以前から秩父には何回か行った。
ただし有名な12月の夜祭には行っていない。
これは人手が多く、行くのは困難と見たからだ。
最近秩父市に行ったときに行くところは決まっている。
それはウニクス秩父。
グーグルマップタイムラインには航空写真の資料もある。
ウニクスは埼玉県内に多い2階建てのショッピングモールである。
2年くらい前に浦和のイオン浦和美園店(かなり巨大)の近くにヤオコーができたが、今調べてみるとここはウニクス浦和店だったことに気が付いた。
何回も行ったことがあり、ウニクスは意外と身近だった。
くまざわ書店も同様にある。
この駐車場からは秩父の象徴である武甲山も見える。
45年前に初めて秩父に行ったときに山肌を露出しているワイルドな感じの山が前面にそびえたっているが、何故山をこんなにも崩すのだろうと思った。
石灰岩はセメントの材料であり、またアルカリ性の性質を持つので、他の工業材料にも使われている。
ウニクスの駐車場から眺めていると、今は山肌が規則正しく横の筋状になっているので、計画的に崩しているようだ。
石灰岩があるということはこの辺りの地層は非常に古く恐竜時代、あるいはそれ以前の古生代からすでにここがあったと思われる。
ヤオコーの中に入ったが、以前にも行っているので、大体の秩父名物はわかっている。
最初に行ったときには一応全部買ったが、その中で大体自分の好みのものはわかった。
それはまず第一にはセキタという業者が作っているパック入りのそばである。
これは非常においしい。
まず麺が黒く、秩父そばの特徴であるクルミが練りこまれている。
長野県のそばに多い。
そしてゆでてあるのにもかかわらず、腰がしっかりしている。
コンビニなどに売っているソバパックはだいたいべとっとしており、ここまで歯切れがよいものは見かけない。
ただしこのソバパック自体の値段が安いので、そば粉は地物とは思えない。
輸入品のそばでもうまく似せて作ればよいわけだ。
多分地物のそば粉は地元のそば店や道の駅などで出されているだろう。
黒い斑点もばっちりだ。
特にクルミの味がするわけではないが、そば全体に何かの貢献はしているのだろう。
同じセキタの生そばも売っていたが、正直こちらよりパック入りのほうがおいしい気がした。
ここで一つ気が付いた。
上のパック入りには『パックそば』とだけ書いてあるが、下の生そばには『特挽き地そば』と書いてある。
どこがどう違うのかということはよくわからないが、何かが違うことは確かだ。
前に行ったときにもう一つおいしいと思ったものはしゃくし菜である。
自分は白米のご飯はあまり食べないので、漬物はあまり買わない。
今回のしゃくし菜はまだ開封していないが、しゃきっとしておいしかったということだけは覚えているが、それ以上のことは覚えていない。
いつも思うが農林水産省の郷土料理百選に埼玉県代表として何故しゃくし菜が選定されなかったのだろう。
いが饅頭と冷や汁うどんは両者とも県北東部のものであり、バランス上は西部の秩父物があってもよい。
しゃくし菜は典型的な農山村料理であるが、しかし明治時代に中国から伝わってきた外来品種であり、その点ハンディーがあったのだろうか。
秋田県のいぶりがっこと同じような背景がある。
秩父はワインもあり、前には買ったが、しかしこれは甘くて飲みやすく、ジュースのように1日で飲んでしまいそうだ。
ちょっとコストパフォーマンスも悪いのでこれはやめた。
またもう一つ気が付いたことがあった。
秩父名物と名乗っているものは、実は秩父市内ではなく、隣の小鹿野町や皆野町などで生産しているものが多い。
秩父は秩父市周辺の埼玉県西部地域のことを指しているので、秩父名物という表示をしている限り、産地偽装とはならない。
地方の中心地にその周辺のものが集まるのはどこでも同じだ。
その前に岐阜県高山市のように超広域合併をしてしまえば、正真正銘の秩父名物になる。





