こんにちは、オーガニック&フェアトレードシアバターShea Dream® の伊藤です。
先日、日仏フレグランス文化財団 主催の会『志野流 香道 世界を舞台に広がる日本のお香』
にお招きを受け、伺ってまいりました。
今回も思いがけず、志野流香道 第二十一世家元継承者、蜂谷若宗匠様に直々に香道について手解きを受ける幸運に恵まれました。
香道の歴史や背景、今後の展望などをご講義頂いた後、聞香体験を。
静寂の中に五感が研ぎ澄まされる、スペシャルな瞬間。
(お写真以下全て日仏フレグランス文化財団
より)
香木は人工的には作ることができず、天然の樹木にバクテリアで浸食された樹脂が、何百年もの長い時をかけて作られるものだそう。
その価値は金よりも高価な為、つい最近までは一般には公開されず、大名や貴族などの限られた高貴な方々のあいだだけの、クローズドな文化だったとか。
それを若宗匠様が「こんなに素晴らしい日本の文化が、世に公開されずにいるのは勿体ない。出し惜しみせずに広めていこう」との新しい試みを始められ、わたくしどものような一般人も香道に触れることができるようになり、ありがたいことです
香木は少しだけ削った物を、よくあるお香のように直接火につけたりせず、香炉に灰団をうずめ、銀葉を乗せてその上に少し削った香木を乗せ、間接的に温めてふわりと漂う香りを聞きます。
(香道の香りは「嗅ぐ」ではなく「聞く」といいます)
この日、若宗匠様がお持ちくださった香木は三種あり、なかでもそのうちの一つ、銘香「芝舟」は、一木三銘と言われた江戸時代の名香
その昔、長崎出島に入荷した見事な伽羅の大木を巡って、細川・伊達・前田家の取り合いとなり、結果その香木は三分割され、伊達家に「芝舟(柴舟)」、細川家に「白菊」、前田家に「初音」とそれぞれ銘をつけられ各家に納められました。
また、最も質の良い穂先が宮中に献上され、「藤袴」と勅銘されたとして、「一木四銘」とする説もあるそう。
貴重な香木は、一度焚いてしまったら二度とは元に戻らない。
何百年の時を経てほのかに香り消える香木は、幽玄の美しさを感じさせてくれます。
まさに全身全霊で、銘香「芝舟」を聞く、至福のひと時。。。
ちなみに、、、この銘香「芝舟」は「奇気」を有するとまで言われているそうで、、、
そのせいか?イトーはなんだかこのお香を聞かせていただいた後、とってもハイになってしまい、なんと若宗匠様や皆様の前で、合戦での大将同士が一騎打ちするシーンの「戦国独り芝居」をうってしまい、みんなにドン引きされてしまいました。。。
皆様、ビックリさせてごめんなさい。きっとこの奇気のせいよ、きっと。。(笑)
この聞香会については、日仏フレグランス文化財団の公式ウェブサイトにて詳しくレポートがございますので、ご興味のある方はぜひご覧くださいませ。
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思えば、以前ひょんな事から前回、若宗匠様の聞香サロンをお手伝いする事になった時、日本のフレグランス界の第一人者でいらっしゃる地引由美様を若宗匠様とお引き合わせしたら、香道とフレグランスの新しいコラボレーションや広がりがうまれるんではないかしらと由美様をお声掛けしたのが、この度の会の開催につながりました。
お二人とも日本のみならずパリやモナコをはじめ世界でご活躍ですので、このご縁がお二人にとって、またひいては日本の香道やフレグランス界にとって善きご縁となりそうで、私もとてもワクワク&嬉しく思っております今後の新たな展開を楽しみにしております
時を超えて私たちに儚くも美しい香りの美を届けてくださった自然の恵み、
日本の伝統文化「香道」のエスプリを伝道くださった若宗匠様、
この会にご招待下さった日仏フレグランス文化財団の代表理事・地引由美様、
若宗匠様とのご縁をお繋ぎ下さったピアニストの高橋教予さん、
ご一緒下さった皆様、
本当にありがとうございました
ではまた