埼玉県熊谷市といえば暑い町。
真夏の気温の高さを毎年他の市町村と競っている話題をよく耳にする。
関東平野のほぼ中心にあり、海からも遠く離れ、気温が高くなる条件をすべて備えているところだ。
気温40度とはどんな状態かと体験したくて、この日(8月19日)に熊谷市に向かった。
しかし数日前から太平洋高気圧の後退により、暑さが一時的に和らぐ状態であった。
熊谷市北部の利根川河川敷に近いところに道の駅めぬま(妻沼)がある。
しかしここはやはり暑い。
スマホ気象アプリの気温は36度。ちなみの東京では32度。
ここで最近できたばかりの物産センターに入ってみた。
ここでいきなり気が付いたのが、「フライ」という食品。
しかしフライというのはここではなく、隣の市である行田市の名物ではなかったか。
かつて行田に何回か探しに知ったことがあったが、スーパーにはなく、一般レストランのようなところにメニューとして置いてあった。
このフライが行田市だけではなく熊谷市でも食べられていたことを知った。
始まりが1925年(大正14年)というから戦前からあった郷土料理といってもよい物だろう。
またこれとは別に行田にはゼリーフライという郷土料理もある。
これはおからのコロッケで両者は別物である。
名前が似ているので紛らわしい。
そういえばつい先日、超有名芸能人が埼玉のグルメという番組で行田でこのフライとゼリーフライを食べていた。
この両者とも実はあまり有名なものではなく、それ以外の地域ではたとえ埼玉でもほとんど知られていないものである。
その証拠にその時は行田市内のスーパーにも置いてなかった。
この熊谷市内の道の駅で見つけたのでさっそく買ってみた。
なお行田市内には道の駅はない。
見るからにお好み焼き風だ。
確かその時のテレビ番組ではその店の店主が、お好み焼きと違うところは中身の具がないというようなことを言っていた。
単なる水で溶いた小麦粉を焼いたものであると。
見方を買えればクレープにも近い。
ネギはこれを作った業者が自作として付け加えたものだろう。
この地方はネギの本場深谷にも近く、当然熊谷の地元ネギも存在する。
一つ買って車の中で食べた。これは二つに折ってあるが、薄い円盤の小麦粉焼であった。
しかしこの小麦がよいのかまたべつに何か工夫しているのかよくわからないが、そのもちもち感がすごく、やけに中味が濃くて噛み応えのあるものだった。
中に具がない分だけ、小麦粉本来の腰の強さが出ていた。
もともとはこの地方の工場、多分紡績工場の従業員のおやつだったそうなので、簡易なものだったのだろう。
またここのソースもおいしく、この地方を通ったときには、腹が減っていたらまた食べてみたいと思うものであった。