キョロ(-”-;)(;-”-)キョロ
|д・) ソォーッ…
|Д`)・・イマノウチ ♪
さぁ~って、いつかの劇ですw
なんだか、夏休みの宿題を溜めちゃった小学生の気分なのは気のせいか?w
スプーキーズ #04
『Sea Man ~Who's That Boy~』
@シアターグリーン Box in Box THEATER
脚本・演出:小坂逸
出演:加藤栄一郎 竹口龍茶 渡部美穂 山本真嗣 白石亜津紗 森川渚水 本山裕記 増田大樹 クシダ杏沙 八鍬慶子 足木俊介 吉岡裕教 岩井太郎 下田崇覚 谷戸亮太 小林寿美子 小島久人 木村正和 加藤貴大 林大幹 奥村智海 高岡美保 小坂逸
まずは、劇団公式サイトからあらすじw
-------引用開始-------------
「一緒にフェアプレイな国を創り、世界の海を渡ろうぜよ」
と、坂本龍馬は言った。
その言葉が耳について離れない14代将軍徳川家茂。
彼もまた、世界の海を渡る夢を見ていた。
限られた命の中、身分の枠を排し、自由に夢を追いかけ、
力強く生きる海援隊士達の姿を見て、
戦う意味、生きる意味、死ぬ意味、
そして己の帰るべき家を見つけ出す家茂。
幕末・・・。
今まさに徳川250年の威信をかけて、
長州と幕府の戦争が始まろうとしていた。
海の男達、そしてそれを支える女達の
熱き思いの一日限りの馬鹿騒ぎをお届けします。
--------引用終了------------
歴史背景をベースにしながら、小坂さんの作り出すフィクション「ありえない幕末物語」
今回も坂本龍馬は出てこないw
しかしその理由は、あっさりと当日パンフで明かされました。
その内容を要約すると、以下のようなことでした。
龍馬は好きだが、物語を書くと「じゃま」になるのだそうだw
小坂さんが龍馬に惹かれるのは、彼にある「人を魅了する何か」、想像を膨らませる「魅力」があるからだという。
だから、龍馬を描く代わりに、龍馬を取り巻く、関わりのある人物を描くことにしているのだという。
なるほど、納得である。
以上、前置きw
結論からいえば、劇全体はとても面白かった。
さすが、小坂さんといった感じ。
前作「SPY」でも感じたことですが、小坂さんの作る劇は、個々の配役に対する光の当て方の巧さ、丁寧さが特筆すべき点です。
前作ほどでないにしても、今回も人数は多い。
力量のない作家、演出家であれば、メインの配役を輝かせることはできても、脇とはいわないまでも、周辺の配役を余さず引き立てるのは、なかなかそう簡単にできるものではない。
今回でいえば、小坂さんの座組や、TAKE1、秦組関連で観たことある役者が約半分、残りの半分以上は今回初めて拝見する役者さんでした。
初めて観る役者さんを追う場合、役者のスキルが未知数なため、話を追うのと役者の芝居を見極めるのでなかなか疲れることが多い。
ところがどっこい、小坂さんの作る劇では、台詞や演出で配役のキャラクターが非常に明確、かつ魅力的に設定されているので、安心して役者の芝居に集中できる。
今回もまさにそうで、海援隊のメンバーは配役ごとのキャラクターが明確で、役を演じる俳優陣も、そのキャラクターをよく理解していて、いい芝居をしていました。
以下、役者陣を勝手にちょっぴりレビューw
上野彦馬(cast:木村正和)
日本の写真家の先駆けで、龍馬や多くの要人の写真を撮った実在した人物。
ただし、この劇ではかなりデフォルメされた変わり者である。
頭は肩幅はあろうかという爆発したアフロ?w
出オチ。。。じゃないよね?(失礼w)
他の配役にくらべ、ひょうひょうとしてどこかつかみどころのない役だけに、役作りは難しかったかもしれないが、正和クン頑張ってました。
しかし、劇の中心を貫く重要な鍵を握っている。
「この指は何本に見える?」指を2本かざして被写体の人物に問う。
二本にしか見えない(目の前のことしか見ていない、覚悟がない)うちは、被写体は彼の取る写真には写らない。
にゃまは最後まで2本にしか見えなかった。。。残念(TωT)
神父(cast:増田大樹)
写真を撮ると魂を取られる、そんな迷信をネタに、写真を撮る客に上野と一緒になって護符を売りつける商売人な神父(実は、ジョン万次郎だったwという、フィクションならではなキャラクター)
いやぁ、増田クンは観るたびに外さないなぁ。
もう、かれこれ4度目なんだけど、最初の頃はコメディアンとして観ていたんですが、最近は見る度に、その役者としてのポテンシャルが向上されているのに驚く。今回は徳川家茂との絡み、「自らの人生に喜びを見出したか」「他者の人生に喜びを与えたか」と迫るシーンが特に良かったな。
徳川家茂(cast:山本真嗣)
このお話の主役。自分の意思でもなく幼くして将軍となった彼。政略結婚で宮家から側室を迎えた彼。口では国のため、民のためと言うものの、上野が撮る写真には写らない。初めて拝見する役者さんでした。自信も覚悟もない冒頭の将軍家茂から、海援隊と1日を過ごすうち、自分を見つけ、写真に写ることができた、その変わっていくさまを、好演されていたと思います。
和宮親子(cast:高岡美保)
政略結婚とはいえ、将軍家茂を支えようとする彼女は写真に写る。許婚もいた彼女、嫁いだ時点で、きっと彼女には覚悟ができているということか。
