術のせいですか。

生まれつき蒙古ひだの厚みが左右で違う方もいるため、手術を受けていなくても差があることは珍しくありません。手術のあとに差が出た場合は、開いた量の左右差によることがあります。

 

Q. 目頭切開をすると必ず涙丘が見えるようになりますか。

ひだを開く手術である以上、今までより見えるようになります。どこまで開くかは設計で決まるため、見え方を抑えたい場合はその希望を手術前に伝えておく必要があります。

 

Q. 一度見えすぎた涙丘は元に戻せますか。

完全に元の状態に戻すことはできませんが、涙丘にかぶる部分をつくり直して見える量を減らすことはできます。どの程度まで可能かは、開いた範囲と残っている皮膚の量によって変わります。

 

涙丘の見え方に正解はありません。気になったときは、量そのものではなく左右がそろっているか目全体とつり合っているかを見てください。同じ角度・同じ明るさで撮った写真を並べると、思っていたより差が小さいこともあります。

 

シウォン整形外科では、手術前の1対1カウンセリングを通して、患者さま一人ひとりに適した手術プランを立て、手術を行っています。

 

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本記事に掲載している手術前・手術後のすべての写真は、韓国の医療法を遵守し、ご本人から事前に同意を得たうえで、客観的な経過確認を目的として掲載しています。

 

回復過程や経過には個人差があり、副作用が生じる可能性もあるため、手術前には医療スタッフとの十分なカウンセリングが必要であることをご案内いたします。

 

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