余命一年 落語家になる ~楽しいことはラクなこと~ /天神亭楽々+テレビ朝日取材班 | ブログ

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こんにちは。岡本大輔です。
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ぶんか社
発売日 : 2009-12-01









【出会い】
帯広図書館の特設コーナーで出会いました。


【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
もし「身近にがんで余命を宣告された人がいるのなら、少しでも長い時間を一緒に過ごしてほしい、彼女とご家族の過ごし方を見て、残り時間が分かっているからこそつくれる関係というものを見つめ直してもらえたら、と思っています。

だれにとっても、明日のことは分からない、交通事故に遭って、ある日突然、命を失うことだってある、でも、私の場合、余命を教えてもらったおかげで、幸運にも残りの人生をどう生きるか、じっくり考える時間を与えられた、余命宣告は、いかに悔いのない余命を生きるかを考える出発点となった。






【響いた抜粋と学び】
著者の天神亭楽々(街道徳尾)さんは広告代理店などでデザイナーとして働いていたが、十二指腸およびすい臓にがんが見つかり、2007年8月に「余命一年」と宣告されます。余命宣告後に大阪で落語家入門講座に通い、2008年9月よりアマチュア落語家として活動。闘病しながら関西圏を中心に高座に立ちます。

2010年5月19日、惜しまれながらも永眠されました。

彼女の生きた軌跡をたどってみましょう。

「結婚して子どもを産んで、温かい家庭を作りたいな」という答えでした、すごくささやかな、小さな小さな夢です、そんな当たり前のこと、そんな小さなことさえ「夢」になってしまう、がんという病気、余命宣告という現実の重さを改めて感じました。

ここを読んで胸を打たれましたね。別の箇所でも当時付き合っていた彼氏とのエピソードがありました。
※ 結局のところ、落語のことを一切相談していなかったため、破局となってしまったようです。

けして大きな夢じゃない、誰もが掴み取ることができる夢、それすらも天神亭楽々さんには夢物語になってしまったんですね。

人間の体は、気分によってずいぶん違うのかもしれない、だけど、その「気の持ちよう」、つまり悲観的にならず、明るく前向きな気持ちを持ち続ける難しさを、私は当病中に何度も感じることになった。

自己啓発書などでは気持ちに左右されない、気分に左右されない、ということが書かれています。つまりは人間というのは基本的に気分やそのときんも感情、天候等に左右される生き物なんですね。
現在、結果を残しているトップアスリートや経営者というのは気分に左右されない、という超高等技術を持ち合わせているんですよ。

以前の私なら、迷わず治療を優先し、1日でも、1分1秒でも長く生き長らえたいと思ったはずだ、それが、落語を始めて、生きる長さより、その質を少しでも充実させたいと願うようになっていた。

いままでの私は「ひとりでも生きていける」と強がっていた、でも、病気になって思い知ったのは、家族のありがたさだ、一番身近にいた家族が、こんなにも大切で大きな存在だった、といまさらながら気づいた、人間はひとりでは生きていけない、そんな当たり前で、大事なことを、がんは教えてくれた。

このあたりは”生きる”ということを切実に考えさせてくれますね。もしあなたの命が明日尽きるとしたら……?
ちょっと考えてみてはいかがでしょうか?

外部との接触もなく、1日ベッドで過ごしていると、世界に自分だけが取り残されたような気持ちになってしまうのだ、みんなは会社で、家で、社会とつながって生活をしている、でも私の生活は病院がすべて、看護師さんや先生以外だれとも話さない日だってある。

大学生のときに治験ボランティアというのに参加したことがあります。健康診断と3泊4日を2回することで9万3千円もらったことがあります。
大金をもらえる裏には……病院のベッド上での生活を余儀なくされて、楽しみは3度の食事のみ。入浴は4日のうち一日だけ。終了したあと、外に出た時の解放感と空気のうまさ、これは格別でした。

また、大学4年生のときの実習では知的障がい者施設に実際に泊まり込みました。これも1週間施設にいると、外に出るときの解放感は格別でした。
※ しかし、施設にいるお客様たちはこの生活が当たり前なのです。1週間経っても外に出られるわけではありません。

もし、寿命に十分な余裕があって、当分は生きていける身なら「一時期、髪の毛がなくても」と我慢できたと思う、でも、明日の命の保障さえないいまは、無残な姿をさらさない程度の治療にとどめておきたかった。

これはなんとなく共感できますね。僕たちの仕事でも同じことが言えそうです。余命宣告されていなくても、高齢になり80歳、90歳と年齢を重ねれば、僕たち若い世代に比べれば”死”が隣り合せです。

人生の最終章をどう生きるのか、僕たちがどう支援するのか、というのは大事な問題なのだと思います。


【その他がんや死に関する書籍】
余命1ヶ月の花嫁 [単行本]
ガン再発す [単行本]
死ぬ瞬間―死とその過程について (中公文庫) [文庫]


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ぶんか社
発売日 : 2009-12-01