高岡さんもTAKE1の出身ということですが、初めて拝見しました。役柄上、比較的淡々としたお芝居が多かったですが、最後に家茂が自分を見つけ、和宮への愛をも再認識したシーン、家茂の「I love you,I need you,I want you 」に、「オー・マイ・ガー」は可愛らしかったです。
庭田嗣子(cast:白石亜津紗)
和宮の侍女ですね。彼女もまた写真に写る。歴代、後にも先にも皇族から武家へ降嫁した和宮の侍女として、彼女もまた何がしかの覚悟を持っていたと推し量ることは難くない。お初の役者さんです。和宮への献身的なお芝居を豪快に?好演されていました。
平井加尾(cast:森川渚水)
龍馬の幼馴染にして初恋の相手。龍馬を想い駆けつけた彼女もまた写真には写る。前作では時代に翻弄された女人斬りを演じ、その殺陣、立ち回りで圧倒されました。侍の心と剣術の腕を持ち合わせる役者w、渚水さんが今回は「女性」を初々しく演じました。龍馬に寄せる想い、龍馬の許婚千葉佐那子や、妻お龍との、龍馬をめぐる女達の演技は見物でした。今回は刀は無いはず?でしたが、ふたを開けると、やっぱり途中から刀を持ってましたw。刀持つと。。。w、やっぱり侍の目つきでしたw
あ、でも衣装をちくちくお裁縫したり、荷物いぱーぃの正和クンに大きな袋をくれたり、みずかさんのパパラッチに快く付き合って(自分も入るべき写真なのに)シャッター押してくれたりwww、素の彼女はいたって優しい女性らしい方のようですw それは、終演後にご挨拶したときもそうでしたけどw
千葉佐那子(cast:クシダ杏沙)
龍馬が北辰一刀流を学んだ千葉道場の娘にして、龍馬の許婚。大切にその手に握る龍馬の形見(この時点でまだ生きてますが)、紋付の破れた片袖にその想い・覚悟を垣間見ることができる彼女もまた写真には写る。初めて拝見する役者さんでした。お芝居もしっかりしていて、前半の穏やかな感じから、後半の刀を持った凛とした感じまで、表情、感情表現も豊かで安心して拝見させていただきました。
楢崎龍(cast:渡部美穂)
龍馬の妻であり気丈にふるまうが、龍馬の仕事や事業にはまったく興味がない。それゆえ、写真に写る龍馬のどこか寂しげで悲しげな目の奥にある決意の真意を理解するまで、女性陣の中で唯一写真に写らない。史実では、「美しいが賢婦とはいえない。ただし悪人でないのは確かである。」そのように評されたお龍を、渡部さんが見事に表現されていた気がしました。「許しとうせ」怪我人、病人を前に土下座する龍馬の姿から、「理想だけではだめ、その奥にある現実を見据えて決意をした」龍馬の真意に気づいたお龍の演技は見事でした。
坂本乙女(cast:八鍬慶子)
龍馬の姉にして、龍馬の母親代わりでもある。史実によれば、体格にも恵まれ、胆の座った女性のようである。初めて拝見する役者さんでした。史実ほどのみごとな体格というわけではありませんが、役の雰囲気が非常にマッチしていました。龍馬をめぐる女性陣集まり沈黙のシーンでは、一転酒飲んで器用にクリンクリン床を転がるシーンは面白かったですね。絶妙な間合いで、床に置いてある徳利をかすめていくんですよねw。、小坂さんのキャスティングの妙なのか、はたまた役者さんの力量なのか。いずれにしても、土佐の女子、乙女姉さんを好演されていたと思います。
楢崎君江(cast:小林寿美子)
龍馬の妻、お龍の妹。小林さんのお芝居は、TKAE1や秦組で何度か拝見しています。龍馬をめぐる女たちの緊迫する沈黙をやぶる放屁w、彼女のキャラだとなぜか微笑ましい。彼女にしかない独特の雰囲気を持った役者さんである。公式サイトには「バカップルぶり」と評されているがw、千屋寅之助との恋模様も気になるところではあるw
近藤長次郎(cast:加藤栄一郎) 千屋寅之助(cast:下田崇覚) 新宮馬之助(cast:小島久人) 沢村惣之丞(cast:竹口龍茶) 高松太郎(cast:足木俊介) 岡本健三郎(cast:吉岡裕教) 陸奥陽之助(cast:本山裕記) 中島作太郎(cast:林大幹) 白峰駿馬(cast:奥村智海) 楢崎太一郎(cast:加藤貴大)
海援隊隊士の面々。まとめちゃってごめんなさい^^;
ここまで書いてきて、疲れたとか、手抜きとか、面倒臭くなったとか。。。は多少あるけれども(正直w)、個々の配役が上で書いたキャストに劣るとか、そーいったことでは一切ありませんのでご容赦をw
隊士の面々は、林クンは「太陽がいぱーぃ」やTAKE1、本山クンは前作「SPY」で、足木クンは秦組で、その他のみなさんはお初でした。
【★やまっち指摘により追加★】
加藤栄一郎さん、お初ではなかったようで(;´▽`lllA``、以前MK-Boxで拝見していたのですね。。
すいません、まったく記憶になくて。ま、記憶に残る役者さんはほんの一握りなのでご容赦を
【★やまっち指摘により追加★】
各人、配役ごとのキャラクターが明確で、そのキャラクターをよく理解していて、個々にいい芝居をしていたと思いました。
中でも、沢村惣之丞(cast:竹口龍茶)は面白かったですね。陸奥との喧嘩や、大政奉還の練習(芝居)で、西郷どんモノマネのくだりは最高です。演技力も高いと感じました。
陸奥陽之助(cast:本山裕記)の頭が良くて、理想が高く、理論家なところがよく表現されていて、前作ののほのーんとした沖田総司とのギャップが興味深かったです。
中島作太郎(cast:林大幹)も随所でいい味だしてましたね!
