では、現在3人の女性が丹精をこめてShe石けん作っています。
きょうはネパールの都市部から遠く離れた丘陵地帯の農村部で、
この石けん工房を立ち上げた、ドゥルガさんをご紹介します。
ドゥルガ・カットリチャットリさん


ドゥルガさんは、1964年、ネパールのラプティ県ピュータン郡にある小さな村
グリ村の農家に3人姉妹の長女として生まれました。
男の子が欲しいと、お父さんは二人目のお母さんをもらい、ふたりの弟も一緒に暮らしました。
9歳のときから学校に通いはじめ、17歳のときにに同じ村の若者と結婚をしました。
子どもを授かりましたが、子どもが生まれる前に夫が失踪してしまいます。
インドに行ってしまったとの噂を聞きましたが、夫からの送金は一切なく、一人で出産し、
農業の手伝いと家政婦として働くことでなんとか自分と子どもの生活の糧を得る日々を
送りました。
5年後、夫がなんの前触れもなく戻ってきましたが、数カ月後、再び失踪してしまいました。
その後も夫は気が向くと帰ってきては、いなくなるということを繰り返します。生活費を
求めても、暴力をふるわれるだけでした。
2001年、ネパール政府と国連開発計画(UNDP)の貧困地域における小規模起業家養成プロジェクト
(マイクロ・アントレプレナー)に応募し、地元にある自然資源を活かした石けん作りの方法を
教わりました。この時、ドゥルガさんは夫に何かを求めることをやめ、自分の力でお金を稼ぐ
ことを強く決意します。
農業開発銀行から1万2,000ルピー(約1万5,000円)を借り入れ、石けん工房を立ち上げました。
その時の研修生の中で、唯一石けん作りの事業を立ち上げ、政府からいくつかの賞を授与しています。
現在、彼女の娘は結婚をして、息子夫婦と孫、義理の両親とグリ村で同居しています。
彼女の工房は、近くに流れる雄大なジムロック川から「ジムロック・シャボンファクトリー」と
名付けられています。
好きな色: ターコイズブルー
楽しかったこと: 石けんを作っている時、新しい人との出会いなど生きがいとなっている。
一番つらかったこと: 石けん作りを始める前は毎日が悲しい日々だった。
一番大切なもの:子ども
夢: 新しい家を建てて、車を買いたい。日本にも行ってみたい。
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私だったら乗り越えてこれなかったかもしれない。
そう思わざるを得ないような大変な過去を乗り越え、は強い決意を胸に石けん作りに取り組む
ドゥルガさん。お孫さんと過ごしているときの穏やかな彼女も、石けんづくりに取り組む
厳しい彼女も、水牛の世話をする忙しい彼女も、頑張るドゥルガさんはとても美しく、パワー
全開。そう感じています。