大山から国道9号線に降り、倉吉市を過ぎると、道なりでまた高速道路に入る。
しかしこれは山陰自動車道だが無料区間である。
正直、鳥取県内の高速道路はすべて無料である。
いつまでも無料が続いてほしい。
有料になればまた国道9号線に戻ることになる。
高速道路は青谷付近で終わっており、ここでまた国道9号線に戻る。
もう少しで鳥取までの区間が完成するらしい。
さて、この青谷から少し行った所に『神話の里白うさぎ』道の駅がある。
今まではここを通り過ぎるだけであったが、今回はトイレ休憩ということで寄ってみた。
ここには歩道橋で道路をまたいだところに、日本海を眺める展望台があった。
ここから右(東)に鳥取市付近を眺める。
ひときわ目立つのが海の青さ。
いつも書いている島根県の『キララ多岐』道の駅から眺める海の色と同じ。
日本海がこんなに青いとは子供のころにはあまりそうした認識はなかった。
関東付近の太平洋の海や外国の海と比較できるようになって初めて分かった。
日本海は冬の横殴りの雪が叩きつける荒れた海という印象が強いが、夏の日本海は波がなく、濃いブルーの穏やかな海であった。
これがもし東京や大阪の近くにあれば、大勢の人が押し掛ける大リゾート地となることは間違いない。
しかしこの地方は人口が少ない。
行く人はまばらなのである。
サーファーも貸切状態だ。
右(東)の方向を拡大してみると、まずは打ち砕ける白波の向こうに鳥取空港の着陸誘導灯の列が見える。
その誘導灯の先にある横に長い砂のようなものは有名な鳥取砂丘だ。
鳥取と言えば砂丘。
『スタバはなくてもすなばはある』。(しかし今はスタバができた。)
鳥取県出身と答えれば砂丘ですねともう何回言われたかわからない。
いや、それ以外のことを言われたことはない。
これは鳥取県出身者すべてに共通しているだろう。
ここはそう景色が良いというわけではないが、大きな砂浜が砂漠を連想させ、日本にはない物珍しさが多くの観光客を呼んでいる。
確かに緑のない異質の光景である。
この付近の沖合には小さな島がある。
正式名称『鳥取砂丘コナン空港』の沖合にあるこの島は無名である。
しかし釣りには適していると思う。
渡船で渡って釣りをしている人の姿が見えることもある。
有名なのはこの道の駅から左(西)の方向に見える島。
名前は於岐島。
最初のオの字はワープロでの探し方がわからなかったので、資料よりコピー、ペーストしたものだ。
同じ書体で出たので、アメーバのワープロもすごいと思った。
この島は陸地と近く、あの有名な因幡の白兎伝説が残っている所である。
白兎がこの島に渡るためワニ(サメ)をだまして横一列に並ばせ、背中の上を飛んでいた所、ウソがばれてウサギの毛がはぎ取られた。
そこに大国主命がやってきて治療法を教えたということである。
でもこの兎が殺されなかったという所が日本的だ。
ヨーロッパのグリム童話集なら、いっぺんにサメに食われている。
その後に腹の中から出てきたかもしれないが。
中国なら残酷刑だ。
この島にはずっと以前から信仰の対象であったとい鳥居が設けられている。
ここで釣りをする勇気のある人はいないと思う。
これら二つの島も青い海の中にその岩の姿がひと際引き立っていた。









