目の横幅に関係する切開手術(目頭切開、目上切開、目尻切開、タレ目形成)はそれぞれに異なった役割があります。

 

各々の切開は個人が持っている目の解剖学的特性及びに個人差があり、個人のニーズに沿って必要な切開術を選択することになります。

 

今回の症例はタレ目形成のみの単独手術を行ったケースで、これを元に目尻切開とタレ目形成の違いについてご説明いたします。

 

 

 タレ目形成 前

 

タレ目形成 前

 

目が小さく窮屈に見えることがコンプレックスで、目尻切開を受けたものの、未だに小さく窮屈な目つきは解消できていない状態でした。それらの改善を目的にご来院された患者様です。

 

既に目尻切開を受けている状態で、追加で目尻切開を行うよりもタレ目形成を新たに行って、コンプレックスの改善させたい。とのご要望がありました。

 

 

 タレ目形成前の状態チェック

 

タレ目形成前の状態チェック

 

過去に受けた目尻切開の影響で、下眼瞼の傾斜度が直線形態を見せています。下眼瞼の傾斜度が直線形態を見せる場合、窮屈さが増し、全体的に小さく窮屈な目つきに見えてしまいます。

 

つまりは、目尻切開を通して物理的な目の水平瞼裂(横幅、Palpebral horizontal fissure)の長さは増加したとしても、全体的な目のイメージはむしろ窮屈に見えるという逆説的な状況が発生してしまうのです。

 

 

⁂目尻切開手術の後、下眼瞼の傾斜度が直線形態に変わってしまう理由については下の記事でご確認ください。

 

◆目尻切開単独施術時の下眼瞼傾斜度の変化◆

 

 

 

タレ目形成前の状態チェック

 

外眼角の高さ(目尻の高さ)もまた非対称形態で、目尻の高さが異なります。これもまた目を窮屈にみせる原因になります。

 

タレ目形成前の状態チェック

 

合わせて、過去の目尻切開で物理的な目の横幅は増加しましたが、黒目の外側の強膜(白目)露出度が非対称になっています。つまり、両目の横幅が非対称な状態です。

 

上記の三つの理由が全て目を小さく、窮屈に見せる要素として作用しています。

 

⁂目尻切開とタレ目形成はその役割が異なり、内容は以下の通りです。

 

 

目の横幅増加

目尻上げ

目尻下げ

下眼瞼傾斜度

変化

白目の露出度

増加

切開

目尻切開

(横、水平方向)

表切開

(抜糸○)

タレ目形成

(斜め方向)

軽結膜切開

(抜糸☓)

 

そのため、今回のようなケースではタレ目形成を単独で行うよりは、目尻切開の再手術と共にタレ目形成を行うことが必要な状況でしたが、患者様のご要望によりタレ目形成のみで過去の手術後に発生した問題を最大限改善させることを目的にしました。

 

 

 タレ目形成の計画樹立

 

 

 

①目の横幅が異なる点

②外眼角の高さ(目尻の高さ)の非対称

 

目尻切開再手術が必要な状態でしたが、タレ目形成のみをご希望される状態で、上記の問題を最大限補う為にタレ目形成の固定ポイントを一般的な場合よりも側方(外側、lateral direction)に移動させてタレ目形成を行いました。

 

 

 タレ目形成6週目の経過・レビュー

 

タレ目形成6週目の経過・レビュー

 

タレ目形成のみを単独に行い6週が経過した写真です。タレ目形成前と比較した時、窮屈に見えていた目つきが改善され、柔らかく清々しい目つきへと変化しました。

 

タレ目形成の場合、完全切開を通して手術が行われますが、下眼瞼(下まぶた)を裏返した状態で結膜を通して(Transconjunctival)手術が行われるため皮膚の表面には痕跡を残さないというメリットがあります。

 

 

 タレ目形成 前・後

 

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

 

タレ目形成を通して下眼瞼の傾斜度を直線形態から曲線形態へと変化させました。このことで二つの効果を同時に得られます。

 

①下眼瞼の傾斜度が緩やかになり、窮屈としてみえる目つきが柔らかくなります。

②斜めに目を大きくさせることで強膜(白目)の露出度が増加します。これは目をより大きくみせることに影響します。

 

つまり、タレ目形成を通して全体的に柔らかい感じに変化すると同時に目を大きくみせる効果を得られます。

 

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

 

ですが、外眼角の非対称(目尻の高さの非対称)目尻切開で改善が可能になりますのでタレ目形成の前に観察されていた目尻の高さの非対称は改善できていない部分を確認できます。

 

でも、タレ目形成を通して下眼瞼の傾斜度が改善され、過去よりは外眼角の傾斜度の差が視覚的に大きく感じられない付加的な効果は得られます。

 

目の横幅の非対称もまた目尻切開通して改善させられる部分ですので、これも然程改善できていないことが確認できます。

 

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

タレ目形成 前・後(6週目の経過)

 

このように、それぞれの切開はその役割が異なり、目的に合った手術を適切に選択して行うことが重要です。

 

ですが、手術を行う上で何よりも大事なのは患者様のニーズですので、患者様のニーズを最優先に置いた状態で必要な手術の範囲を調整し、手術で改善できる部分と改善できない部分を事前に認識しておくことが大事です。

 

シウォン整形外科は1:1のカウンセリングを通して目の状態を分析した後、患者様のニーズを最大限反映した手術を行っております。

 

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