なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか? /川上 徹也 石附 浩太郎 | ブログ

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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著者 : 川上徹也
日本実業出版社
発売日 : 2013-05-23









【出会い】
帯広図書館の新刊コーナーで出会いました。


【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
この本は1つのお店で、1年のうちに「繁盛店」と「閑古鳥が鳴くお店」、「絶頂」と「どん底」の気持ちを何度も繰り返し味わってきた不思議な店、埜庵の秘密について、石附さんに徹底的に取材して書いた本だ。

真冬限定のかき氷……あなたは想像できますか? かき氷は真夏の暑い日に食べるもの、という常識を見事に覆しました。

あなたも今ある常識にとらわれていて、行動できずにいるんじゃないですか?


【気になった抜粋】
みなに口を酸っぱくしていう言葉が、「だれにでもできる仕事が、実はやる人によっていちばん差が出る」ということ、「考えるクセ」をつけるというのは、やはり今の人にいちばん教えるべきことだと思います。

鎌倉で開業した頃より、スタッフに言い続けてきたのが「来ない人を嘆くより、来てくれた人に感謝しよう」という言葉でした。



【響いた抜粋と学び】
著者の石府さんはかき氷屋「埜庵」の店主です。大学で商品学を学んだ後、音響機器メーカーをへて、脱サラします。2003年、通年営業のかき氷屋「埜庵」を鎌倉にオープンします。2005年移転します。独創的なシロップを使ったかき氷を求めて日本全国からリピーターが訪れ、真冬でも行列ができるほどの人気店なっています。

かき氷の常識を覆した石府さん。そのマインドを頂戴いたしましょう。

飲食を仕事とするには、絶対に気をつけなければいけないことがある、「お客さまに満足していただかないといけない」「コストを回収して利益を上げなければいけない」などというのはもちろんだが、それ以上に気をつけなければいけないことがある、それは衛生や安全の問題だ。

介護業界、介護施設においてはどうだろうか? やはり、同じで
「お客様の満足度向上」
「利益を上げること」
これらは会社が存続する上で大切なところです。そして、同じように衛生面や安全面は介護施設においても大事なところです。

介護施設の場合はこの”安全”の部分と、お客様の”自律(自立)”をどう兼ねあっていくかが鍵となります。

「おいしいものをつくれば、人は来る」という、そんな抽象的な表現に引きずられていても、やはりビジネスは成り立たない、結局、おいしいか、おいしくないかというのは、お客さまが感じることであり、つくり手側が決めることではないわけです。

これはハッとしたところです。介護施設においても
「介護の質を高める」
だとか、
「良質な介護」
なんて言葉が乱立しているように思います。

基本的な知識・技術を高めるのは確かに大事です。その上で、そこから先に上がっていくにはいかにお客様思考でいられるか、ではないでしょうか?

ストーリーを伝えるといっても「うちの店では、ああしています、こうしています」というのを、一方的に情報として押しつけるのは逆効果、「体が冷えなかったのは、何でなんだろう?」というふうに、お客さんのほうに興味を持って問いかけてもらい、それに丁寧に答えていくことで関係性が深まるという。

じゃあ、どうすれば、お客様に伝わるのか……? それは”質問”なんだと思います。お客様の内面に問いかけることです。

お客様自身が何も感じていないところにストーリーを語っても
「は?」
です。

車を買う気がない人、特別要望のない人に車のことを話しても伝わらない。
でも、もし、お客様に
「もっと快適にドライブができるとしたらいいと思いませんか?」
とたずねてみたらどうでしょうか?

そのお客様が今より、もっと快適に運転できる車があったら、どんなに素敵だろう、と考えるかもしれません。

質問せずに、あなたが語りだしてもお客様の心には何も響きません。質問することによって、あなたの言葉を考える姿勢になるのです。

個人でやっている店は、すべての人たちの満足をめざすというより、「その店を必要としてくださるお客さまをつくっていく」ということが重要です、月並みですが、やっぱり「ナンバーワン」ではなくて、「オンリーワン」をめざしていかなければいけないということになります。

いくら「つくる側のブレない心が大事」だといっても、まったく人に相手にされないものをつくっていたのでは、話になりませんからね、そのような中、僕が学んだのは、「お客さまの数より、お客さまの顔こそ、信用できる」ということです。

介護業界で言えば、社会福祉法人や医療法人など大きな組織よりかは、訪問介護や通所介護など単独で行なっている施設が参考になるのではないでしょうか?

または、介護に限らず、ソーシャルメディアを活用してブランディングを考えるあなたに参考になるところです。

大きな施設では大きい分ハード面も整っており、もちろん、人材も豊富です。ということは人海戦術作戦ができるのです。

介護の仕事は人間対人間です。そこには相性があります。小規模施設ではスタッフとお客様との距離が近くなる分、密接な関係になり、アットホームなところが魅力となる一方で、その輪に入れないお客様にとっては苦痛になる可能性があります。

大きな施設では全体を見ると人数が大きいのですが、人数が多いから全員が同じ集まりなのか、というとそうではありません。
あなたが小学校、中学校、高校のときを思い出してもらえばわかりますよね?
40人1クラスだとしても、40人でずっと行動するわけじゃありません。遠足や修学旅行などごく限られたときだけです。
普段遊ぶときなどはせいぜい3,4人です。

10人小規模の施設よりも40人大規模の施設の方がグループが多くできるのです。その中には一人で過ごす人も増えるでしょう。
10人しかいないのに、一人で過ごす人がいると目立ちますが、40人いて、3,4人が一人で過ごしていれば、案外気にならないものじゃないでしょうか?

個人店では、価格は下げられない代わりに、お客さんに対して、商品やサービス以上のプラスαの「何か」を提供するしかない、個人店は、儲けるという発想から、「つぶれない」という考え方にちゃんと乗り変えられたところだけが残っていくのかもしれない、付加価値を提供できて、なおかつお客さんが逃げなければ、「強い」ことだ、だから、個人店は儲かる経営ではなく、「強い経営」をめざすべきなのだろう。

大量のお客さまを呼ぶには、やはり広告や宣伝などコストがかかる、でも、同じ1000人でも、100人に10回来ていただくほうが個人のお店に合っていると思います、「利益」を最大限に上げるというより、「継続」するかたちをつくる。

個人の店というのは、店主の考え方が色濃く出ます、そのポリシーをまわりからいわれたことによってコロコロと変えるよりも、それでも「いい!」というお客さまを増やし、ファンにしていくことが大切なのではないでしょうか。


介護に限らず、個人で働くとなると、やれることはごく限られたものになります。お客様に来て欲しいからといって、なんでもできます! なんて言うと大変なことになります。

先程の抜粋と同じで、小規模になればなるほど、人材は限られたものになります。となると、お客様を絞っていかなければなりません。

介護業界もこれは同じでしょう。

どんな病気の人にも対応します。どんな障がいがあっても大丈夫です。要支援1~要介護5まで大丈夫です。これは確かにそのとおりなんですが、その中でも得意なところが分かれるはずです。

明らかに
「要介護3以上お断り」
なんてことは言えませんが、

スポーツ大会や料理教室に力を入れているので、要支援1~要介護2くらいで、足腰がある程度しっかりしていて自分で歩ける人だとすごく楽しめるところです。

と言えばどうでしょうか?

担当のケアマネジャーも考えますよね。あえてその施設に要介護5の寝たきりのお客様を利用させようなんて思いませんよね。

【編集後記】
本日は仕事が休みです。午前中は次男と公園で遊び、昼は休みの日恒例のホットケーキです!


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著者 : 川上徹也
日本実業出版社
発売日 : 2013-05-23