今ではあまり見かけなくなりましたが、
昔は夏祭りの縁日で、「ひよこ」が売っていましたよね。
どんだけ昔だ、というツッコミが入りそうですねエ。
今じゃ動物虐待だ、とか言われるのでなくなっちゃったんでしょうか。
縁日の騒がしくて楽しい非日常、ちょっぴり薄暗いあやしい光の下に、
ぴよぴよぴよぴよ声がする。
なんとなく気になって見に行くと、それがいけない。
かわいいまっ黄色の(それこそもっと昔には赤とか紫に着色されていたっていう話です)
ひよこが箱の中で鳴いている。
おじさんが
「メスだから、毎日卵を産むよ、たのしいよ、餌もおまけにつけちゃうよー」
なんて言葉巧みに誘ってくる。
手のひらに乗せられたりしたら、もうダメです。
ほわほわの手触りと「ぴよ!ぴよ!」
と思った以上に大きな声でなくひよこ。それは「お願い!連れて行って!」って聞こえちゃう。
かくして親の猛反対を涙と笑顔で押し通し、ひよこをゲットしてしまうのです。
なんでこんなにひよこについて、長々と書き連ねたかと申しますと、
これは大変にアカンボに似ているのでございます。
生まれたなりは可愛くて、暖かくてほわほわで、
「しっかり面倒見てー!じゃないと死んじゃうよー!」
と弱々しくも脅迫的に泣いてきたりしますね。
で、ひよこもそうですが、ウチのアカンボも、みんなオス。
卵なんかうみません。
役に立つこともあんまりないような気がする。
トキをつくって大声で主張して、態度もサイズもでかくなる。
ひよこの時は、小さくてかわいかったのよー、という言訳ももはや聞きません。
結局、前述のひよこ「自称メス」は、
秋には立派なとさかが出てきて凶暴化&巨大化した白色レグホンに育ち、
とうとう家では手におえず(室内で飼っていましたから…)
小学校の鶏小屋へ押し込んできてしまいました。
後日、そっと様子を見に行くと、
あっという間に彼はボスの座に君臨したようです。
鶏小屋の中にはかわいらしいチャボが数羽しかいませんでしたからね…。
我が家のひよこは四羽、そうです、私が「アカンボってやっぱりかわいーなー」
なんてうかうかと考えていた結果です。
さすがにこれ以上は贅沢だという訳で、現在アカンボはいないのですが、
次々ととさかがでてくる!! 毛深くなる!! 縄張り確保のためにトキを作って声がでかい!!
なにせ体が巨大化してきてうっとうしい!!
あー、これは本当にひよこのときと一緒。
そのうち、手に負えないから、とよそ様のおうちへ押し込むことにならなければ良いが、
と少しだけ不安なママなのでした。