こんにちは。
今回は子供の頃にテレビで見たまんが日本昔ばなしに登場したお話を参考にして人間と自然について考えてみました。
参考にしたお話のタイトルは「汗かき鉄砲」です。
話の概要はこんな感じです。
昔、奈良の山奥に猟師が多く住む里がありました。
最近この里の猟師が八つ裂きにされるという事件が多発していました。
その里には猟の名人がいたのですが、本人は自分の腕に絶対の自信を持っていたので怖れなど微塵も感じていませんでした。
そしてある晩の事です。
その名人は翌日の猟で使う弾を作っていました。
その時、家の外で猫の鳴き声が聞こえました。
名人が戸を開けると、そこには痩せこけた子猫がいました。
猫好きだった名人は家の中へ入れてあげます。
猫が名人の作った弾を転がして遊ぶのを横目に見ながら、翌日の準備を進める名人。
その様子を戸の陰から見つめる目があります。
それは名人の母親でした。
名人が弾を作り終えて、猫をみるともういません。
何処に消えたのでしょうか?
考えてもしょうがないので、猫のことは忘れます。
その時です。
母親が名人に向かい言います。
「あの猫は弾の数を数えていたんだ。明日は守り弾を持っていけ。」
守り弾とは、お経がきざんである弾で、絶対に外れないというものです。
ただし、この弾を使ったら猟師を辞めなければいけないというものでもあります。
「まさかな。」
と思いつつも、名人は母親に言われたとおり守り弾を持って行きました。
名人は猟にはいる前に、いつもの場所で一服します。
すると目の前に夕べの猫が化け猫となって現れました。
名人はすかさず鉄砲を手に取り化け物に向けて撃ちます。
しかし物凄い素早さでかわされてしまいます。
何回撃ってもかわされ、最後の一発を外した時、弾切れである事を知っていた化け物は一気に攻撃体制に入り飛びかかってきました。
その時です。
お守りにいれて持参した守り弾を取り出し撃ち込みました。
外れることが無い弾は当然猫に直撃して猫は死にます。
その後、名人はいい伝えどおり猟師を辞めました。
それから毎年、事件があった時期が来ると、恐怖のあまり鉄砲が汗をかくようになったとの事です。
この物語を表面的に捉えると、悪の化け猫を退治した猟の名人という内容ですが、真の意味は違うと思います。
朝日町ネコ会会長だから猫を庇うわけでもありません。
この場合、猫は自然の化身として現れているのです。
なぜ猫なのか?
それは名人が猫が好きだったから、そこに付け込んで猫の姿で現れただけです。
仮に名人が犬好きだったら、犬の姿で現れたことでしょう。
マタギはダイレクトに自然の恩恵を受けて生計を立てています。
(もちろん全ての人間が自然の恩恵で生きていますが、この話は象徴的な存在のマタギを用いているのです。)
この場合は自然に対する畏敬の念を忘れたマタギに対する、自然からの報復です。
エンディングをみてみると、名人は猟師を辞めてます。辞めざるをえませんでした。
自然の摂理を忘れた人間は猟を続けることはできないのです。
鉄砲が汗をかくという表現は、人間が発明した道具(テクノロジーの象徴)に自惚れて、自然に対する畏敬の念を忘れた時、自然は恐ろしいものになるのですよ、という警告なのだと思います。