武士道/新渡戸 稲造 | ブログ

ブログ

保存用

おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
↓↓↓
著者 : 新渡戸稲造
三笠書房
発売日 : 1997-07










【出会い】
ブックオフ音更店で出会いました。


【本書紹介のねらい】
~Amazonより~
いま人は何を考え、どう生きればいいのか。

・「勇」――いかにして肚を錬磨するか
・「仁」――人の上に立つ条件とは何か
・「礼」――人とともに喜び、人とともに泣けるか
・「誠」――なぜ「武士に二言はない」のか
・「名誉」――苦痛と試練に耐えるために

本書は、強靱な精神力を生んだ武士道の本質を見事に解き明かしている。
武士は何を学び、どう己を磨いたか。日本人の精神の基盤がここにある。英文で書かれ、欧米人に大反響を巻き起こした最高の名著が、新装版で登場!


経営者、中間管理職、平社員、役職など関係なくすべての人の生き方を考えてみよう。



【響いた抜粋と学び】
著者の新渡戸稲造さんは札幌農学校で学んだ後、アメリカ、ドイツで農政学等を研究。帰国後は札幌学校教授、京都帝大教授、第一高等学校長、東京帝大教授、東京女子大学長を務め、青年の教育に情熱を注いだ。1933年、カナダのビクトリアで病没しています。以前の5千円札の人物でした。

訳者の奈良本辰也さんは1938年、京都大学文学部国史専攻卒業。歴史家としてユニークな幕末・明治維新論を展開する一方、洒脱な随筆や人物評伝でも高い評価を得ています(執筆当時)。

勇気は、義によって発動されるのでなければ、徳行の中に数えられる価値はないとされた、あらゆる種類の危険を冒し、生命を賭して死地に臨むこと―これはしばしば勇猛と同一視され、武器をもつことを職業とする者にあっては、そのような向う見ずの行為が不当に賞賛されている、しかし、武士道の教えるところはこれと異なる、死に値しないことのために死ぬことは「犬死」とされた。

勇気を振り絞る、勇気を出す、これらの行動の根源には「義」があるかどうか、というところですね。あなたがこれから新たなにやろうとすることは何でしょうか? そこにはどのような目的、大義があるのでしょうか?

せっかくの勇気、一歩踏み出すことも、「義」がなければ、無駄に終わってしまう可能性があるかもしれませんね。

仁は、やさしく、母のような徳である、高潔な義と、厳格な正義を、特に男性的であるとするならば、慈愛は女性的な性質であるやさしさと諭す力を備えている。

「武士の情け」すなわち武士の優しさは私たちの内にも存在するある種の高潔なものに訴える響きをもっている、サムライの慈悲が盲目的衝動ではなく、正義に対する適切な配慮を認めているということを意味している。


相手を一方的に”恋する”感覚ではなくて、おおらかにすべて包み込める”愛”ということですかね。ということは、それだけの人間力を兼ね備えないといけないということでしょうか。

「真実を語ることと、礼儀正しいこと、どちらが大切か」という質問に対して、日本人はアメリカ人と正反対の答をする、といわれている、しかしながらこのことについては、私は正直さと誠実さについて語るまで、その批評をさし控えておくこととする。

事例としては、贈り物に対しての言葉が挙げられていました。欧米の人は
「これは素晴らしいあなたにふさわしいものです」
と贈るものとあなたを賞賛します。

一方で日本では
「つまらないものですが……」
とあなたのような素晴らしい方には何を差し上げてもふさわしいものはないと思いますが……ということで話します。

そのどちらが正しいというわけではなく、どちらも相手を想ってのことだ、ということですね。

もし名誉や名声が得られるならば、生命自体は安いものだとさえ思われていた、したがって生命より大切とする根拠が示されれば、生命はいつでも心静かに、かつその場で棄てられたのである、どのような生命の犠牲を払っても高価にすぎる、と思われるものの中に忠義がある、それは封建制度の中野かずかずの徳を結びつけ、均衡のとれたアーチとする要石である。

武士道においては、一族の利害とその個々の成員の利害は一体不可分であるとする、武士道はこの利害を愛情、すなわち自然で、本能にもとづくもので、かつ他の者がとってかわることができないもので結びつけた。


この感覚は現代日本では失われつつあるかな、と感じます。欧米諸国の流れが着実に根付いており、「家」単位から「個人」となっております。それが成熟社会といえばそれまでかもしれませんが……。

武士道は適切な刀の使用を強調し、不当不正な使用に対しては厳しく非難し、かつそれを忌み嫌った、やたらと刀を振りまわす者は、むしろ卑怯者か、虚勢をはる者とされた、沈着冷静な人物は、刀を用いるべきときはどのような場合であるかを知っている、そしてそのような機会はじつのところ、ごく稀にしかやってこないのである。

現代では「刀」というのは権力であったり、地位、知識・技術に置き換えられるのかもしれませんね。やたらと権力、地位、知識・技術を振りまわす人は卑怯者や虚勢をはる者とされるかもしれません。

介護現場においても、あなた自身がそれらを持ち合わせているならば、やたらと振り回さず、どのような場面で使うのかを知っておくこと、その刀はしっかりと胸にしまっておくことをおすすめします。


【編集後記】
本日から1月3日まで年末年始の休みをいただいております。家族との時間に充てたいと思っています。
※ あかりデイサービスは12月29日まで営業しております。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

コメントは自由制です。一見さんも読者も大歓迎です。
返信は24時間以内にいたします。
※心無い非難・誹謗・中傷等は削除させていただきます。

著者 : 新渡戸稲造
三笠書房
発売日 : 1997-07