根拠あっての園館変革案です~例えばいわゆる「繫殖」について~ | つまき♪.com 「シェアピ式」と「育伝式」で園館と保全活動と古墳と博物館とエジプト考古学を応援★

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ウガンダの野生のトピさん♡

 

最初に大事なことを書きますが、

今回少し厳しめの話かもですが、

園館人さんたちを

責めたいわけでは決してなく、むしろ逆で、

「少しでも楽しくお仕事ができるようになってほしい!」

との想いで、

考えたり取り組んだり提案している話ですので、

時々それを思い出しつつ読んで頂けるとありがたいです♪

 

ということで・・・

 

私が十年以上真剣にブラッシュアップし続け、

伝え続け、実践し続けている

園館変革の理論や具体策に、

「え~」な理由で反対されると、

ふと思うのです。


私は現場を見過ぎたのかな?って。

いやもちろん、

「見過ぎる」なんてことはなく、見たら見ただけ

貴重なデータベースになるのですが、

そうして蓄積した情報量の違いが、

考えの違いにつながっているようにも思うのです。

実際に飼育員さんに聞いた話ですが、

大きな動物園だと、

自分の仕事が忙しすぎて他の動物さん宅は

「全く見ない。何をしているのかも全く知らない」とのこと。


表からも見ないのですから、

バックヤードはなおさらでしょう。


そして、園内に毎日いる飼育員さんですら

こういう場合があるのですから、

園館外の人たちはなおさら、

ということもあるでしょう。

私は国内外278か所の動物施設を見に行き、

基本的には全動物さん宅を表から確認し、

バックヤードを見ることも、まぁまぁあります。


ちなみに一度も自分から

「バックヤードが見たい・見せて」と

言ったことはありません。
ご案内を頂いたり、「見ますか?」と聞いて

頂いた時に拝見しています。

そして、バックヤード=裏が、

表よりいいということはない・・・

というのは、極力ソフトに表現しての現実です。

そういう苦境に置かれている動物さんたちを

イヤってほど見た上で、

例えばいわゆる「繫殖」について、

「多々ある問題に真正面から向き合って、

根本的な部分から今一度考えよう」

言っているのです。

 



細かく一例ずつ検討すれば

もちろん必要なものもあるとは思いますが、

いわゆる「繫殖」礼賛が”常識”として

支配的な空気になっていることが

動物さんたちを苦しめることにつながっていて、

違う視点を示すところから必要な状況なので、

あえて提言しています。

 

 

よりこまかく言うと、

いわゆる「繫殖(とその技術の確立と向上)」は、

「必要なことだから

動物さんに負担がかかっても仕方ない」

という空気に飲まれず、

一例ずつ「本当に必要なのか?」

というところから逃げずに向き合って

改善策を考えたほうが、

動物さんも人も辛さが減って、

心から前向きに取り組めるようになって、

各方面での効果も上がるのではないでしょうか?

 

 

背景にある、

「飼育員さんの評価が低い

(給与でも動物福祉向上の取り組みでも)」

→「いわゆる繫殖は猛烈に評価されるので、

そっちに引っ張られやすい」という現状から、

変えることも超大事です。

 

 

現状に疑問を持ったり苦痛を感じたりしている

飼育員さんたちの背中を押すためにも、

誰かが言い出さねばなことならば

その一人になろうとも考えています・・・

 

ほんとは私だって嫌われたくないですが(笑)、

「動物さんに負担をかけてもいい」と

考える人たちに嫌われるのと、

「動物さんの辛さを一つでも減らしたい」と

考える人たちの力になれるのとだったら、

迷わず後者を選びます。

 

 

 

「動物さんのための繫殖」のはずが、

「繫殖のための動物さん」になっている例が

あまりに多くありませんか?

