花火大会のあった町、、、というか、花火を見れる町は、
人でごった返していた。
なんとか、歩けるというレベルだった。
途中、何度もエリナの手を握ろうと思ったけど、
どうしても、距離を縮めることが出来なくて、
あと一歩の距離を縮める勇気が無かった。
ああ、なんてヘタレだorz
なんとか、混雑がマシなレベルの場所に落ち着いたけど
花火なんてまともに見れないorz
ビルが立ち並ぶ町だから、ビルそのものに邪魔されてしまうのだ。
見晴らしの良い場所は、既に人が一杯。
ビルの窓にかろうじて花火が写る程度。
ドーン!!パラパラ。。。。。。
という音が何度も響く。
花火の音が鳴ると、体の中が揺すられるような感覚になって、体が熱くなった。
もっと、、ちゃんと見たいな。でも、、見れない。
こんなに近くなのにね。
窓に写った花火と、音だけしか聞こえない。
近くなのに、良く見えない。
なんだか切ないな。
そして、あっと言う間に、花火は終わってしまった。
あんなに沢山人が居たのに、帰る時は、あっさり帰ってしまう人ばかりで、
いつの間にか、周りの人は居なくなって静かな町に戻っていった。
俺たちも、人ごみの流れに沿って、歩いていた。
エリナの手を握りたい。手を繋ぎたい。
これが、今回のラストチャンス。。
どうする?握る?握りにいくか?
と思って、エリナを見たら、
彼女は仲田さんの隣に移動して話かけたので、もう無理だった。
チャンスは今までに何度もあったのにな。。
花火、終わっちゃった。俺の目標も終わった。
あとは、俺たちも電車の混雑がピークを越えたら帰ろうという話になって、
しばらく話し込んで待っていた。
すると、急に、エリナの携帯電話が鳴った。
<続く>