秋田市には県庁所在地には珍しく町の中に秋田港という名前の道の駅があった。
ここにはセリオンプラザという市の施設が供用されており、高い塔はその名物ともなっている。
何か傾いているようにも見えピサの斜塔を連想させる。
ちょっとなんだかおかしい。
大丈夫かなとも思う。
逆わざと目の錯覚で傾いて見える設計なのか、カメラで写したときにおこる弊害なのかよくわからない。
この塔は海沿いにあるので、南は鳥海山、西には男鹿半島などの遠くからもよく見える。
ここの駐車場に車を置き、このセリオンプラザの方に行くとさっそく秋田名物がお出迎えした。
あのババヘラである。
これはきりたんぽや比内地鶏、稲庭うどんなどの表の名物と違い、ケンミンが秘密とする裏の名物。
かつては外には全く知られていなかったが、2010年代にケンミンSHOWでカミングアウトし、全国的に知られるようになった。
その後もグルメ番組、旅番組でもよく取り上げられる。
自分も5年ほど前に観光地で一回食べたことはあった。
ここは安い。
ババヘラは戦後に進藤冷凍という会社が始めた。
国道わきなどに大きなパラソルとアイス缶を用意して、高齢女性がこれをバラの花も様に見かけを整えて販売する。
夏の繁盛記には高齢者だけでは人手が足りなくなり、若手もアルバイトとしてそれに加わる。
中年女性ならアネヘラ、高校生ならギャルヘラといわれている。
何はともあれ秋田県の夏の風物詩である。
自分も一つ買った。
ソフトクリームではないが、それとガリガリ君とのちょうど中間のような舌触りである。
ほのかな甘い香りもする。
癖がなく成形がシッカリしているので溶けにくくよく味わって食べることができる。
これは秋田県内でしか(一部は県境地域の他県でもある)食べられないので、正真正銘の秋田名物である。
東京での物産展などでこのババヘラを連れてくればよいと思うのだが、見たことはない。
アイスなので長距離の少量運搬には無理があるのだろう。
道の駅にはこのババヘラ人気にあやかった関連商品が売られていた。
これは多分スーパーにもあるだろう。
鹿児島のしろくまアイスはコンビニでも見かけるが、大手メーカーが商権を買い取り一般販売すればすぐに広まる。
ここで食べた昼食は値段の安い海鮮丼。
これはどこにでもある。
これはみそたんぽ。
焼いたきりたんぽに味噌をつける。
秋田県の伝統料理は甘いか辛いかのどちらかなので、これは甘い部類に入る。
きりたんぽも発祥はこれは北部の大舘地方のまたぎ。
比内地鶏や秋田犬と同じである。
稲庭うどんや横手焼きそば、秋田の酒、いぶりガッコは南部横手や湯沢地方。
秋田美人の発祥も小野小町の故郷である同じく横手。
城下町の秋田市街地のものはあまりない。
竿灯や男鹿のなまはげなどの祭りはある。
今回ここはババヘラアイスだけで十分だった。