『批判』、『誹謗中傷』の違いとは…

今や、「ネットリテラシー」もどこ吹く風…といった感じで、ネット上にあふれる「中傷」の書き込み…

今日は改めて、『批判』、『誹謗中傷』の違いを考えてみることにします。

まずは『批判』から。

これは、主に物事に検討を加え、判定・評価する事。

人の言動などについて誤りや欠点を指摘し改善すべきと論ずることです。

つまり、根拠や理屈に基づかずにただ「良くない」「ダメだ」「つまらない」等と言うことは批判ではなく誹謗中傷の域に入ります。

そして、『誹謗中傷』とは…

根拠に基づかず、相手の悪口を言い傷つける事です。

例え相手が否定されるべくしてされていたとしても、他人を否定する場合は必ず根拠を示さなければ説得力を持たず、それは悪口になります。

※出典サイト。https://ncode.syosetu.com/n4848cz/2/

たとえば、道を歩いていて、たばこのポイ捨てを目撃したとします。

で、それをあとあとで同僚と話題にした時…
「そういえばこの前、たばこのポイ捨て目撃したよ。ああいう大人にはなりたくないよね。」

ここまでなら「批判」だと思うんです。

ただ…

「ああいうやつってさ、絶対家の中も汚いんだぜ。ゴミ屋敷に住んでんじゃないの?www」
こうなると「誹謗中傷」になるわけなんですよ。

これは「他人」を例にしてみましたが、「友人・知人」を例にして…

「そういえばこの前、〇〇課長のたばこのポイ捨て目撃したよ。ああいう大人にはなりたくないよね。」※ここまでが「批判」です。

「〇〇課長。絶対家の中も汚いんだぜ。ゴミ屋敷に住んでんじゃないの?www」
これを同僚たちとネタにして笑いものにしていたとしたら…

まさにそれこそが、「誹謗中傷」になるわけなんですよ。

「批判」を踏み越えて、「誹謗中傷」になる。

その「違い」、「境界線」。お分かりになりますかね?(;^_^A

ちなみに、厳密には、「誹謗中傷」は、「誹謗」と「中傷」と分けて考える言葉なんです。

「誹謗」 - 対象をそしりけなすこと。正法をそしることにも用いる。
「中傷」 - 根拠のない事を言いふらし、他人の名誉を傷つけること。

明確な根拠がある場合、すなわち事実を表明することで他人の悪事などを暴露し、結果的にその人の名誉を失墜させることは、誹謗ではあっても、中傷ではない。特に公共の利害に関する目的で、例えば組織などの悪事を暴露する事は内部告発などのように法的にも正当な行為として認められる。ただしその目的が公共の利害に関係したことでなければ、公表したことが事実であっても名誉毀損に該当する。※wikiから引用。

例えば、なにかのキャンペーンで「〇〇ステッカー」という商品が発売されたとします。

で、これに対して、「買いたくない」、「こんなのいらない」とコメントするのはもちろん「自由」なんです。

ただ、これがエスカレートすると…

「こんなもの作ったヤツの神経を疑う」とか…
「見つけたら全部ひっべはがしてポイ捨てしてやるわ」とか…

これはもはや、製造業者に対する「誹謗中傷」ですからね…(;´・ω・)

ただ、自身で購入したものに対して、なにをしようとそれは自由です。

「ステッカー」1枚でも、2枚でも、10枚でも、100枚でも…

「自分で購入」した上で、それを本当にすべて廃棄してやったという行為。

これ自体は「違法」でもなんでもありません。

ここまではね(^-^;

ただ、それをSNSで「公開」して…

「新商品の〇〇ステッカー購入したけど、全部新品のままゴミ箱に捨ててやったわ(⌒∇⌒)」

と、「画像付き」で「公開」したとしたら…

これも「製造業者」に対する「誹謗中傷」になるのかなぁと…(~_~;)

私は考えますがね…(;^ω^)

SNSが普及した、現代社会で分かりにくくなっている、「批判」と「誹謗中傷」の違いは、ここにあると考えています(;・∀・)

最後にこちら。

嘘を公にする風評被害 いつの間にか犯罪者に?

Aさんは、20代後半の男性会社員。ある朝Aさんがテレビを見ていると、放火事件に関するニュースが報道されていました。この事件で小さいお子さんを含む家族が被害に遭ったという報道を見て、「かわいそうに。怖い事件だな…。」と思ったそうです。

その日、Aさんは業務上のトラブルに対応していたこともあり、イライラしながら帰宅しました。帰宅した後にリラックスしようとインターネットを見ていると、ネット掲示板で朝にテレビで見た放火事件の犯人についての続報が出ていることに気が付きます。テレビや新聞などのマスメディアではまだ報道されていませんでしたが、ネットの特定班により、この事件の犯人は近くに住む男性会社員のBさんであるとされていました。
ネットの特定班とは、報道されている情報やネット上の情報から、名前や住所など何らかの情報を特定・推定するユーザーの総称です。

掲示板には数々のテキストや画像などの証拠情報が併せて掲載されており、Aさんは信ぴょう性が高いと感じました。Bさんと思われるSNSアカウントの書き込みには「むしゃくしゃする」や「幸せそうな家に火をつけてやりたい」といったネガティブな発言が見られたり、爆竹などで騒ぐ過激な動画もアップしていたため、ネットユーザーからは犯人として扱われていたそうです。

Aさんはイライラしていたこともあって、他のネットユーザーがやっているように、BさんのSNSアカウントに対し「この放火魔!」といったような投稿を繰り返し行いました。投稿を行うと、むしゃくしゃしていた気持ちが軽くなり、どんどん発言が過激になっていきました。

ネットの情報からBさんを放火犯だと思い込んだAさんは、Bさんについてまとめられている情報を他の掲示板やブログのコメント欄などに貼り付けて拡散したそうです。コメント投稿や拡散で憂さ晴らしができたAさんは、スッキリして行動をやめました。

その後しばらく経って、Aさんがいつものようにテレビを見ていると、少し前にあった放火事件の犯人が逮捕されたというニュースが報道されました。

ここから先の展開は、もう予想できますよね…(~_~;)

「他人の不幸は蜜の味」「メシウマ」というワードがあるように、人間「誰かの幸せエピソード」よりも「不幸エピソード」を見聞きして、優越感を覚える。という性質もあるようなんです。

それが「正義感」となって、「拡散」したり、「自粛警察」になったりすることにつながっていくんだと思いましたから。

以前の、「テラスハウス」の木村花さんの事件が象徴しているように。

ネットの誹謗中傷行為で、一人の人間を死に追い込むことだって、簡単にできちゃう世の中なんです。

「相棒ファン」の方いましたら…

シーズン12の第15話『見知らぬ共犯者』を思い返してみてほしいんです。

そして、ご存知ない方も、出来ればDVD・ブルーレイなどで出来れば一度は視聴していただきたい。

それだけ「名作」の回だったんです。

当時のエピソードがまさにそれで…

「ドラマで悪役を演じた女の子がネット、メディアに誹謗中傷された挙句、自殺してしまう」という内容でした。

言われなき中傷が人を死に追い込むことだってある。

これを常に自覚しなければいけないわけですからね(;´・ω・)