こんにちは
シェルフいちのわり教室で心理士をしています、角田です
秋の訪れを感じる一方で、気温が高くなったりしている今日この頃。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか
前回は「常同行動について」という内容を挙げさせていただきました。
詳細は以下の記事をご参照ください
さて、これまで発達障害について沢山のことを書かせていただきましたが、
私が子供たちを関わっていく上で意識をしていることがあります。
それは「会話」、「コミュニケーション」です。
復習かと思いますが、自閉症スペクトラム障害は大きく分けて3つの特徴が見られます。
①同一性の保持(例:急な変更に対応できない、ずっと同じ遊びをする)
②感覚過敏、鈍麻(例:大きな音、特定の感覚を好む)
③コミュニケーションの障害(キャッチボールの難しさ)
今回は3つめの「コミュニケーションの障害」です。
自閉症スペクトラム障害を抱える子ども、大人たちは相手の言葉や表情の裏側を想像する力が弱く、コミュニケーションが円滑に進まないことも少なくありません。
子どもの場合は周りの子になじめずに一人ぼっちになりやすく、大人の場合は”空気の読めない人”として扱われることもあります。
なぜこのようなことが起きてしまうのか、その理由と伝え方について紹介させていただきます。
<表情、声のトーン、仕草などを読むとることが苦手>
話し言葉以外の表情、声の調子、仕草などが発するメッセージのことを”メタメッセージ”といいますが、発達障害の人はこれらを読み取る力が弱いことが少なくありません。
例として、会話の中で相手が不満に思っていてもそれを読み取ることが出来ず、言葉の意味のみを受け取ってしまう、ということが挙げられます。
会話によるコミュニケーションは約2割が言葉の情報で、残りの8割がメタメッセージによるものだと言われています。
その8割を汲み取ることに苦手さがあるため、支える側のポイントとしてきつくなり過ぎないように配慮しながらちゃんと言葉にして伝えていくことが大切です。
<人が話をしている時に上の空で全然聞いていない>
これはADHDを抱える人にも当てはまる内容ですが、目の前の話とは別のことに意識が向き、頭の中では全く別のことを考え、唐突にその話を始めてしまうことがあります。
これを”マインド・ワンダリング”と呼びます。
自閉症スペクトラム障害の場合では他にも、心地よくいられる”自分の世界”のようなものが頭の中にあり、少しでも苦痛な話をされると、すぐ自分の世界へと逃避してしまうことがあります。
この特徴は良く見られるもので、親御さんは「聞いて欲しい」という気持ちから声を荒げてしまうこともあるかと思います。
しかし、本人たちにもどうにもできない問題ではあるため、本人の意識が向くようにするには、興味のあることの結び付けて伝えてあげることが1つの方法として挙げられます。
<話の流れでわかるでしょ?が通用せず、何度も聞き返してくる>
会話であいまいな表現を使われることは、発達障害の人にとっては苦痛となることがあります。
例として病院で「いかがですか?」と聞かれると「どういう意味?」という聞き返す、が挙げられます。
自閉症スペクトラム障害を抱える人たちは言葉を字義通りに受け取ってしまうことがよくあります。
そのために、「適当に」や「自由に」という意味が汲み取れず、混乱してしまうことが考えられます。
本人に分かりやすく伝えるためには「いつ、誰が、何を、どうする」といった具体的な表現よ時間を設けた伝え方が挙げられます。
1つの例として玩具や本を片づける時に「今から15分以内に(時計の長い針が〇の所までなど)、○○くん(ちゃん)が玩具は玩具箱に、本は本棚に片付けようね」という伝え方があります。
以上が会話における障害の理由とその伝え方についてでした。
少しでも参考になれれば、と思います。
私自身もセラピー中には遊びの他に子どもたちとの会話にも注意を向けて関わるようにしています。
子どもたちとの会話を通してその子の理解に繋げていければと考えています。
今回は以上になります
最後までご覧いただきありがとうございました
今回の内容は「発達障害の人が見ている世界」(岩瀬利郎 アスコム)を参考にしています。
シェルフいちのわり教室でのセラピーは現在少しではありますが、空きがある状態です。
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