不登校の子どもを見守るとは?常滑市での講演会|漫画家・棚園正一 | 漫画家・棚園正一|学校に行かなくなってからの僕の話

漫画家・棚園正一|学校に行かなくなってからの僕の話

漫画家。小1〜中3まで学校に行けなかった経験をもとに、言葉にならなかった時間や感情を作品にしています。不登校だけでなく、喪失や家族をテーマにした漫画も描いています。
最新作『ひみつ―佐世保事件で妹を喪ったぼくの話―』。講演活動も行っています。

「見守ることが大切」と、よく聞きます。

 

けれど、実際にはとても難しいことだと思います。

 

目の前の子どもが学校へ行けず、家で過ごす時間が長くなっていくと、家族も先生も、

「何かできることはないだろうか」
「このままで大丈夫だろうか」

と、どうしても心配になったり、焦ったりするものだと思います。

 

自分の両親も、きっとその間で何度も迷っていたのではないかと思います。

 

8月7日、常滑市のイオンモール常滑で、

「不登校の経験から伝えたいこと
〜安心して過ごせるつながりとは〜」

という演題で、お話しさせていただきました。

 

会場には、保護者の方、学校や福祉、医療、行政の関係者、地域で子どもたちを支えている方など、約80名の方が足を運んでくださいました。

 

平日の開催にもかかわらず、これだけ多くの方が集まってくださったことを、とてもありがたく感じました🙏

 

同時に、不登校の子どもとの関わりについて悩み、考えている方が、本当にたくさんいらっしゃるのだと改めて感じました。

 

自分は、小学校1年生から中学校3年生までの9年間、ほとんど学校へ行くことができませんでした。

 

当時は、なぜ学校へ行けないのか、自分でもうまく説明できませんでした。

学校へ行けないのは、自分が弱いからだと思っていました。

 

周囲の大人が心配して声をかけてくれても、それを素直に受け取れる余裕がなく、かえって自分を責めてしまうこともありました。

 

講演では、あくまで自分の経験の一つとして、

当時はうまく言葉にできなかった気持ちを、自分の描いた漫画も交えながらお話ししました。

 

後日、この講演会を中日新聞さんにも取り上げていただきました。


「中日新聞 2026年8月22日朝刊・知多版」と明記】

 

記事の見出しには、

「不登校『見守ることが大切』」

という言葉がありました。

自分は、「見守る」ということは、ただ何もせずに待っていることとは少し違うのではないかと感じています。

本人の言葉を急がせず、変化を求めすぎず、それでも関係を切らずにいること。

 

言葉にすると簡単ですが、実際には迷うことも多く、とても難しいことだと思います。

 

自分の両親も迷い、時には親子でぶつかりながら、それでも関わり続けてくれました。

 

何が正しかったのかは、自分にも分かりません。

けれど、不器用であっても見放されなかったことは、今の自分につながっているように思います。

 

講演後に届けていただいたアンケートでは、回答された47名のうち45名、95.7%の方が「大変満足」「満足」と答えてくださいました。

 

また、「引きこもりに対する理解や見方」についても、87.2%の方が「とても理解が深まった」「少し理解が深まった」と回答してくださいました。

 

このような結果をいただけたことは、とてもありがたく思っています。

 

ただ、数字以上に自分の心に残ったのは、一人ひとりが書いてくださった言葉でした。

「学校へ行くことがゴールではない。進路はいつでも選び直せる」

「急かさず、見放さず、学校とは関係のない話がいい」

「今はそうなっているだけなのに、直そうと思われたり、動かれたりするのはしんどい。そのことに気づかされた」

「当事者の心の奥が感じられ、親や家族が考え直すきっかけになると思います」

 

講演でお話ししていることは、あくまで一人の不登校経験者の気持ちです。

すべての子どもに当てはまる答えではありません。

 

それでも、今、目の前にいる子どもが言葉にできずにいる気持ちを想像するための、小さな手がかりになればと思っています。

 

そして、講演を聞いてくださった方が、

「何かを急がなくてもいいのかもしれない」

「学校の話ではなく、今日は好きな漫画の話をしてみよう」

と、ほんの少し立ち止まるきっかけになったのなら、学校へ行けなかった自分の時間にも、また一つ意味が生まれるように感じます。

 

 

このような場をつくってくださった常滑市社会福祉協議会、常滑市の皆さま、当日支えてくださったスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。

 

そして、会場まで足を運び、自分の話を受け止めてくださった皆さまにも、心より感謝申し上げます。

 

これからも、学校へ行けなかった一人の子どもが、何を感じながら過ごし、どのような人や言葉に支えられてきたのかを、各地でお話ししていけたらと思っています。

 

一般の方にご参加いただける講演会やイベントについては、今後もこのブログで順次お知らせします。

もし必要としている方が身近にいらっしゃいましたら、無理のない範囲で記事を届けていただけたら嬉しいです。

 

また、自治体や学校、PTA、教育・福祉関係者の研修、保護者向けのお話会など、講演のご相談もお受けしています。

「正しい対応」をお伝えするというより、子どもの内側にある言葉にならない気持ちについて、皆さんと一緒に考える時間にできればと思っています😊

 

対象となる方や開催の目的に合わせて、内容を調整いたします。対面・オンラインのどちらもご相談いただけます。

 

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