各地、各県の地産品を全国のスーパーで探すときによく注目してみてみるものは、味噌、醤油、漬物類、牛乳である。
また揚げ豆腐、豆腐、納豆、酒類などもある。
野菜、肉、魚などの生鮮食品についてはどこでもほぼ同じで、輸入品もあふれている。
あと大企業の作る食品工業製品、実はスーパーではこれが大部分だが、あまり地産品とは言いたくない。
江戸時代からある伝統的な食品は日本の田舎、山里に多く残っており、大阪や東京などの大都市にはほとんどない。
いや、それは考え方を変えればこういうことだ。
江戸時代や明治時代は江戸、東京、大阪は文化の中心であった。
そのためここで生まれたものが全国に広まり、日本全体の食文化となってしまい、地産という概念から逸脱して見えにくくなってしまったためだ。
握りずし、てんぷら、すき焼き、きつねうどんなどがそれにあたるか。
いつもの習慣でまず味噌を見た。
あるのはタケヤ、マルコメ、神州一、ハナマルキ、善光寺などの長野県物が大部分。
これは東京と全く変わらない。
しかしそのほかにますや、新庄などの広島もの、そして九州もの、名古屋ものが少し目立つ程度。
大阪の地味噌は発見できなかった。
西京味噌などの京都物はもちろんあるが、大阪の人は昔は京都の味噌でみそ汁を作っていたのか。
醤油は前にも書いたように関西系と言えるものはヒガシマルだけ。
キッコーマン、ヤマサなどの関東千葉県ものも淡口の関西バージョンを作っている。
これも結構多い。
大阪に漬物はあるのか。
関西の伝統地産漬物は京都の漬物か奈良漬け。
牛乳はどこの県でも地産牛乳はあるが、大阪府内に牧場はあるのだろうか。
北部は摂津の山地、南部には金剛山地や和泉山地がある。
牛を飼っているところがあるとしたらここだろう。
泉南乳業というものがあった。
多分源乳は協同組合を通して他県から仕入れていると思う。
牛乳業界は農協、協同組合と大企業の力が強い。
明治、森永、雪印メグミルクは普通にある。
むしろこれが大部分。
その他地産率が比較的高いものとして、豆腐、揚げ豆腐、納豆、酒類があるが、これも大阪ものはほとんど見かけない。
これらは近くに京都、伏見、灘などの超有名産地がある。
またその昔、大阪は作るところではなく、売り買いするところであったしれない。
だが大阪府という枠で見れば、和泉地方には水なすがある。
今は春なので、夏の風物詩でもあるなすが、あるわけはない。
大阪府とは現在の行政上の単位で、食文化的にはこの関西は上方として同一として見てよいと思う。