こんにちはハリネズミ

心理士の角田(つのだ)ですキラキラ

 

 

5月に入り、春らしい日々が続いておりますチューリップ

気温差もあり、体調が崩れやすくなってしまう方もいるかと思います…魂が抜ける

皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 

 

前回は「感覚過敏」について紹介させていただきました。

詳細は以下の記事をご参照ください。

 

 

 

今回も自閉症の症状について深掘りしていきたいと思います!!

2回目は「常同行動」についてです。

 

 

「常同行動」とは「発達障害をもつ子どもが同じしぐさやふるまいを繰り返し続ける現象」と言われています。

例としては掌をひらひらさせる、身体を揺する、ピョンピョンはねる、くるくる回る、手でタップを打ち続けるなど、プリミティブ(原始的)でシンプルな身体運動が多く挙げられます。

 

前回の「感覚過敏」の記事において、自閉症を抱える子どもは私たちよりも不安や緊張が強い世界体験をしており、それがその子どもたちにとっての「常態」、つまり「日常」である、と説明しました。

そんな苦痛の多い体験世界だけれども、子どもたちはそれ(「苦しい」、「つらい」)と訴えるすべを持っていません。

そのために情動のコントロールが難しく、混乱してしまうため、その情動をなんとか処理しようとする適応努力を子どもたちはしているのです。

その1つが「常同行動」となります。

 

では、その「常同行動」にはどんな効果をもたらしているのでしょうか。

 

1つ目は運動としての「常同行動」です。

私たちもジョギングをする、スポーツをする(例:草野球、テニス、フットサル)などの「スポーツ」を趣味やストレス発散として取り入れている方もいると思います。

自閉症を抱える子どもにも同じようなものとして「常同行動」を取り入れています。

「常同行動」、つまり反復運動をすることで自身にここちよい刺激を取り込み、その反復運動に没頭している間は、自身をとりまく苦痛で混乱的な体験世界を「忘れて」いられるのではないか、と考えられいます。

 

 

2つ目は情動処理の努力としての「常同行動」です。

単純で反復的な身体運動は、フラストレーションをなだめたり、まぎらわす効果をもっています。私たちも情動負荷がかかったとき、貧乏ゆすりをしたり動物園のクマのように行ったり来たりという「常同行動」を(なかば無意識に)しています。

同じようなことを子どもたちもしていると考えられます。

しかし、子どもたちの情動負荷は大きいため、1つの「常同行動」ではまぎられることができないことが多いです。

私たちはまぎられることができなかったら他の方法を使うことができますが、自閉症を抱える子どもたちは他の方法をもっていなかったり、関係性の発達にも遅れがある場合には人に頼らずひとりでできるなけなしの対処法だったりします。

そのためにその身体運動がいつまでも続けられ、常同行動とされるのです。

以上が「常同行動」の効果となります。

 

もう少し発達した段階では、前そうしたらうまくいったことを繰り返す行動が出てきます。

例としては「ダイジョーブ言って」や「トントンして」と要求を繰り返すこともあります。

ひとの力を借りようとする点では、よりレベルの高い対処法といえます。

しかし、その対処法でおさまらないとそれらの行動が際限なく続くことになり、要求される側が音を上げる事態となる場合も少なくなく、「巻き込み型の常同行動」と呼ばれています。

 

 

これらの種類の常同行動がみられるときは、その子がなんらかの大きな不安や緊張、情動負荷にぶつかっているあらわれなので、それがなにかを探し、その軽減をはかることがだいじな支援になると考えます。

 

 

今回の内容も自閉症を抱える子どもたちを支える保護者の皆さんにとって、「どういう意味なんだろうか…?」と疑問に感じたり、不安になったりすることもあると思います。

子どもたちと関わり、考えを深めることでその保護者の皆さんの不安が軽減できるような支援をしていけたら、と思っております。

 

今回は以上となります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございましたウインク

今回の内容は「子どものための精神医学」(滝川一廣、医学書院)を参考にしています。

 

シェルフいちのわり教室でのセラピーは現在少しではありますが、空きがある状態です。

 

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