 

 

 

「動物さんのための教育」のはずが

「教育のための動物さん」になってしまっている

「逆教育」と同じ現象だと思います。

 

根本的に考えがズレてしまっていることから、

目をそらしているようにも見えます。


それでは動物さんと人の苦しみは

いつまでも繰り返され続いていってしまいます。

根本的に変えるには

大勢の意識を変える必要があるため、

「繫殖」という言葉も代えるべく、

代替案を模索中(なので”いわゆる「繫殖」”と書いています)。

という話を講演ですると

反発をする人がいますが、

私と同じものを見ても同じことが言えるのだろうか?と思います。

 

いわゆる「繫殖」のためには

数が必要になるのですが場所はないので、

小さいキャリーや

小さいオリ(もはやカゴ)・

容器などに入れっぱなしにして、

さらにそのキャリーやカゴや容器を

積み上げていたりします。

そんな、まともに動けない状況で、

コンクリの底冷え+太陽光が不十分な

バックヤードで一生を過ごす

動物さんたちを見て、

「繫殖のためには仕方ないよね~」と

多くの人は言うのでしょうが、

それが本当に園館の任務でしょうか?

 

しかも、日本の園館は極度に貧乏で

人手不足な場合も多いですから、

その中でどういった実践をしたら、

保全に貢献できて保全教育にもなるのか?を、

1園館ずつ真剣に考えたほうが、

動物さんと関係者全員の幸せと実利が増えると

思います。

 

いわゆる「繫殖」に取り組まなくてもできる

保全教育も、いくらでもありますし。

 

動物さんを買うお金が無いから、

いわゆる「繫殖」をする

という本音もあると思いますが、

他園館でバックヤード暮らしになって

しまっている動物さんを引き受けて、

自分の園館で幸せに暮らしてもらう役目を

してもいいと考えています

(それこそ保全教育ですし)。

 

そもそもその動物さんに自分の園館で

暮らし続けてもらうのか?から、

考えたほうが得策です。

 

行政運営の園館の場合、動物さんは市民の

財産なので勝手に譲渡できず、

明確な金額でやり取りできる

売買のほうがラクだそうですが、

そんなことを言って

逆教育を続けることこそ市民の損失です。

 

譲渡や交換がダメなら「貸す」でもなんでも、

策があるはずです。


給料をもらってるのですから、

めんどくさがらずに取り組んでほしいです。

 

 

 

また、生まれてくれた動物さんたちの

「生涯の幸せ」を本気で考えていない点も、

根本的な改善を強く望む理由のひとつです。


「赤ちゃん時代だけかわいい&集客できる」と

園館が考えているので

お客さんもそう育ててしまっているし

逆教育)、

「育ったら居場所がない

→動物商に売ってしまう」

ということがあるのも、

動物さんに顔向けできることではなく、

保全教育でも全くなく、園館として自滅の道です。

 

 

ちなみに私が二度取材したチューリヒ動物園

(スイス)は、動物商を使っていません

 

 

