竹取物語: 現代語訳対照・索引付/大井田晴彦 | ブログ

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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【出会い】
帯広図書館の新刊コーナーに置いてありました。日本の昔話に興味があったのでサッと手に取りました。

【本書紹介のねらい】

昔話は僕たちに何を教えてくれるのか考えてみましょう。


【気になった抜粋】
夜は安眠もできず、月のない闇夜に出てもあちらこちらから覗いては、、垣間見て心を惑わせている、その時から、求婚することを、「よばひ」と言うようになったのである。

「お前ら、よくぞ持って来なかった。龍は雷神の類のものであった。その玉を取ろうとして、多くの人々が殺されかけたのだ。ましてや、龍を捕らえでもしたら、また、あっけなくわしは殺害されていたであろう。よくぞ捕らえずにいてくれた。かぐや姫という大悪党の奴めが人を殺そうとして仕組んだことなのだ。家の近くでさえも、これからは通るまい。お前らも、決して近寄ってはならぬぞ」。

「まずは紙燭をつけて来い。この貝を見よう」とお頭を持ち上げて、御手を広げなさると、燕がたらしておいた古糞を握っていらっしゃるのだった、それをご覧になって、「ああ、貝のないことだ」とおっしゃったことから、期待に違うことを「かひなし」と言うようになったのである。

「長い年月の間に、多くの黄金を賜って、身を変えたように裕福になったのだ。かぐや姫は罪をお作りになったので、このように卑しいお前のもとで、しばらくの間お過ごしになったのだ。その罪業も消え果てたので、こうして迎えに来たのだ」。

【響いた抜粋と学び】
僕たちが子供のころから何度も聴かされたことがある「かぐや姫」。その原型となる「竹取物語」とは僕たち日本人に何を伝えたいのでしょうか?

この翁は、かぐや姫が独身でいるのを嘆かわしく思っているので、高貴な人と結婚させようと思いめぐらすが、しきりに「いやです」と言うことなので、無理強いできないのも、道理である。

竹取物語がどの時期に書かれたものか定かではありませんが、一つ分かっていることがあります。この時代は女性が独身でいることが嘆かわしい時代だということです。きっとこの時代の人たちも女性は(男性も?)結婚をして夫婦手を取り合って生活することがいい、と教えていたのでしょう。

「私の身は、この国の人ではありません、月の都の人なのです。それなのに昔からの契りがあったために、この世界にさんじょうしたのです」。

この時代の人たちの発想の豊かさに僕は驚愕です。夜空に現れる月を見て、ここに人がいる、と想像していたのでしょう。
この時代の人たちは月にどんな神秘を見ていたのだろう、どんな夢を感じたのだろう、何を想像したのだろう。
昔話を読む中で僕はタイムスリップしたかのように、インターネットもテレビもラジオも何もない時代に夜空を見た古代人が何を考えていたのか、想像をめぐらせました。

「月を見ると、世の中が心細くしいみじみと感じられるのです。どうして物を嘆いてなどおりましょうか」と言う。あの月の都の人は、たいそう美しくて、老いるということもなく、物思いもしないのです、そんな所へ去って行きますのも、嬉しくはありません」

かぐや姫が言うには、月の人たちは不老不死でいつまでも美しいのです。それだけを聴くといい事尽くめに感じますが、そうではないのです。地球の人間は生まれて成長し年老いて命を終えるのです。その中で物思い、悩み、苦しみ、葛藤し、喜び、楽しむのです。それが美しい、と僕は感じ取りました。
人が生まれ、死ぬ姿はけっして哀れではなく美しいのです。


お手紙と、不死の薬の壺を、並べて火をつけて燃やすべき旨をお命じになる、その旨を承って、兵士どもを大勢引き連れて山に登ったことにちなんで、その山を「富士の山」とは名付けたのである。

かぐや姫は月の住人に連れて行かれました。別れの際、育ててくれた翁たちにプレゼントをしました。
不老不死の薬です。しかし、翁達は使いませんでした。なぜなら、かぐや姫がいない現実の中で不老不死になっても意味が無いと思ったからです。彼らは病に伏せました。
不老不死が素晴らしいのではないのです。目的や夢をもって生きているから素晴らしいのです。彼らの夢・目標がなくなった今不老不死になっても意味が無いのです。

最終的にその不死の薬を山頂に持っていき、燃やしたのです。それが不死の山……「富士の山」、つまり「富士山」になったのです。勉強になりますね。


【編集後記】

昨夜の介護保険審査会で半年間の任期を終えました。来月からは違う合議対でまた半年間任命を受けました。

喜んでお受けします。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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笠間書院
発売日:2012-11-07