獲物を狙う | shell studio

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川遊びが大ブームとなっている我が家、今日も六年生が山盛りでやってきました。
自転車を片付けるのもそこそこに、我先に川へ飛び込んでいきます。
我が家のすぐ裏が川なんですよ、深いところで水深1mほどかな?

このブームには理由があるんです。

実はこの川では「ゴリ」という小魚が素手で獲れまして、もちろんウグイや鮎もおりますが、それは釣竿でしとめる獲物。
釣りは誰か手ほどきしてくれる人がいないと、子どもたちにはちょっと手出ししにくいジャンルのようです。

ゴリはたもと水中眼鏡があれば、ちょっとしたコツで獲れるようになります。
小さな魚ですが、から揚げにするとなかなか美味。
少し大きめのものは珍味としても珍重されています。
今まではゲームばかりで見向きもしなかった川遊び、
この「ゴリが獲れる」の一点で子どもたちはもう夢中です!

小学生でも、低学年の子らには、この遊びにはピンとこない。
なかなか獲れないことと、獲れても美味しいと思えないから。
川の流れもまだ怖いんですね。

川魚独特の香りのあるゴリの味が分かるようになるのも、どうやら12歳くらいのよう。

自分たちで捕まえた魚を、おやつとして食べる醍醐味は、子どもたちの心をわしづかみにしたようです。そして、川での動きがいい、魚がたくさん獲れる子どもは一目置かれます。
身体の大きさや、勉強のでき不出来とは関係ないところで、いいところが見つかるんです。

「お前、すごいな」
「お前もな」

お互いの健闘をたたえつつ、揚げたての魚をほおばる喜び。
キッチンでビチビチはねる小魚をから揚げにしている私に、
「ありがとうございます!!」とすがすがしい挨拶。

六年生たちの声は川の音に負けないよう、
知らず知らずのうちにとても大きくなっています。
ハツラツとして美しい、はりのある声。

身体の能力を限界まで使った時の心地よい疲れ、獲物を追う集中力、無心。
川の流れに身を任す、大自然への恐れ、非力な自分に気づくこと。
水の中の浮遊感、景色。

こういったものが、子どもたちの心をきれいに洗ってくれたように思えます。
もちろん、こういうことは大人にも同じことですよね。

たまには私も川に入ろうかなーなんて年甲斐もなく思った夏の日の午後でした。