大変だけど実現したそうで、

それはすなわちそれだけ問題視している

ということでしょう。

飼育員さんたちも、

本当に動物さんたちのことを考えたら

「現在の状況では繫殖に取り組むことは反対です」とか

「古賀賞(いわゆる「繫殖」をするともらえる賞)なんて古い。

でもそれに囚われている人が多い」など、

こっそり本音を教えてくれる人たちがいます。

でもそういう飼育員さんたちは

組織の一員として公言はできないので、

代わりに私が言って矢面に立っている

という面もあるのです。

なので、だいぶ前のとある講演で

「(具体名を複数出して)そういう熱心な

飼育員さんたちが担当していても繫殖に

反対するのですか?」との質問が出た時、

私はその飼育員さんたちを守ることを

優先して、何も答えませんでした。


どう答えても、その飼育員さんたちの意向

(ちゃんと全員から聞いています)が

伝わってしまうかもしれないと

危惧したからです。


その結果、

「ほら、質問に答えられないんじゃん」と

見られて大勢の前で大恥をかいて

信用がダダ下がるのも瞬時に分かりましたが、

それでも守秘義務を守るほうを取りました。

でもそんなことはもちろん伝わらずに

ダメな感じだけが残るので、

講演終了後にわざわざ

「つまき♪さんの考え方には賛成ですが、

繫殖に対する考え方には反対です」と

言って帰った人もいました。


持っている情報量が違い過ぎる相手

(しかも大勢)に対して、

守秘義務を貫きつつ理論や具体策の

提案をする難しさを痛感し、

やさぐれそうでした(笑)。

でも、そこまでして飼育員さんや園館人さんを

守る意識があることも、

そうした皆さんに信頼して頂いている

要素のひとつかなぁと、改めて思いました。

とは言え聖人君主でもなんでもなく、

何年経ってもこの時のものすごい悔しさは

全く消えないですし、

「もっと動物さんたちの苦境を見て、

飼育員さんたちの本音を聞いてから

言ってくれ・・・」と思っていますし、

何より腹立たしいのは

上手に説明できなかった自分です。

 

あと、よく言われるのは

「園館の悲惨な部分を伝えたら、

変革の必要性を感じる人も増えるのでは?」

ですが、

そういうやり方は

根本的な部分が変わらないので、

していません(今回珍しくちょっと書きました)。


飼育員さんや園館人さんが批判されても、

動物さんたちにいい影響はないと思うのです。


「批判より応援」で、

現場が前向きに動物福祉向上に取り組める

ようになることを皆で楽しむ・・・と

いうやり方が、最強だと考えています。


ただ、たまに厳しいことを書くと、

飼育員さんから「目が覚めました」などの

メールも来るので、たまには・・・って、

私もまだ模索中で、

人のことを言えたもんじゃないのですが💦。

 

そして皆さんが判断できるためにも

正直に続きを書けば、

いわゆる「繫殖」に関する本音を話してくれた

飼育員さんのうち2人が、

その後考えを変えたような発言を私にし、

揺らいでるな~と感じました。


それだけ難しい話なんだと思います。


だからこそ、

皆で腹を割って話す時が来ているように思い、

「本当に現状でいいのですか?」との

問いを投げかけているのです。



さらにもちろん、園館人さんたちに聞いたこと

で守秘義務に該当することを

SNS等に書いたことも一度もありません。

 

よく、園館が何かを発表したときに、

「やっと公表になったか」と書いて、

「自分は以前から教えてもらっていた

=特別扱いされている」

ということを暗に自慢する人がいますが、

それを情報漏洩と取られて、その教えてくれた

飼育員さんや園館人さんが非難されたり

責任を追及されたりしたらどうするのか?

という考えが欠如していて、

非常に危険な行為です。

飼育員さんや園館人さんはピュアな方も多く、

いろいろ教えて下さるからこそ、

そのお気持ちに応えるべく、

私は絶対にネットには書きません。


園館変革の同志的な飼育員さんや園館人さん

には、情報共有として伝えることがありますが

(それを意図して私に伝えて下さる方々もおられるので)、

その意図もきちんと伝えています。

 

ということで、

上記のような認識のズレから来る

不快で不幸な事態を避けるために、

基本的には園館変革の同志的な人たちとだけ

仕事をして行くのが、前向きでいいのかなぁと。

とは言え大勢の方の理解が

園館変革の背中を押すので、

自分の伝え方のスキルも

ブラッシュアップせねばな~と、

常々思っています。



まぁとにかく、

私のシェアピ式園館活性法の理論や具体策は、

「なんでそんなこと言う?」と

キツく感じる部分もあるようですが、

「そこまで言わざるを得ない現実があるから

(そして本気でそれを変えようとしているから)」と、ご理解頂ければありがたいです。

 

 

 

※タイトル写真はウガンダの野生のトピさんです♪

どの動物さんも、本当はこういう広大で

自然いっぱいな環境で暮らしているのです。

 

それを、写真で見てもインパクトありますし、

現場で体感すればなおさらです。

 

こうした情報や体感の蓄積も、

「園館変革にどこまで真剣になるか」に

違いを生むように思います。

 

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(海外の園館人さんが、いわゆる「繫殖」について述べた話です)♪