「無理しなくていいよ」
「つらいことがあったら話して」
子どもを心配して、そう声をかけたことのある方もいらっしゃると思います。
その言葉が、支えになることもあります。
でも、優しくしてもらっているのに、どう答えればいいか分からない。
自分が何を感じているのか、うまく言葉にできない。
そんな気持ちを抱える子もいるのかもしれません。
漫画『ひみつ』で描いたお兄さんも、周囲から優しい言葉をかけられながら、自分の苦しさを話せずにいました。
妹を喪ったあと、彼は憔悴するお父さんを心配させないよう、平静を装っていました。
けれど、抑えていた気持ちは消えず、高校へ進学したあと、学校へ行けなくなっていきます。
そんな彼の心に届いたのは、ある人の短い問いかけでした。
その言葉には、何があったのか。
この場面を手がかりに、傷ついた子どもへの関わりについて、不登校ジャーナリストの石井しこうさんにお話ししました。
六本木高校の事件を受け、子どもたちの「その後」をどう支えるかを考える記事として、Yahoo!ニュースで公開されています。
お兄さんの心に届いた問いかけも、記事の中で紹介されています。
自分も、小学校から中学校までの9年間、不登校を経験しました。
このお兄さんの「言えなさ」には、学校へ行けない子の気持ちを考えるときにも、重なるものがあると感じています。
つらさを言葉にできないまま、いつもどおりに振る舞っている子もいるのかもしれません。
「どうしたら学校へ行けるか」「何と声をかけたらいいか」と考えるとき、その子が今どんな気持ちでいるのかも、一緒に想像していけたらと思います。
『ひみつ』では、妹と過ごした何気ない日常から、学校へ行けなくなった日々、新しい場所での出会いまでを描きました。
お兄さんが、どんな人たちと出会い、どんな思いを抱えながら、その先を生きていったのか。
記事を読んで気になった方には、お兄さんとご家族の歩みを、漫画でもたどっていただけたらうれしいです。
『ひみつ ―佐世保事件で妹を喪ったぼくの話―』上下巻
原作:川名壮志/漫画:棚園正一/新潮社
上下巻で完結しています。紙・電子でお読みいただけます。
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