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週末の詩

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冬の花が咲くこの場所は、風がやけに強くて、空に浮かぶ月のように寡黙だ。僕は花に積もる雪片を右手の人差し指で撫でて、会話を試みるが、どうにもうまくいかなくて、目尻を濡らすばかりだ。


あのどこか伏し目がちな彼女と出会ったのも冬だったことを思い出し、わずかに温度の高まりを覚える。でも、あれだけ好きだった彼女の声も顔も仕草もシナプスには残っていないらしく、雪のように淡く儚く消えてしまった。まあ、今も何処かの季節で息をしていてくれたらなあ、なんて強がってみるけれど、心の疼きは、少なくとも僕自身を誤魔化すことはできない。


冬が感傷をもたらすのか。センチメンタルな気持ちを助長させられるのはいつだってこの季節だ。そんな時期に紡ぐ文章もそれと同じでどこか切ない色をしているような気がする。繊細な機微で綴りだしたものが誰かのなにかになれたら本望だ。それ以上でもそれ以下でもない、ただそれだけ。それだけなんだ。以上。


椎名まじめ