いわゆる「繫殖」について、疑問に思っていいんです@園館 | 「シェアピ式」と「育伝式」で動物さんと考古学を応援★

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(2023.3にnoteに書いた記事を引っ越したものですが、普遍的な内容ですので★)

 

京都市動物園のゴリラさん宅は草木モリモリでシェアピ♡

 

 

京都市動物園のイベントで刺さったこと♪

2023年3月1日(水)に

 

京都市動物園で開催された講演会「日米の動物園・水族館における動物福祉科学」

に、オンラインで参加しました。

 

最初の講演をされた、

Chicago Zoological Societyの

ランス・ミラー (Lance Miller)氏の

「日米の動物園・水族館における動物福祉科学」も、

もちろん大変勉強になりましたが

(海外の取り組みは異次元だもの)、

さらに刺さったのが質疑応答!

 

会場で参加されていた女性からの質問が、

「繫殖と動物福祉は相いれない部分があると

思うのですが、どうお考えですか?」で、

私は「ナーーーイッス質問!!!」と、

パソコンの前で叫びました(≧▽≦)。

 

まさにその一言に尽きる問題が

大量に生まれ続けているのに、

そこに真正面から向き合おうとするだけで、

そのことを批判する人たちがいる

+本当は疑問視しているのに無言という形で

加担してしまう人たちがいるのが現状です。

そして飼育員さんたちは

ゆうても社員ですから、波風立てる勇気を

持てと言うのも酷な感じで・・・

 

てゆうか、「波風立てる」のではなく、

「至極まっとうかつ組織の利益になる提案」

なんですが、そうは思われないのが

組織の自滅なところですな。

 

で、話を講演に戻すと、

超絶ナイス質問に対して、

ランス・ミラー氏のこたえは・・・!!

 

 

「私もそれについて何年も考えています。」

とのこと!!

 

 

やっぱりそうなんだ!!

 

現状じゃダメだと思うのは私だけじゃなかったんだ!!

 

と、どんだけ勇気を頂いたことか・・・(TT)。

 

いわゆる「繫殖」のために、

ものすごい負担を強いられる動物さんたちを

見聞きし、飼育員さんたちの苦悩を

直接聞いてきた身として、

「いわゆる”繫殖”について、

現状ではほぼダメだから私は反対です」と、

講演で言うたび反発する人たちがいて・・・

 

既に「変えたい」と思っている人たちも

いるんですが、反発まではしなくても

「疑問視していない」人も多いですし、

安易に「いいことだと思っている」人たちも

多く、まだ理解されにくい状況です。

 

みんな、動物さんが好きと言ってるけど、

負担がかかるのはいいの?!と失望するし、

そんな人が大多数なら、私の園館活性策は

必要とされないだろうなぁ・・・と、

すっかりイヤになったり(笑)。


前の記事に書きましたが「繫殖礼賛」の

空気から変えるべく、「繫殖」の言い換えも

模索中なので、「いわゆる”繫殖”」と書いています。)

シェアピ式園館活性法本の執筆が進まないのも、

「いわゆる”繫殖”の部分で反感を買って、

他の部分もちゃんと読まれずに全否定される

んだろうなぁ」と思って気乗りしないから。


こんなに、毎日のように、

いわゆる「繫殖」のことで苦悩している人、

他にいるのかな?と思うくらい、

考え続けています。


まぁ、十把ひとからげに

「(いわゆる”繫殖”に)反対です」と言ったの

が良くなかったというのもあると思います💦。

 

なので最近は言い方を変えています。

 

 

 

びびらず行動♪

ということで、

いわゆる「繫殖」の問題により、

かなり後ろ向きな日々でした。

でも!!ミラー氏のような、

園館先進国で活躍されている方が、

「何年も考えている」、

つまり「今のままではダメだ」と

考えているということ、

それをちゃんと表明すること、

それだけでこんなにも救われる人(自分)が

いたこと・・・

 

で、思ったんです。


私は、ちゃんと意見を表明して飼育員さんたち

の力になる側なんじゃないの?