伊藤俊介(cast:谷戸亮太)
後の伊藤博文、初代総理大臣の若き日。。。。序盤は、単なるヨタロウのような感じで抑え目なお芝居でしたが。。。一転、無血革命を画策する桂の片腕として、海援隊隊士を口説いて回るシーンあたりから後半にかけてのボケの連発は大爆笑でした。初めて拝見した役者さんでしたが、素晴らしいですね。一緒に観た友人も完全に谷戸さんにLOCK ONしてはらわたがよじれたらしいです。もちろん、にゃまもはまりました。
【★やまっち指摘により追加★】
こちらも、Mk-Boxに出ていらしたようですね。。。あの芝居に、こんな面白い人いましたっけ?w
そうですか、今回ので、確実に記憶に残りました。
【★やまっち指摘により追加★】
桂小五郎(cast:岩井太郎)
前作の中岡慎太郎も大好きですが、今回もいいですね。やはり、岩井さんの演技が好きですw また観てみたいと思わせてくれる役者さんです。
ご自信のブログでのどこかロマンチックで、文学的な感じとのギャップもw
果たして、この人は明るい人なのでしょうか?暗いのでしょうか?w
高杉晋作(cast:小坂逸)
いうまでもありません。劇中劇で、大政奉還の演技を海援隊隊士、将軍家茂につけるシーンは、テンポの良さ、ツッコミの妙、すべてのバランスが絶妙でした。多くの方が、小坂さんが出てこられたこのシーンから空気が変わったというのももっともだと思います。それまでも十分面白いんですが、引き締まる感じがしましたね。いやぁ、「SPY」が名作だっただけに、構えて観てしまった感がありましたが、いやいやどうして、今回も素晴らしいエンターテイメントでした。
最後に、スプーキーズの公式サイトに、主宰、小坂さんのご挨拶があったので、転載しておきます。小坂さんのご挨拶を拝見して、やはりこういう意識が大切だよなと、改めて納得したのと、つくづく役者も、作家も演出家も、大変な仕事だなと再認識しました。
Spookys 公式サイトより引用
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** 終演の挨拶 **
お盆時期にもかかわらず御来場下さいましたお客様、心よりお礼申し上げます。
夏の「暑さ」に引けを取らない「熱い」お話でしたが、お楽しみ頂けましたでしょうか。
幕末モノ第2弾「SeaMan」が終わりました。 はい。終わりました。
幕末という時に生きた男達、女達の姿を自分なりのレンズで写しだしてみました。
「こうであって欲しい!」「こうであれば!」なんて思いで・・・
そのせいで役者陣は廃人のごとくなっておりました(笑)
登場人物のセリフで「出てくるモノが違う!」という言葉がありました。
ギリギリまで追い込まれて人は変わるんです。 役者も同じで甘いところで演じていては変わらないんです。
命を削るような思いで役者が演じてこそ、役が生きていくんだと僕は思います。
そして、彼(役者)らは何かが変わったように思いました。
大きな変化ではないにしろ、心に何かが生まれたように見えました。それは僕も同じです。
今回の作品を創るにあたり、僕がいままで蓄えてきた全てをこの作品に込めました。 自信は100%あります。
でも足りない!まだ足りない! まだまだ変化する!だから足りない!
・・・・そんな思いです。 これは贅沢なことです。
だって、多くの人の支えがあって今の僕があるのです。
僕の我儘を聞いてこうして集まってくれたんです。
そして創りあげた作品をお客様に観て頂くんです。
だからこそ胡坐はかけません。
2009.08.19 小坂逸 (脚本・演出)
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