弁護士 渡辺 久の法律ブログ -37ページ目

弁護士 渡辺 久の法律ブログ

・ 一般企業法務 ・ 金融法務(含むデリバティブ被害) ・ 事業再生・債務整理 ・ 不動産法務 ・ 病医院経営に関する法律問題
・ 一般民事事件 ・ 労働法務 ・ 相続事件 ・ 家事事件 等に関するブログをかいています!

  

  今回は,定期借家契約において再契約の予約を行う場合の注意点について考えてみたいと思います。



  まず,定期借家契約における再契約とは何か,そして再契約の予約とは何かについて説明します。



1 定期借家契約における再契約について



   定期借家契約は更新がない契約であり,賃貸借期間が満了すると賃貸借契約は終了するのが原則です。しかし,定期借家契約においても「再契約」することは可能であり,再契約を何度も行うことによって,実質的に賃貸借期間を長期にすることが可能です。


2 定期借家契約における再契約の予約について

   

   貸主は,好ましい借家人に対しては,長期間にわたって賃貸したいという希望を持つのが通常です。その場合には,賃貸期間を10年とか20年などと長期にすればよいのですが,2,3年ごとに賃料を見直したいなどの貸主の利益や長期間の拘束を嫌う借家人の意向から,賃貸借期間は2年や3年といった短期にするのが通常で,2,3年の定期借家契約を再契約により繰り返すことで実質的に長期間の契約にするといった手法がとられています。

   

   しかし,定期借家契約の期間をこのように短くすると,借家人には,2,3年後に出ていかなければならないのではないかとの不安が生じやすく,これによりなかなか借り手が見つからないという状況に陥ります。


そこで,このような借家人の不安を取り除くための手法として,「再契約の予約」という方法がとられる場合があります。



再契約の予約とは,当初の定期借家契約を締結する際,あらかじめ当該契約の終了後に再度同様の契約を結ぶ旨を予約しておくものです。


再契約の予約をすることで,借家人にとっては,当初の契約が満了しても,引き続き同じ契約を締結できるという安心感が生まれます。


また,貸主にとっても,再契約をする場合に条件を設定しておけば,貸主にとって好ましくない借家人等に対しては,当初の契約期間が終了した時点で再契約を拒絶することができるというメリットがあります。


定期借家契約における再契約の予約には,①再契約事由を列挙してその事由に該当する場合に限り再契約に応じるとするタイプや②再契約拒否事由に該当した場合は再契約に応じないとするタイプなどいくつかの類型があるようです。



   (続く)