もう十数年も取り組んでいるし

50歳なんだし・・・と(^^;)。

 

ということで、そういう勇気ももらったので、

前回の記事は実は書いたものの

「また反感買って理解されないんだろうなぁ」

アップせず放置していたのですが、

修正してアップしました♪


そしたらやはり好評だったので、

びびってる場合じゃねえぞ!と、

自分に改めて喝を入れたところです。

 

さらに最近すごく考えることは、

「誰のほうを向くのか」です。


もちろん一番は「動物さん」ですが、

そのためには、

「動物さんの状況を変えたいと考えていて、

でも悶々としていたり意欲と能力を

発揮しきれていない飼育員さんや園館人さん」と、

「動物さんや、がんばっている飼育員さん・

園館人さんを応援したい援人さん」こそが、

私がエネルギーを注ぐ相手なんだよなぁ♪

と、あらためて♡

 

つい、

文句を言ってくる人に意識が向きがちですし、

それでメンタルやられがちですが、

それって私に用事がない人に

エネルギーを使って疲れて、

バカみたいだなぁと、今頃気づいた(笑)。

 

「動物さんのために私と一緒に何かしたいと

思ってくれて、行動に移してくれる」、

そんな前向きな状況にこそ、

エネルギーを使いまくろう!と、改めて決意しました♪

 

「変わろう」という話は、

変わりたくない人にはウザくて腹が立つもの。


それでも言うのは、「変えたい」と思って

苦悩している飼育員さんや園館人さんや

援人さんや一般の方が、

「同じことを考えている人がいる!

しかも勇気を出してそれを表明している!」

と知るだけでも、大きな力になるから。

 

だから、どんどん疑問に思ってほしいし、

どんどんそれを表明してほしい。


そういう人が増えることで、

「組織という、具体的には誰のこと?になって

何も進まない」というオバケみたいな存在が

あるわけですが、

実際的にそのかじ取りに責任がある人たちが

いるわけで(設置者・運営者・管理職など)、

そういう人たちが、

「ああ、もう、変わらないとダメなんだな」と

気づくかもなんです♪

 

ちなみにさらなる前向き情報をご紹介すると、

ランス・ミラー氏は、いわゆる「繫殖」が

動物福祉と相いれないことについて

「考え続ける」だけでなく、実践にも移していましたよ!

 

動物さんや動物福祉の専門家と、

話し合いを続けているそうです!♪

 

こんなふうに、

「疑問に思うことから逃げずに考える」

→「行動にも移す」ということが、

日本の園館でも当たり前になったら、

どんなに素晴らしい施設になることか♪

 

そしてそれは、

「誰かがやる」んじゃないですよ、

あなたも含めた皆でやるんです。


それが現実のものとなるように、

私はあの手この手でサポートしているんです♪


そういう外部の力も活用しつつ、

まっとうに自立できる園館になるよう、

皆で力を合わせられればと思います。


もちろん、「張り切ってなんかすると

飛ばされる」という園館にいる場合は、

水面下で仲間を増やすところからですよ♪

 

 

 

写真の説明+さらなる話♪

今回の素晴らしいイベントを開催してくれたのが

京都市動物園だったので、そこのゴリラさんたちです。

 

京都市動物園はゴリラさん宅の緑化に

励んでいて素晴らしいのです♪


草木の中のゴリラさん、シェアピですね♡


しかもその木々を寄付できるようになっているので、

お客さんが「参加」する機会があり、

保全教育の度合いがますます高いのです

(行動経済学の理論です)。

 

画像
野生のゴリラさんも草木に埋もれていましたよ♪(2013ウガンダ・ブウィンディ原生国立公園)

 


写真の説明じゃないけど書きますと、

イベントでは安佐動物公園(広島市)の

安西航さんも講演されました

(「日本の動物園・水族館における研究活動~現状と課題~」)。

何にたまげたって、英語がぺらぺらだったこと!

やっぱ大事だなぁ!と改めて♪

 

そして、まさに研究者といった感じの

取り組みだったので、

やはり「飼育員さんと兼任」ではなく、

海外の園館のように

「専門家(キュレーター)」として

雇用されるようになるといいなぁと。


1つの園館が雇うだけでなく、

日本動物園水族館協会がそういう専門家を

雇えるくらいになると、いいですなぁ♪

 

私がチューリヒ動物園(スイス)に取材に行く前に、

「なんでそんなにすごいんですか?」と

メールで聞いたところ、

キュレーターさんの答えは

「うちは欧州動物園水族館協会(EAZA)

指針に従っているだけなので、

そこのホームページをよく読んで

勉強してから来て下さい」でした☆

 

なので読みましたが(2012年)、

「園館のマネジメントの概要」という講座まで

用意されていて、泣いちゃいそうでした

参加者リストはこちら)。


他にもうらやましい講座だらけなので、

開催リストを見て泣いて下さい(≧▽≦)。

講座だけでなくあらゆる取り組みが別次元なので、

見飽きないですし、なんならもう

全部日本語にして本にして売ってほしい!
という次元の違い過ぎなのです。

 

でも、

他の国の人にできて私たちにできない理由は

ありませんので、ひとつずつ前進してゆく、

それを皆で楽しむ!

 

それが私の仕事でありライフワークです★