平成25年1月24日、平成25年度税制改正大綱が発表されました。
これには、①基礎控除の引き下げ、②税率構造の見直しなど、相続税の増税に向けての方策が
示されています。
基礎控除の引き下げにより、今までは相続税を支払う必要のない方々も、改正後には相続税の
納付を余儀なくされる場合が生じてきます。
また、税率構造の見直しにより、課税標準が2億円以上となる資産をお持ちの富裕層の方々に
は、今まで以上の多額の相続税負担が課されることになります。
大綱で示された内容によれば、例えば10億円の資産を保有する資産家(妻1人、子2人)が亡
くなった場合、相続税はどうなるでしょうか。ざっくり計算すると以下のとおりとなります(配偶者が
2分の1を、子2人が4分の1ずつを相続するとします)。
妻が取得する財産の課税価格は、10億円から基礎控除である3000万円+600万円×法定相
続人の人数(3人)=4800万円を控除した残額の9億5200万円の半分である4億7600万円
となり、子についてはそれぞれ、その半分の2億3800万円となります。妻の場合、法定相続分
以下の財産取得には相続税はかかりませんから、子2人に対する課税のみとなります。
子の課税価格は、2億3800万円ですから、大綱に示された税率によれば、相続税額は、2億3
800万円×45%-2700万円=8010万円となります。
また、今後、妻が亡くなれば、子らには重い相続税負担が再度のしかかってきます。
したがって、多額の資産を有する富裕層の方々にとって、相続対策が今後ますます重要になりま
す。
相続対策としては、①相続税額を引き下げるための対策と②相続税支払い資金を確保するため
の対策の2通りがあります。
多額の資産を有する富裕層の方々の場合、前述のように、納付すべき相続税額も多額に及びま
すので、相続税額を引き下げるための対策に加え、相続税支払い資金を確保するための対策も
極めて重要となります。
相続税支払い資金を確保するための対策としては、①生命保険への加入や②死亡退職金等が
考えられますが、それ以外にも、相続税精算課税制度を利用して、収益物件を早い段階で子に贈
与して、相続税支払い資金を蓄積させる方法もあります。
詳細は次回にご説明します。